今年も残り1ヶ月を切り、投資家にとっては年間の収支を確定させる時期ではないでしょうか。「終わりよければ全て良し」とはよくいいますが、2017年中にもまだまだ相場を大きく動かすかもしれないイベントは残されていますし、年末年始でギャップアップ・ギャップダウンが発生する可能性もあります。
保有ポジションの価格変動リスクを抑えたいと考えたとき、第一にはポジションをスクエアにすることが考えられますが、その場合には仮にその後上昇した場合の上昇分を放棄することにもなってしまいます。また、どうしてもポジションを来年に持ち越したいという事情もあるかもしれません。そのようなときに、保有するポジションにプット型eワラントを組み合わせることで、保有するポジションの下落リスクを限定させることができます。
そこで、本レポートでは外貨のポジションを持っているときを例に保有ポジションに保険をかける方法をご紹介します。年末年始を迎えるこの機会に是非eワラントのお取引をご検討ください!
年末年始のリスクイベントとeワラントの活用法 |
直近1ヶ月程度を見てみますと、為替相場に大きな影響を与える可能性があるイベントには以下のようなものが挙げられます。
12月8日 |
米国雇用統計(11月) |
12月12-13日 |
FOMC |
12月13-14日 |
イングランド銀行金融政策委員会 |
12月14日 |
ECB理事会 |
12月20-21日 |
日銀金融政策決定会合 |
1月3日 |
FOMC議事要旨 |
1月5日 |
米国雇用統計(12月) |
海外株式の売買のために外貨のポジションを保有している場合や、FX取引によって外貨の買いポジションを保有している場合は、これらのイベントによって生じるかもしれない、円高・外貨安のリスクを年末年始も十分に認識しておかなくてはいけません。そこで、プット型eワラントを掛け捨ての保険のように活用することで円高・外貨安のリスクをヘッジすることができます。
プット型eワラントを使って為替変動をヘッジする場合、以下のように解釈して銘柄を選ぶと良いでしょう。
満期日:保険期間(他の条件を同じとした場合、期間が長いもののほうが保険料は高くなります)
権利行使価格:補償範囲(他の条件を同じとした場合、権利行使価格が高いほど保険料は高くなります)
銘柄を選んだあとは購入するプット型eワラントの数量ですが、以下の式で求められる数量分あれば良いことになります。
ヘッジに必要なプット型eワラントの数量=保有している外貨の数量÷1ワラント当たりの原資産数
2017年12月4日現在において、プット型eワラントの対象となっている通貨は、米ドル、ユーロ、カナダドル、英ポンド、豪ドル、NZドル及び南アフリカランドがあります*。南アフリカランドを除く通貨は、1ワラント当たりの原資産数が1ですので、保有通貨と同数量のプット型eワラントを買い付ければよいことになります(南アフリカランドの1ワラント当たり原資産数は10)。例えば米ドルを20,000単位保有している場合、米ドルリンク債を対象とするプット型eワラントを20,000ワラント買い付けることでヘッジをすることができます。FX取引の場合は取引証拠金に目が行きがちですが、どれほどの外貨を保有しているのかにあわせてeワラントの購入数量を検討しましょう。
*いずれも当該通貨の対円外国為替相場の価格に概ね連動する投資成果を目的として設計されたリンク債が実際の原資産です
保険としてのプット型eワラントの使用例 |
例えば、米ドル対円相場が現在112.50円前後で、以前相場が108円のときに米ドル20,000通貨を買付けて保有しているものとします。このまま継続保有したいけれども円高のリスクに備えたいので米ドル対円相場が112円を下回る部分に保険を掛けたいとします。なお、外貨取得に生じた手数料は考慮していません。
<前提>
対象通貨:米ドル
現在の相場:112.50円
買付単価:108円
保有数量:20,000通貨
年末年始の米ドル対円相場が112円を下回る部分について保険を掛けたい場合は、権利行使価格が112円、満期日が2018年1月以降のプット型eワラントを、20,000ワラント買い付けて満期日まで保有します。例えば米ドルリンク債プット第802回という銘柄は権利行使価格112円、満期日が2018年1月11日です。このプット型eワラントを満期日まで保有することで、2018年1月11日において米ドル対円相場が112円を下回ると受取金が発生します。
<プット型eワラント銘柄概要(2017年12月4日終値時点)>
売気配値(お客様が買付できる単価):1.57円※1
満期日:2018年1月11日
権利行使価格:112円
1ワラント当たりの原資産数:1※2
対象通貨に対して必要な買付数量:20,000ワラント※3
買付金額:31,400円
※1 eワラントの価格(気配値)は市場動向によって変化します。
※2 全てのeワラントに予め定められている小口化のための係数です。
※3 必要な買付数量=保有外貨数量(20,000)÷1ワラント当たりの原資産数(1)
保有外貨の全てに保険をかけるのであれば上記の式にあるように20,000ワラント必要となります。eワラントの満期日の2018年1月11日はこの保険の満期日とも言え、相場水準ごとの損益と保険によるヘッジ効果は表1及び図2のとおりとなります。
表1:プット型eワラントによるヘッジ効果(単位:円)
満期日の |
外貨評価額 | 外貨評価損益 |
eワラント |
eワラント |
eワラント |
合計損益 |
---|---|---|---|---|---|---|
104 |
2,080,000 |
-80,000 |
8.00 |
160,000 |
128,600 |
48,600 |
105 |
2,100,000 |
-60,000 |
7.00 |
140,000 |
108,600 |
48,600 |
106 |
2,120,000 |
-40,000 |
6.00 |
120,000 |
88,600 |
48,600 |
107 |
2,140,000 |
-20,000 |
5.00 |
100,000 |
68,600 |
48,600 |
108 |
2,160,000 |
0 |
4.00 |
80,000 |
48,600 |
48,600 |
109 |
2,180,000 |
20,000 |
3.00 |
60,000 |
28,600 |
48,600 |
110 |
2,200,000 |
40,000 |
2.00 |
40,000 |
8,600 |
48,600 |
111 |
2,220,000 |
60,000 |
1.00 |
20,000 |
-11,400 |
48,600 |
112 |
2,240,000 |
80,000 |
0.00 |
0 |
-31,400 |
48,600 |
113 |
2,260,000 |
100,000 |
0.00 |
0 |
-31,400 |
68,600 |
114 |
2,280,000 |
120,000 |
0.00 |
0 |
-31,400 |
88,600 |
115 |
2,300,000 |
140,000 |
0.00 |
0 |
-31,400 |
108,600 |
116 |
2,320,000 |
160,000 |
0.00 |
0 |
-31,400 |
128,600 |
117 |
2,340,000 |
180,000 |
0.00 |
0 |
-31,400 |
148,600 |
118 |
2,360,000 |
200,000 |
0.00 |
0 |
-31,400 |
168,600 |
119 |
2,380,000 |
220,000 |
0.00 |
0 |
-31,400 |
188,600 |
120 |
2,400,000 |
240,000 |
0.00 |
0 |
-31,400 |
208,600 |
121 |
2,420,000 |
260,000 |
0.00 |
0 |
-31,400 |
228,600 |
図2:合成ポジションの評価損益
満期日の米ドル対円相場(午前9時時点)が112円以上であった場合、プット型eワラントの満期受取金は発生せず、合計損益はプット型eワラントの買付金額分(31,400円)だけ目減りすることになりますが、米ドル対円相場が112円を下回るほど当該プット型eワラントの満期受取金額が大きくなるため、合計損益の下限は48,600円でとどまっています。例えば、米ドル対円相場が105円となった場合に、外貨単体を保有した場合(A)は60,000円の損失ですが、eワラントの満期決済損益(B)が108,600円の利益が発生するので、合計損益(A)+(B)でみると48,600円の利益が確保されます。
新年に向けて頻繁に相場をウォッチすることが難しくなるこの機会に、プットを保険として活用してみてはいかがでしょうか。
今回のコールくん、プットくんの注目銘柄 |
コールくんが選ぶ〜注目銘柄
米ハイテク株の下落が著しいね。ビットコインのマイニング特需などの影響で上昇を続けていた半導体価格の急落や機関投資家のリバランスが影響のようだよ。特にAMDは株価の下落が顕著で7月につけた最高値から35%以上も下落をしているよ。とはいえ、自動運転技術やAI技術の発展には高性能の半導体は不可欠で、半導体価格の下支えは強いと考えているよ。押し目と見てコールで逆張りを考えたいところだね。
3つのコール型のうち権利行使価格が一番低い銘柄を選んだよ。
2週間程度でトレンドの転換を待ちたいところだね。
4円に到達したら一旦利益確定したいところだね。
- ※あくまでも現在の市場動向から推測した目安であり、将来の運用成果等を保証するものではありません。
ルネサス コール 第1回
JP・テクノロジーバスケット コール 第1回
- ※コメント作成時、eワラントホームページのアクセス状況に基づきます。
プットくんが選ぶ〜注目銘柄
逆張り指標であるeワラントプット・コールレシオ(https://www.ewarrant.co.jp/tools/put-call-ratio/)が0.11と今年最低水準までに低下しているよ。eワラントの取引がコールの取引に偏っているということであり、相場に過熱感が生じているということを表しているよ。急落に備えてプット型を保険として持っておきたいところだね。
目先1ヵ月以内に日経平均が22,000円を割る想定で選んだよ。
早めに下落が生じれば満期まで待たずに利食い売りしても良いけど、掛け捨ての保険のように満期保有しても良いかもしれないね。
仮に満期保有して日経平均が21,000円なら2.00円になるよ。これを目標売却価格とするよ。
- ※あくまでも現在の市場動向から推測した目安であり、将来の運用成果等を保証するものではありません。
日経平均 プット 第852回
日経平均 プット 第1072回
- ※コメント作成時、eワラントホームページのアクセス状況に基づきます。
eワラントが10年以上投資家に支持されているワケ
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リスクについて
eワラント(カバードワラント)は、対象原資産である株式・株価指数、投資証券(REIT)、預託証券、国債先物、通貨(リンク債)、コモディティ(リンク債)の価格変動、時間経過(一部の銘柄を除き、一般に時間経過とともに価格が下落する)や為替相場(対象原資産が国外のものの場合)など様々な要因が価格に影響を与えるので、投資元本の保証はなく、投資元本のすべてを失うおそれがあるリスクが高い有価証券です。また、対象原資産に直接投資するよりも、一般に価格変動の割合が大きくなります(ただし、eワラントの価格が極端に低い場合には、対象原資産の値動きにほとんど反応しない場合があります)。
ニアピンeワラント(カバードワラント)は、対象原資産である株価指数や為替相場の変動や、時間経過(同日内を含む)など様々な要因が価格に影響を与えるので、元本の保証はなく投資元本のすべてを失うおそれがあるリスクが高い有価証券です。また、対象原資産に直接投資するよりも、一般に価格変動の割合が大きくなります。最大受取可能額は1ワラント当たり100円に設定され、満期参照原資産価格がピン価格から一定価格以上乖離した場合は満期時に価格がゼロになります。同一満期日を持つ全ての種類のニアピンeワラントを購入しても、投資金額の全てを回収することができない可能性があります。
トラッカーeワラント(カバードワラント)は、対象原資産である株価指数、通貨(リンク債)、コモディティ(リンク債)の価格変動や為替相場(対象原資産が国外のものの場合)など様々な要因が価格に影響を与える有価証券です。このため、投資元本の保証がなく、損失が生じる恐れがあります。トラッカーeワラントの価格は、eワラントに比べると一般に対象原資産の価格により近い動きをします(ただし、レバレッジトラッカーは同方向または逆方向に増幅されたような値動きとなります)が、任意の二時点間において対象原資産の価格に連動するものではありません。また、金利水準、満期日までの予想受取配当金及び対象原資産の貸株料等の変動によって、対象原資産に対する投資収益率の前提が変化した場合には、トラッカーeワラントの価格も影響を受けます。
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