12月9日に韓国国会は234対56という大差で朴槿恵大統領の弾劾訴追案を賛成多数で可決しました。大統領友人の国政介入、財閥企業からの利益供与(いわゆる「崔順実ゲート事件」)をめぐる問題やそれに伴う現役大統領への弾劾・辞任を求める一連の動きは、一時は日本国内でもメディアで連日のように取り上げられていました。
韓国の政治的停滞は韓国内の経済活動に大きな影響を与える可能性があるだけでなく、この出来事を期に朝鮮半島の平和が揺らぐようなことがあれば、連鎖的に日本を取り巻く経済環境にも影響を与える可能性があります。そこで、今回は朴大統領の弾劾訴追案可決で想定される今後の動きと今後発生しうるリスクイベントを考察してみました。
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韓国政治の今後の行方 |
弾劾訴追案可決に伴い、朴大統領は職務停止となり、職務停止期間中は黄教安首相がその役割を代行することになります。弾劾の可否については憲法裁判所によって最長180日以内に審理され、憲法裁判所の審査でも3分の2以上の賛成で可決されると、弾劾が成立し、朴大統領は罷免されることになります。
憲法裁判所が弾劾を否決し朴大統領が職務に復帰する、又は朴大統領が退任し新たな大統領が就任するまでの期間は、前述の通り黄首相が政権を運営していくことになりますが、黄首相はもともと検察官を務めており、朴槿恵政権発足時(2013年)に法務部長官(日本でいう法務大臣)に、前首相の汚職問題に伴う辞任で2015年6月に首相に就任した人物で、政治経験が乏しく、国政の運営能力には疑問が残ります。また、与党セヌリ党は主流派(朴派)、反主流派(反朴派)の内部闘争による政党分裂の危機にあり、支援は期待しにくい状況です。
黄首相がリーダーシップを発揮できない場合、今後の重要政策課題への対応については、次期大統領選に向けた主導権争いの様相を呈する可能性があり、法案の可決が進まずに政治的な空白を生んでしまう可能性があります。しかも、弾劾審理の期間、そして仮に罷免された場合はその後の選挙期間のことまで考えると、長ければ半年以上の間、政治的空白期間が継続するということにもなりかねません。
朴槿恵大統領弾劾訴追で想定されるシナリオとは? |
(1)次期大統領選挙
憲法裁判所での弾劾審理の結果にかかわらず、朴大統領の2018年2月の任期満了前の退任は確実視されているようです。そうなると、次の大統領候補が誰になるかに注目が集まりそうです。下記は次期大統領の有力候補として名前が挙がっている人物と現在までに明らかになっていると思われるそれぞれの政治スタンスです。実際の選挙戦は1月以降に本格化すると思われますので、どのような選挙公約を打ち出すかには注目しておいたほうがいいかもしれません。
候補者 | 文在寅 (ムン・ジェイン) |
潘基文 (パン・ギムン) |
李在明 (イ・ジェミョン) |
安哲秀 (アン・チョルス) |
|
---|---|---|---|---|---|
所属政党 | 共に民主党 | 未定 | 共に民主党 | 国民の党 | |
主な経歴 | 党前代表 元大統領秘書室長 |
国連事務総長 | 城南市長 | 党前共同代表 | |
内政 | 経済 | 財閥解体 | |||
福祉 | 低所得者支援 | ||||
外交 | 対北朝鮮 | 南北関係の回復 | 制裁と対話を志向 | ||
対米 | THAAD配備見直し | 融和的? | |||
対日本 | 韓日合意の見直し GSOMIA見直し |
融和的? | 韓日合意の見直し GSOMIA見直し |
次期大統領選挙で注目されそうなテーマの1つがチェボルと呼ばれる財閥の取り扱いです。今回の事件に対するデモでは、朴大統領の友人という私人への国家機密の漏洩という点のみならず、政府と財閥の癒着が韓国民の反感を集めました。
そもそも韓国では、朝鮮戦争後の経済復興のために、財閥のビジネスを保護してきました。その結果、韓国は“漢江の奇跡”と呼ばれる経済発展を遂げましたが、同時に政府関係者・財閥関係者へと富が集中し、貧富の差の拡大を招きました。
こうした状況を背景として、次期大統領選挙では、各候補者が財閥優遇政策の縮小・撤廃や財閥解体を選挙公約として掲げる可能性があります。既に、候補の一人で、過激な発言から「韓国のトランプ」とも称されている李在明氏(共に民主党)は、財閥解体を訴え、支持率を拡大しているとの報道もあります。
サムスン電子や現代自動車、LGエレクトロニクスなど時価総額の大きな会社を多数抱える財閥グループへの特権的な優遇策が制限・撤廃され、その業績が悪化するようなことがあれば、韓国の経済成長率は大きく低下し、株価が下落する可能性があります。
(銘柄例)
・韓国200種株価指数 プット第206回
(2)朝鮮半島の政情不安
9月に5度目となる核実験を行った北朝鮮に対し、国連安全保障理事会は11月30日に経済制裁の強化を全会一致で採択しました。今年3月から行われている経済制裁の影響を受けて、すでに北朝鮮には多額の損失が発生していると見られ、困窮した北朝鮮側が、韓国の政治的空白期間を見計らって、さらなる挑発行為を強めてくる可能性もゼロではありません。
朝鮮半島の緊張感が高まれば、地政学的に近い関係にある日本のリスクも高まる可能性があります。株式などが売られ、安全資産として金やプラチナに投資マネーが移るかもしれません。
(銘柄例)
・日経平均 プット第774回
・金リンク債 コール 第229回
今回のコールくん、プットくんの注目銘柄 |
コールくんが選ぶ〜注目銘柄
今年の夏からPokemon GOの一大ブーム、リオ五輪閉会式での安倍首相のパフォーマンス、新型ハード(Nintendo Switch)の発表、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンとの提携など、様々な材料を提供していた任天堂だけど、新作アプリ「SUPER MARIO RUN」のリリースをもって材料出尽くしと見られたのか大きく値を下げているよ。直近高値から1週間で20%近くの急激な下落にリバウンドが入るとみるのであればコールで短期投資だね。
相場水準にやや近い権利行使価格のものを選んだよ。
短期のリバウンド狙いなので、結果問わずに年内には手仕舞いたいね。
10.5円くらいまで値上がりを期待しているよ。
- ※あくまでも目安であり、将来の運用成果等を保証するものではありません。
任天堂 コール第231回
任天堂 コール第238回
- ※コメント作成時、eワラントホームページのアクセス状況に基づきます。
プットくんが選ぶ〜注目銘柄
先週行われたFOMCでは大方の予想通り利上げが決定されたね。来年の利上げ予想回数が3回と市場の予想よりは多く、サプライズはあったけれど米国株は大きく下がらなかったよ。利上げ懸念よりもトランプ新政権への期待が上回ったということかもしれないけど、いまだ新政権の政策は具体的にはなっていないよ。公約にかかげていた大規模な財政支出が議会の反発などでかなわなかった場合や、財政支出でインフレが予想以上に進行し更なる利上げ圧力が高まった場合には、株式市場は一転して売りに転じる可能性があるかもしれないね。
権利行使価格が相場水準より高くて、満期までの期間が長い銘柄で中長期的なダウの下落を狙うよ。
1ヵ月〜3ヵ月くらいの保有を考えているよ。
8円以上での売却を目標にしているよ。
- ※あくまでも目安であり、将来の運用成果等を保証するものではありません。
日経平均マイナス3倍 第25回
日経平均マイナス3倍 第27回
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