新型コロナウイルスの感染拡大に伴う世界経済への影響懸念から世界的な株安進行が続くなか、3月9日の米国市場ではS&P500が前日比7%の下落を見せると、サーキットブレーカーが発動し、15分間の取引停止措置がとられました。米株式市場でサーキットブレーカーが発動するのは2013年の制度改正後初となります。取引再開後こそ若干値を戻したものの再び下げ幅を広げ、S&P500は前日比5.6%安、NYダウは同7.8%安となりました。混乱の背景には一体何があったのでしょうか。

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原油安が引き金に |
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株式市場の急落の背景には、原油価格の急落があったようです。石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国による協調減産交渉が決裂したことに加え、サウジアラビアが増産を検討しているとの報道から、9日のWTI原油先物は前日比24.6%安の1バレル=31.13ドルで取引を終えました。アジア時間にかけて安値27.34ドルをつけるなど、約4年ぶりに30ドルを割り込む場面も見られました。原油価格の急落で財政悪化が見込まれる産油国の資産売却や、エネルギー企業の資金繰り悪化への警戒感が株式市場にも波及したようです。

上図は2015年3月から2020年3月までのWTI原油先物価格の推移を表したものです。直近5年では、40ドル付近が下値目途としてとして意識されるなか、2016年1月〜2月にはその水準を大きく割り込んでいることがわかります。このときは、世界一の産油国となった米国によるシェールオイルの産出で原油価格の下落が進むなか、欧米による制裁が解除される見込みのイランとOPEC加盟国の間で協調減産交渉がまとまらなかったことで、一段と需給が緩むとの見方から安値26.05ドルをつけました。ただ、イランを除くOPEC諸国が結束する動きをみせたことで、6月頃には50ドル台まで反発しています。
今回の下落は、非OPEC加盟国であるロシアが協調減産に対して否定的な意見を示したことが原因とみられています。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済減速でエネルギー需要減少が見込まれるなか協調減産を行って価格を下支えしても、米国がメリットを得るだけというのがロシア側の見解です。同国が価格の下落を覚悟しても減産に応じなかったのは、採算の問題から米国のシェールオイル産出の減少を見込んでいるためと思われます。これは増産を検討しているサウジアラビアも同様で、同国の生産コストは米露を大きく下回っており、ロシアよりも余裕があるといえるでしょう。前回の下落時とは異なり、今回の原油価格は米国の動向に焦点が集まりそうです。
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原油安はメリットも、新型コロナウイルスの影響が |
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原油安と言えば、一般に日本航空(9201)といった空運業や川崎汽船(9107)などの海運業に恩恵があるとされています。ただ、コロナウイルスの影響で、空運業では航空便の減便が、海運業では乗員の上陸・移動に制限が出るなどしており、業績への影響は避けられないところでしょう。相場全体の底打ちが見えないなか、「落ちるナイフを掴みに行く」のは、足元の下落をみていると、リスクとリターンが見合っているとは言えません。それでも反発に期待してリスクを取りに行くのであれば、損失限定型のeワラントで投資してみるのも一案です。米国の産油量が減少し、需給バランスが引き締まる方向に向かうと仮定するなら、原油先物のコールオプションを選択してみてもいいかもしれません。
日本航空を対象とするeワラント
川崎汽船を対象とするeワラント
WTI原油先物を対象とするeワラント
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今回のコールくん、プットくんの注目銘柄 |
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コールくんが選ぶ〜注目銘柄
原油価格が反発するならリターンが大きい銘柄を選んだよ。eワラントなので損失は買付金額に限定されるよ。
権利行使価格の一番低い銘柄を選んだよ。
1カ月くらいを想定しているよ。
1円台での売却を目標としているよ。
- ※あくまでも現在の市場動向から推測した目安であり、将来の運用成果等を保証するものではありません。
WTI原油先物リンク債_2020年9月限 コール 2回
ダウジョーンズ工業株価平均 コール 454回
- ※コメント作成時、eワラントホームページのアクセス状況に基づきます。

プットくんが選ぶ〜注目銘柄
産油国からの資金流出が発生するなら、同社のファンドへの影響も大きそうだね。公開情報が少ないから内実はわからないけど思惑的な売りが膨らんでもおかしくないと思うよ。
相場水準が権利行使価格に近い銘柄を選んだよ。
1カ月くらいを想定しているよ。
2円台での売却が目標だよ。
- ※あくまでも現在の市場動向から推測した目安であり、将来の運用成果等を保証するものではありません。
ダウ・ジョーンズ工業株価平均 プット 398回 WTI原油先物リンク債_2020年6月限 プット 1回
- ※コメント作成時、eワラントホームページのアクセス状況に基づきます。
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