現地時間1月2日、米アップルはティム・クックCEOから投資家に向けた書簡を公開し、2019年第1四半期(2018年10〜12月)の売上高が期初予想よりも低迷する見込みであることを明らかにしました。これを受けてアップルの株価が急落したほか、リスク回避の動きから為替相場で急激に円高が進み、大発会の日本株相場は大きく下落して始まりました。一部では「アップル・ショック」とも呼ばれています。
クックCEOは、書簡の中で、今回アップルの売上が鈍化した要因として、新興国、特に中華圏において販売台数を伸ばせなかったことを挙げていますが、中国景気の後退やスマートフォンのコモディティ化などの事情を考慮すると、アップルの中国での販売鈍化は一時的なもので終わらない可能性があります。
本レポートでは今回アップルから発表された内容を精査するとともに、今後のアップル株に影響を与えうる要素について検討しました。
アップルからの手紙を振り返る |
前述の通り、アップルは決算発表前には異例の業績見通しの下方修正を行いました。新たな予想は第一四半期の売上高は約840億ドル程度となる見通しで、これは期初予想(890億〜930億米ドル)を約5〜10%下回る水準です。また、見通しどおりの売上高となれば、前年同期(883億ドル)比4.9%減となり、2016年第4四半期以来、2年3ヶ月ぶりの減収となります。
クックCEOは売上鈍化の原因が新興国市場、特に中国の景気減速といったマクロ経済的な要因にあるとしています。中華圏(香港、台湾含む)はアップルの売上の20%強を占める地域であり、世界中で懸念されている中国経済の減速は今後も同社の業績を大きく左右する可能性がありそうです。
ポジティブな材料としては、サービス領域(AppleMusicなど)やウェアラブル製品(AppleWatch、AirPods)などの新規領域の事業が堅調な成長を見せていることが挙げられます。ただし、規模としてはまだまだ小さく、売上高の減少をカバーするには至っていません。特に、新興国では露出が少なく、今後の更なる成長が期待されます。
飽和するスマートフォン市場 |
アップルはマクロ経済的要因を課題に挙げていますが、同社を取り巻くスマートフォン市場や同社の戦略にも課題はありそうです。
・交換サイクルの長期化
アップル(や他のスマートフォンメーカー)及びサプライヤーの努力により、スマートフォンは飛躍的な進化を遂げ、その耐用年数は長期化傾向にあります。特に、機能が高く、長い期間にわたってハイパフォーマンスを発揮できる高価格帯のスマートフォン(iPhoneXRなど)が普及したことは、使用年数の長期化に影響を与えている可能性があります。長く、不便なく使用できることは、買換え需要を抑制することにつながります。
・革新性
かつてのアップルといえば革新的な製品で世界を席巻しました。しかし、前述の通りスマートフォン市場が成熟し、製品間の差異が出しにくくなってきた昨今では、他社製品からの乗り換え需要を刺激するほどの革新性を生み出せていないのかもしれません。
・価格優位性
現在のAppleの主力製品のうち安価なiPhone XR(64GB)は中国国内では6,499元(約104,000円)で販売されています。一方、中国国内で競合するファーウェイやOPPOは、同等以上の性能を持つスマートフォンをより安価に販売しているようです。今後スマートフォンを新たに購入する人にとっては高価格なiPhoneはややハードルが高く感じてしまうかもしれません。
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今回のコールくん、プットくんの注目銘柄 |
コールくんが選ぶ〜注目銘柄
大幅安となった大発会のなかでも逆行高で新高値を取ってきたのがリソー教育(4714)だよ。7日の大引け後に年間配当の増額を発表したけど、8日は材料出尽くしで売られているよ。株価が上昇トレンドにある中での下落は押し目買いのタイミングかもしれないね。コール型eワラントで反発を期待したいところだね。個別指導の進学学習塾「TOMAS(トーマス)」や100%プロ社会人家庭教師が指導する「名門会」の運営が事業の中核となっているけど、傘下にある名門小学校・幼稚園受験塾「伸芽会」事業は、家庭教師事業を超えるまでの成長分野となっているよ。
株価の反発で大きな値上がりを狙って、満期まで短い銘柄を選んだよ。
1週間程度の短期勝負だよ。
20円を目標価格とするよ。
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スクエニHD コール 第55回
村田製 コール 第131回
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プットくんが選ぶ〜注目銘柄
レポートにも書いてあるように外部要因・内部要因でアップルを取り巻く状況はかなり厳しいものになってきているよ。サービスやウェアラブル製品など事業の多角化を進めているところではあるけど、本格的な業績貢献が期待されるのはまだ先だと思うよ。しばらく株価は軟調な展開が続くかもしれないね。
中長期的な下落を見込んで満期がやや長い銘柄を選んだよ。
1月末までを目安としているよ。
アップル株が140米ドルまで下落すれば、9円程度で売却できる試算だよ。
- ※あくまでも現在の市場動向から推測した目安であり、将来の運用成果等を保証するものではありません。
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