日経平均が21,000円を超え、約21年ぶりの水準まで回復をしましたが、急激な上昇に市場では相場の過熱感を警戒する声も聞こえています。相場は上下を繰り返しますので、ある材料に対する期待感から相場が大きく上昇した場合、その期待の剥落や新たな悪材料の登場によって急激に調整に転じるケースが過去にも見受けられましたので、相場の過熱具合を確認しておくことは意義があると言えるでしょう。
相場の過熱感をはかる指標のひとつとして、プット・コールレシオがあります。プット・コールレシオとはプット(相場下落時に利益を狙うタイプ)とコール(相場上昇時に利益を狙うタイプ)のどちらが売買されているかを示す指標です。プットが多く売買されていればプット・コールレシオは上昇し、コールが多く売買されていればプット・コールレシオは低下します。
本レポートではプット・コールレシオの見方をご紹介すると共に、プット・コールレシオを活用した取引戦略例をご紹介しています。相場の上昇局面・下落局面の双方で、小額から、追証なしのレバッレジ投資をすることができるeワラントをこの機会に是非ご検討ください!

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プット・コールレシオとは? |
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eワラント提供元のeワラント証券では、国内個別株と国内株価指数を対象にしたコール型とプット型のeワラント売買代金からプット・コールレシオという指標を公表しています(https://www.ewarrant.co.jp/tools/put-call-ratio/)。このデータは毎営業日の取引終了後に更新されます。プット・コールレシオはコール型(相場上昇時に利益を狙うタイプ)の売買が多いのか、プット型(相場下落時に利益を狙うタイプ)の売買が多いのかの割合を意味するもので、次の式で表されます。
プットの売買金額 ÷ コールの売買金額 (5日移動平均)
プット・コールレシオが上昇すると、日本株相場に対して弱気な投資家が増えてきたと考えられ(下落局面)、プットコールレシオが下落すると強気な投資家が増えてきた(上昇局面)と考えられます。この数値を下回ったら、この数値を上回ったらという判断基準はありませんが、以下のポイントが参考になるでしょう。
・相場の高値圏ではプット・コールレシオは低くなる傾向がある
・相場の底では、プット・コールレシオは急上昇し、鋭いピークを形成する傾向がある
・相場の転換点は、プット・コールレシオが反対に動き始めた近辺になることが多い
下図は2011年から2016年までのプット・コールレシオと日経平均の推移です。プット・コールレシオが低下した局面(図の緑色の丸)は相場の高値圏を示していたこと、また、プット・コールレシオがピークをつけた局面(図の水色の丸)は短期的な相場の底を示していたことがわかります。
2016年に2回プット・コールレシオが大きく上昇しているのは、6月に行われた英国のEU離脱を巡る国民投票と11月の米国大統領選挙の付近です。これらのイベント前後は、結果しだいで相場の急落があるかもしれない、という相場観の下で日経平均などを対象とするプットの需要が大幅に増加していたことを示しています。
プット・コールレシオと日経平均の推移(2011年1月5日〜2016年12月30日)

- ※出所:ロイター及びeワラント証券よりeワラント証券投資情報室作成
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直近のプット・コールレシオをどう見る? |
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直近のプット・コールレシオを見てみると、2017年10月12日に0.14という値をつけ、その後も同程度の水準に留まっています。通常、プット・コールレシオは0.10 〜 1.00 で推移することが多いので、今回の値は危険水域とは言わないまでも、低い水準であると見ることができます。この間、日経平均は11営業日続伸(本稿執筆の2017年10月17日時点)となり、約21年ぶりの高値をつけたことから、日本株の上昇に順張りで付いていくコールの買いが増えたものと考えられます。
仮に、プット・コールレシオと日経平均の過去の関係性が今後も続くという前提であれば、プット・コールレシオが更に低下し、目安として0.10を下回ると相場は過熱気味であり、短期〜中期的に相場は下落に転じると解釈できるかもしれません。
一方で、2013〜2015年のようにプット・コールレシオが低水準の値をつけて以降も、相場は(若干の調整はあるものの)上昇トレンドを描くケースもあり、今回はその初期段階と見ることができるかもしれません。
以上を踏まえた具体的な投資戦略例としては次のものが挙げられます。
①相場が短期的に下落に転じると考えるなら
投資元本がなくなるリスクが高いけれども、高い上昇率を期待できるプットに資金を絞って投資。数日から2週間程度で売却。
・日経平均 プット 第825回
②相場が下落トレンドに転じると考えているが、いつ転じるかはわからない。
時間的価値の減少の影響が比較的少ないプットやマイナス3倍トラッカーを使って中長期的な下落に備える。
・日経平均 プット 第888回
・日経平均マイナス3倍 第28回
③上昇トレンドが継続する
時間的価値の減少の影響が比較的少ないプットやプラス5倍トラッカーを使ってトレンドに順張り。プット・コールレシオが反対に動き始めたら売却。
・日経平均 コール 第1119回
・日経平均プラス5倍 第30回
プット・コールレシオと日経平均の推移(2017年1月4日〜2017年10月16日)

- ※出所:ロイター及びeワラント証券よりeワラント証券投資情報室作成
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今回のコールくん、プットくんの注目銘柄 |
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コールくんが選ぶ〜注目銘柄
北朝鮮が挑発行動を繰り返しているね。特に今週は中国共産党大会も開催されているし、再びの挑発行動実施の可能性も指摘されているよ。北朝鮮の挑発があるたびに石川製作所の株は物色対象になっているので、今週はこの銘柄にしたよ。16日からの新規追加銘柄だよ。その他の新規追加銘柄はこのリンクを参照してね。
https://search.sbisec.co.jp/v2/popwin/info/derivative/warrantadd171010.html
単価が一番安い銘柄を選んだよ。
1週間くらいを想定しているよ。
18円以上を目標価格と設定するよ。
- ※あくまでも現在の市場動向から推測した目安であり、将来の運用成果等を保証するものではありません。
テスラ コール 第63回
三菱UFJ コール 第263回
- ※コメント作成時、eワラントホームページのアクセス状況に基づきます。

プットくんが選ぶ〜注目銘柄
中東ではクルド人勢力とイラク軍の対立が激化しているよ。一部ではクルド人が実効支配するキルクーク市をイラク軍が制圧したとの報道もあるようだよ。今後も更なる対立激化があるとすると、有事の円買いで米ドル対円相場は円高に進むかもしれないね。
権利行使価格が高く、満期まで長い銘柄で中長期の円高進行に備えたよ。
数週間から2か月程度でいったん手仕舞いたいね。
10%〜20%の変動で一旦利食い、損切りの売りを繰り返していきたいね。
- ※あくまでも現在の市場動向から推測した目安であり、将来の運用成果等を保証するものではありません。
米ドルリンク債 プット 第770回
米ドルリンク債 プット 第802回
- ※コメント作成時、eワラントホームページのアクセス状況に基づきます。
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