9月19−20日の日程で米国では連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されます。直近のFOMCではFRBのバランスシート縮小開始時期、今後の米経済見通しとそれに基づく利上げ方針に注目が集まりましたが、今回も同様の点がテーマになりそうです。特にバランスシートの縮小に関しては今回の会合で着手する可能性が高いと見られているようです。
バランスシートの縮小とはFRBが保有資産、すなわち国債や各種債券を減らすことを意味しますが、FRBが何故バランスシート縮小に着手しようとしているのか、縮小した場合どのような影響があるのか、十分に理解ができていない方もいらっしゃるかもしれません。
そこで本コラムではFRBがバランスシート縮小に着手するまでの経緯を振り返るとともに、今回のFOMCで想定されるシナリオと投資戦略について考察しました。eワラントはレバレッジが効いているので、予想が当たれば大きなリターンを期待できますし、万が一予想が外れてしまっても最大損失は買付代金までに限定されているので、追証の心配はありません。大きなイベントを控えたこの機会に是非eワラントのお取引をご検討ください!
FRBのバランスシート縮小とは? |
下図はFRBの保有資産の推移を表したものです。そもそもFRBのバランスシートは、2008年の金融危機への対応に端を発した量的金融緩和によって拡大してきました。QE1〜3と呼ばれる3度にわたって行われた量的緩和によって、FRBは大量の米国債や住宅ローン担保証券(MBS)を買い入れ、市場に資金を供給してきました。潤沢な資金が投入されたことで、米国経済はインフレに転じ、昨今の景気拡大につながっています。景気の回復を受けてQEは2014年10月に終了を迎えましたが、その時点でFRBの保有資産は約4.4兆米ドルにまで膨れ上がりました。
FRB資産残高の推移(2007年8月1日〜2017年9月6日)
出所:FRBよりeワラント証券投資情報室作成
本来、債券は満期を迎えると償還されますが、FRBはこれまで償還された金額を再投資に回していました。今回、バランスシートを縮小するにあたってはこの再投資額を縮小するアプローチがとられる予定であることが6月の会合で明らかとなりました。具体的には、米国債については月当たりの再投資見送り額を当初60億ドルに設定します。その後、月額300億ドルに達するまで、1年をかけて3カ月おきに60億ドルずつ増やしていく計画としています。MBSについては、再投資見送り額を当初40億ドルから始め、月額200億ドルに達するまで、1年をかけて3カ月おきに40億ドルずつ増やしていく予定です。市場への影響を考慮して、FRBの資産規模からするとごく緩やかなペースで行うものとなりそうです。
そのように慎重を期してでもバランスシートの縮小に踏み切った理由としては、再び訪れるであろう金融危機に対して適切な政策を実施できるようにしておくためです。株価が史上最高値圏にあり、労働需給が完全雇用に近い状態にある間に、金利正常化と共に、バランスシートを縮小しておきたいというのがイエレン議長をはじめとした米金融政策担当者の意図のようです。
バランスシートを縮小する=債券の再投資を控えるということは、債券の買い手が減って価格が下がり、金利が上がることを意味しますので、基本的には米ドル高・株安要因となります。ただし、米国株式が大幅下落するようなことがあれば、取引通貨である米ドルも合わせて急落する可能性がある点には注意しておかなければいけないでしょう。
9月FOMCを投資機会とするなら |
前述のバランスシート縮小については、前回会合時点で多数の理事が支持していたことから、9月の開始は既にある程度織り込まれているものと思われます。仮に、本会合で実施が決まらなかった場合には米ドル対円相場は大きくドル安に進む可能性があります。
一方、年内の追加利上げについては、まだ十分に織り込まれていない可能性があります。CME金利先物に織り込まれている年内追加利上げの可能性は41.9%(125-150bp:41.1%、150-175bp:0.8%)と市場関係者の見方も分かれているようです。終了後の会見でイエレン議長が好調な企業業績を背景に、追加利上げに強気な姿勢を示せば、米ドル高が進むかもしれません。一方、地政学リスクの高まりや先日のハリケーン被害の影響から慎重な姿勢を見せれば、米ドル安に転じる可能性もあります。
FF金利先物に織り込まれた金利誘導目標の発生確率(2017年9月11日時点)
出所:CMEよりeワラント証券投資情報室作成
<米ドル高を予想するなら>
米ドルリンク債コール 第830回
ニアピン米ドルr2 第995回
<米ドル安を予想するなら>
米ドルリンク債プット 第714回
米ドルリンク債プット 第712回
ニアピン米ドルr2 第992回
今回のコールくん、プットくんの注目銘柄 |
コールくんが選ぶ〜注目銘柄
キーエンスの株価は堅調な上昇トレンドにあるので順張りのコールを選択したよ。現物株を買うには600万円近く必要だけど、eワラントならこの銘柄でも1万円前後で買付けできるよ。値がさ株の代替投資手段としてeワラントを上手に活用したいね。
権利行使価格が低く、満期まで十分期間がある銘柄で時間的価値の減少を抑えて現物株の代わりに使いたいね。
年末頃までを目安にしているよ。
13円〜14円を目標にしているよ。
- ※あくまでも現在の市場動向から推測した目安であり、将来の運用成果等を保証するものではありません。
キーエンス コール 第31回
- ※コメント作成時、eワラントホームページのアクセス状況に基づきます。
プットくんが選ぶ〜注目銘柄
米国の長期金利が上昇傾向になく、FRBも積極的な利上げはできないという前提に立つなら米国の金融機関の苦境は続くかもしれないね。JPモルガン・チェースの株価は直近の上値が重くて、下落トレンド入りしそうな状況だね。プット型eワラントで下落トレンドを狙ってみたいと思っているよ。
満期までの期間が長い銘柄でトレンドに乗りたいところだね。
上昇トレンドに変わるまでは継続保有のつもりだよ。
3円くらいで売却したいところだね。
- ※あくまでも現在の市場動向から推測した目安であり、将来の運用成果等を保証するものではありません。
JPモルガン・チェース プット 第6回
JPモルガン・チェース プット 第8回
- ※コメント作成時、eワラントホームページのアクセス状況に基づきます。
eワラントが10年以上投資家に支持されているワケ
eワラントの関連コンテンツ
eワラントを極める!(毎週第1営業日更新)
ご注意事項
- SBI証券を通したマーケットメーカー(eワラント・インターナショナル)との相対取引になります。
- 配当や株主優待の権利は発生しません。
- 未成年口座のお客さまのeワラント取引のお申し込みは受付いたしておりません。
- 本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
- 本資料は投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたもので、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。万一、本資料に基づいてお客さまが損害を被ったとしても当社及び情報発信元は一切その責任を負うものではありません。本資料は著作権によって保護されており、無断で転用、複製又は販売等を行うことは固く禁じます。
- リスクについて
eワラント(カバードワラント)は、対象原資産である株式・株価指数、投資証券(REIT)、預託証券、国債先物、通貨(リンク債)、コモディティ(リンク債)の価格変動、時間経過(一部の銘柄を除き、一般に時間経過とともに価格が下落する)や為替相場(対象原資産が国外のものの場合)など様々な要因が価格に影響を与えるので、投資元本の保証はなく、投資元本のすべてを失うおそれがあるリスクが高い有価証券です。また、対象原資産に直接投資するよりも、一般に価格変動の割合が大きくなります(ただし、eワラントの価格が極端に低い場合には、対象原資産の値動きにほとんど反応しない場合があります)。
ニアピンeワラント(カバードワラント)は、対象原資産である株価指数や為替相場の変動や、時間経過(同日内を含む)など様々な要因が価格に影響を与えるので、元本の保証はなく投資元本のすべてを失うおそれがあるリスクが高い有価証券です。また、対象原資産に直接投資するよりも、一般に価格変動の割合が大きくなります。最大受取可能額は1ワラント当たり100円に設定され、満期参照原資産価格がピン価格から一定価格以上乖離した場合は満期時に価格がゼロになります。同一満期日を持つ全ての種類のニアピンeワラントを購入しても、投資金額の全てを回収することができない可能性があります。
トラッカーeワラント(カバードワラント)は、対象原資産である株価指数、通貨(リンク債)、コモディティ(リンク債)の価格変動や為替相場(対象原資産が国外のものの場合)など様々な要因が価格に影響を与える有価証券です。このため、投資元本の保証がなく、損失が生じる恐れがあります。トラッカーeワラントの価格は、eワラントに比べると一般に対象原資産の価格により近い動きをします(ただし、レバレッジトラッカーは同方向または逆方向に増幅されたような値動きとなります)が、任意の二時点間において対象原資産の価格に連動するものではありません。また、金利水準、満期日までの予想受取配当金及び対象原資産の貸株料等の変動によって、対象原資産に対する投資収益率の前提が変化した場合には、トラッカーeワラントの価格も影響を受けます。
さらに、取引時間内であっても取引が停止されることがあります。
お客さまの購入価格と売却価格には価格差(売却スプレッド)があります。
詳細は、最新の外国証券情報をご参照ください。