株価が変動した際の値幅を収益機会に変える短期トレードの場合、変動が大きい銘柄のほうが変動の小さい銘柄よりも大きな収益を上げられる可能性が高いと考えられます。ただ、何をもって株価の変動が大きい・小さいを判断すればいいのでしょうか。
その1つの尺度として考えられるのが、「ボラティリティ」です。ボラティリティは投資をする上で非常に重要な尺度の1つで、多くの市場関係者が注目しています。本稿をお読みの中にも耳にしたことがあるという方もいらっしゃるでしょう。ただ、実際そのボラティリティがどのようなもので、どのようにして使われているかと言うとよくわからないと言う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、本レポートではボラティリティの概要についてご紹介するとともに、eワラントの対象原資産となっている日本株のうち本稿執筆時点(2019年9月24日大引け)時点において、ボラティリティが高まっている銘柄をピックアップしてみました。
ボラティリティとは? |
相場に方向感がなく値動きが乏しい状況を指して「ボラティリティが低い」と言うことがあります。ボラティリティとは、相場の価格変動の度合いを意味します。下落だけでなく上昇も含めて激しく動く相場はボラティリティは高いと言い、あまり動かない相場はボラティリティが低いと言います。
ボラティリティは指数が公表されているので、どなたでも水準や動向を見ることができます。日経平均を対象とするボラティリティとしては日経平均ボラティリティー・インデックス、S&P500を対象とするボラティリティとしてはVIX指数があります。
なぜ、このボラティリティに注目する投資家が多いのかと言うと、ボラティリティが市場の変動性を表すという点だけに留まらず、ある相場のボラティリティがその相場を対象とするオプションという金融商品の価格を決定する要因の一つになっているからです。
eワラントはオプションを有価証券化した商品ですので、オプションと同様に対象となる各相場のボラティリティがeワラントの価格に影響を及ぼします。eワラント価格変動要因には相場の上場・下落などもありますが、他の条件が変わらずにボラティリティのみが上昇するとコール型とプット型のeワラントの価格は上昇し、ボラティリティのみが下落するとコール型とプット型のeワラントの価格は下落します。
なぜボラティリティの上昇がコール型とプット型のeワラントにプラスに寄与するのかというと、コール型とプット型のeワラントが対象とする相場が激しく動くことによって、コール型であれば権利行使価格を大きく超える可能性が、プット型であれば権利行使価格を大きく下回る可能性が生じ、より多くの金額を受取ることができる可能性が高まるためです。
したがって、eワラントの取引ではボラティリティが高まっている相場を対象とする銘柄を選んで大きな値動きを狙うというのも一手です。なお、eワラントの価格変動に影響を与えるボラティリティは、対象となっている相場が今後どのくらい変動するかを示す予想変動率(インプライド・ボラティリティ)であり、過去に実現した変動率(ヒストリカル・ボラティリティ)とは異なります。
ただし、インプライド・ボラティリティはヒストリカル・ボラティリティを基に計算されることが多いため、 過去の変動率を利用してボラティリティが高まっている銘柄を探してみるのもよいでしょう。
ボラティリティ上位銘柄と対象eワラント |
eワラントの対象となっている日本株のうち、9月24日時点における直近10営業日で計算したボラティリティ上位のランキングは次の通りです。ボラティリティは年率の標準偏差という数値で示しています。
ボラティリティが高い相場を対象とするeワラントは売買ランキングでも上位に登場する人気銘柄であることが多く、eワラント投資家の多くがボラティリティの高い相場を対象とするeワラントを取引する傾向があると言えるでしょう。
1位 98.5% KLab(3656)
2位 83.2% ビリングシステム(3623)
3位 81.8% コロプラ(3668)
4位 79.9% ダブル・スコープ(6619)
5位 59.9% ジーエヌアイグループ(2160)
今回のコールくん、プットくんの注目銘柄 |
コールくんが選ぶ〜注目銘柄
中国の売上比率が約4分の1を占める同社は、米中貿易摩擦の影響を受けて半導体や液晶パネルの製造工場向けの機器を中心に苦戦を強いられていたよ。8月に発表された4-6月期決算でもその影響は顕著で、経常利益が前年同期比27%減となり、発表後に株価は年初来安値をつけたね。だけど、9月に入り閣僚級会議の再開が決まるなど、緊張緩和が進んできたことで株価は反発傾向にあるよ。今後協議の進展に伴い更なる緊張緩和が進めば、株価の上昇が長期化することも考えられそうだね。
海運市況の上昇は続くと見てやや満期の長い銘柄を選んだよ。
上昇トレンドが続く限り保有の予定だよ。
8円以上での売却を目標としているよ。
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プットくんが選ぶ〜注目銘柄
先日行われた日米欧の金融政策決定会合において、ECBは利下げを実施、FRBは追加利下げを実施したよ。日銀は政策の変更は行わなかったけど、次回会合に向けて再び対応を問われそうだね。注目となるのはマイナス金利の深堀の有無だね。既にマイナス金利下で収益力の低迷に苦しんでいる銀行からすると、さらなる業績悪化懸念を高めそうだよ。
権利行使価格が今の相場水準と同程度の銘柄を選んだよ。相場が急落すれば大きなリターンも期待できるかもしれないよ。
2週間程度の保有で一旦手仕舞いを予定しているよ。
2.5円以上で売却するのが目標だよ。
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リスクについて
eワラント(カバードワラント)は、対象原資産である株式・株価指数、投資証券(REIT)、預託証券、国債先物、通貨(リンク債)、コモディティ(リンク債)の価格変動、時間経過(一部の銘柄を除き、一般に時間経過とともに価格が下落する)や為替相場(対象原資産が国外のものの場合)など様々な要因が価格に影響を与えるので、投資元本の保証はなく、投資元本のすべてを失うおそれがあるリスクが高い有価証券です。また、対象原資産に直接投資するよりも、一般に価格変動の割合が大きくなります(ただし、eワラントの価格が極端に低い場合には、対象原資産の値動きにほとんど反応しない場合があります)。
ニアピンeワラント(カバードワラント)は、対象原資産である株価指数や為替相場の変動や、時間経過(同日内を含む)など様々な要因が価格に影響を与えるので、元本の保証はなく投資元本のすべてを失うおそれがあるリスクが高い有価証券です。また、対象原資産に直接投資するよりも、一般に価格変動の割合が大きくなります。最大受取可能額は1ワラント当たり100円に設定され、満期参照原資産価格がピン価格から一定価格以上乖離した場合は満期時に価格がゼロになります。同一満期日を持つ全ての種類のニアピンeワラントを購入しても、投資金額の全てを回収することができない可能性があります。
トラッカーeワラント(カバードワラント)は、対象原資産である株価指数、通貨(リンク債)、コモディティ(リンク債)の価格変動や為替相場(対象原資産が国外のものの場合)など様々な要因が価格に影響を与える有価証券です。このため、投資元本の保証がなく、損失が生じる恐れがあります。トラッカーeワラントの価格は、eワラントに比べると一般に対象原資産の価格により近い動きをします(ただし、レバレッジトラッカーは同方向または逆方向に増幅されたような値動きとなります)が、任意の二時点間において対象原資産の価格に連動するものではありません。また、金利水準、満期日までの予想受取配当金及び対象原資産の貸株料等の変動によって、対象原資産に対する投資収益率の前提が変化した場合には、トラッカーeワラントの価格も影響を受けます。
さらに、取引時間内であっても取引が停止されることがあります。
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