前回8月4日配信のコラムでは相場が上昇、下落の方向性にかかわらず、どちらかに大きく動けば利益を狙える両建て戦略について紹介しましたが、相場が大きく動かない、こう着相場を想定する場合はどのように対応したらよいでしょうか。
相場格言には「休むも相場」というように、市場の環境や相場に方向性が出ていないときは次の機会に備えるというのも一手ですが、ニアピンeワラントを活用して利益を狙う手法もあります。ニアピンeワラントは満期時の対象原資産の相場水準の予想に近い銘柄を買付ける商品ですが、この特長を利用するとこう着相場も好機となるかもしれません。
本レポートでは、ニアピンeワラントの商品特性とこう着相場でどのようにニアピンeワラントを活用することができるのかを紹介しています。また、eワラントのお取引で現金がもらえるプレゼントキャンペーンも実施中です。この機会にeワラントのお取引をご検討ください!
ニアピンeワラントとは? |
ニアピンeワラント(以下、ニアピン)は特殊なeワラントです。コール型eワラントは相場の上昇を、プット型eワラントは相場の下落を予想するのに対して、ニアピンを用いた投資では「いくらくらいになるか」というように水準を予想します。ニアピンには、権利行使価格ではなく「ピン価格」が設定されています。
例えば、下のサンプル画面中の一番上の「ニアピン日経平均r250 第1285回」という銘柄は、対象原資産が日経平均、ピン価格が12,250円、満期日が2016年12月14日です。つまり、「2016年12月14日時点で日経平均の価格が12,250円程度になっていそうだ。」と予想した場合には、この銘柄を購入します。なお、ニアピンr250というのは後述のレンジを示しています。
ニアピンの対象原資産は「日経平均」と「米ドル円相場」の2つのみです。「日経平均」を投資対象とするニアピンは、満期日の日経平均の価格がピン価格の前後250円未満におさまれば、満期日に受取金額が発生します。「米ドル円相場」を投資対象とするニアピンは、満期日の米ドル円相場の水準がピン価格の前後2円未満におさまれば、受取金額が発生します。
満期日の決済金額の具体的な計算方法は次の通りです。
1.日経平均ニアピンの満期決済金額
日経平均ニアピンの満期受取金額は、日経平均の満期日の始値をもとに計算されます。日経平均の満期日の始値と、日経平均ニアピンのピン価格との差額をA円とした場合、Aが250円未満のときの満期決済金額の計算式は次の通りです(Aが250円以上のときは満期受取金額は0円)。
【日経平均ニアピンの満期決済金額】
満期決済金額 = 100 − A × 0.4
2.米ドルニアピンの満期決済金額
米ドルニアピンの満期決済金額は、米ドルの満期日の午前9時における米ドルリンク債(米ドル対円相場に連動する債券)の価格をもとに計算されます。同時間の米ドルリンク債の価格と、米ドルのピン価格との差額をB円とした場合、Bが2円未満のときの満期決済金額の計算式は次の通りです(Bが2円以上のときは満期受取金額は0円)。
【米ドルニアピンの満期決済金額】
満期決済金額 = 100 − B × 50
こう着相場での検証 |
相場水準がニアピンのピン価格に近いとき、仮に相場が水準などの諸条件が変わらず時間だけが経過すると、満期日に受取金が発生する確率が高まり、ニアピンの価格も上昇することが期待されます(図1)。つまり、ニアピンを活用すれば、相場が上にも下にも値動きしない局面でも値上がり益を狙うことができます。なお、ニアピンはコール型やプット型と同様に、満期日の前でも売却をして損益を確定させることができます。ただし、満期前のお客様の売却は満期日の前営業日の15時までとなります。
※このイメージはeワラントの価格決定要因のうち、時間経過以外の条件に変化がなかったという前提です。
実際の取引価格は相場状況によって変動します。
では具体的な銘柄で検証してみましょう。図2はニアピン日経平均r250 第1275回の8月1日から8月19日の推移です。8月は例年、株式市場の取引参加者が夏季休暇に入ることに加え、今年はリオデジャネイロオリンピックの開催が予定されていたことから、市場参加者が減って閑散相場となることが予想されていました。8月1日の日経平均は16,500円前後でしたので、ピン価格が16,500円(図中のピンク色の実線)で満期日が9月14日というこの銘柄を検証の対象としました。
8月1日から8月19日の日経平均は16,500円を中心としたレンジで推移したため(図中の灰色の点線)、このニアピンは上昇しました(図中の青色及び赤色の実線)。eワラントの取引においては価格差(売買スプレッド)がありますので、仮に8月1日の売気配値終値の9.30円で買付けたとして、8月19日の買気配値終値の12.74円で売却できたとすれば、約37%の上昇益となり、図1のイメージに近い結果となりました。この銘柄は9月14日が満期日ですが、満期日が間近という点もポイントです。
このように、相場がこう着するという状況においてはニアピンの買い持ち戦略が有効となる場合があります。日銀の金融政策決定会合、米国のFOMCや雇用統計など、相場に大きな影響を与えうるイベントがない時期をあえて狙う、という投資戦略になるでしょう。ニアピンeワラントならではの、こう着相場狙いの戦略で投資の幅を広げてみてはいかがでしょうか。
今回のコールくん、プットくんの注目銘柄 |
コールくんが選ぶ〜注目銘柄
ソニーの新型ゲーム機、PlayStation VRの発売が10月13日と予定されているね。このゲーム機はヘッドセットをつけることで3D空間を体験できるそうだけど、予約の段階ですでに品切れ状態とのこと。まだまだ一般の認知度も高まっていないと思われるので今後テレビCM などで販売攻勢をかけてくれば株価にも追い風になるだろうとみているよ。発売日までは 上値余地があるとみているよ。
この銘柄は満期までの期間が長く、権利行使価格も株価水準より低いので、レバレッジは低め。eワラント初心者が株の代わりに投資するとしたら使いやすい銘柄だよ。
数カ月程度以上を想定しているよ。
株価がさらに上昇してこの銘柄が20円以上が目標だよ。
- ※あくまでも目安であり、将来の運用成果等を保証するものではありません。
ソニーコール275回
ソニーコール278回
ソニーコール282回
ソニーコール284回
ソニーコール286回
- ※コメント作成時、eワラントホームページのアクセス状況に基づきます。
プットくんが選ぶ〜注目銘柄
相場を動かす材料が不足しているね。あえて言えばジャクソンホール会議でのイエレンFRB議長の講演が注目かもしれないけれども、相場を動かすほどのサプライズにはならないと見ているよ。プット型eワラントではないけれども、今回のコラムで紹介されたニアピン日経平均を活用できるタイミングだと思っているよ。
日経平均の水準はブレグジット前の16,500円付近でしばらく落ち着くと見ているので、今回のコラムで紹介されたニアピン日経平均にしたよ。ピン価格16,500円、満期日9月14日だよ。
満期まで。こう着が継続する限り保有だよ。
40円以上が目標。もちろん想定より早く到達したら利食い売りを考えたいね。
- ※あくまでも目安であり、将来の運用成果等を保証するものではありません。
ダウ・ジョーンズ工業株価平均プット282回
金リンク債コール221回
ホンダコール186回
日経平均コール912回
日経平均ニアピン1302回
- ※コメント作成時、eワラントホームページのアクセス状況に基づきます。
eワラントが10年以上投資家に支持されているワケ
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ご注意事項
- SBI証券を通したマーケットメーカー(eワラント・インターナショナル)との相対取引になります。
- 配当や株主優待の権利は発生しません。
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- 本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
リスクについて
eワラント(カバードワラント)は、対象原資産である株式・株価指数、投資証券(REIT)、預託証券、国債先物、通貨(リンク債)、コモディティ(リンク債)の価格変動、時間経過(一部の銘柄を除き、一般に時間経過とともに価格が下落する)や為替相場(対象原資産が国外のものの場合)など様々な要因が価格に影響を与えるので、投資元本の保証はなく、投資元本のすべてを失うおそれがあるリスクが高い有価証券です。また、対象原資産に直接投資するよりも、一般に価格変動の割合が大きくなります(ただし、eワラントの価格が極端に低い場合には、対象原資産の値動きにほとんど反応しない場合があります)。
ニアピンeワラント(カバードワラント)は、対象原資産である株価指数や為替相場の変動や、時間経過(同日内を含む)など様々な要因が価格に影響を与えるので、元本の保証はなく投資元本のすべてを失うおそれがあるリスクが高い有価証券です。また、対象原資産に直接投資するよりも、一般に価格変動の割合が大きくなります。最大受取可能額は1ワラント当たり100円に設定され、満期参照原資産価格がピン価格から一定価格以上乖離した場合は満期時に価格がゼロになります。同一満期日を持つ全ての種類のニアピンeワラントを購入しても、投資金額の全てを回収することができない可能性があります。
トラッカーeワラント(カバードワラント)は、対象原資産である株価指数、通貨(リンク債)、コモディティ(リンク債)の価格変動や為替相場(対象原資産が国外のものの場合)など様々な要因が価格に影響を与える有価証券です。このため、投資元本の保証がなく、損失が生じる恐れがあります。トラッカーeワラントの価格は、eワラントに比べると一般に対象原資産の価格により近い動きをします(ただし、レバレッジトラッカーは同方向または逆方向に増幅されたような値動きとなります)が、任意の二時点間において対象原資産の価格に連動するものではありません。また、金利水準、満期日までの予想受取配当金及び対象原資産の貸株料等の変動によって、対象原資産に対する投資収益率の前提が変化した場合には、トラッカーeワラントの価格も影響を受けます。
さらに、取引時間内であっても取引が停止されることがあります。
お客様の購入価格と売却価格には価格差(売却スプレッド)があります。
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