新型コロナウイルスの感染拡大を受けた景気減速への懸念から世界的な株安が続いています。日経平均は1月半ばにつけた高値から約32%、NYダウは約38%の下落をみせました。2008年のリーマンショックの際には、日経平均が底をつくまで約52%、NYダウは約51%下落したことを考えると、今回はまだ底をついたとは言い難いのかもしれません。
各国が金融緩和・経済対策の実施に取り組むなか、日経平均は日銀による上場投資信託(ETF)の買い入れ枠拡充などから下げ止まりを見せる一方、NYダウは米連邦準備理事会(FRB)が政策金利を引き下げ事実上のゼロ金利政策の導入などを発表したにも関わらず下落が続いています。相場環境が目まぐるしく変化するなか投資を行う場合、何を基準に判断すればいいのでしょうか。

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急速に進んだ株安の影響で |
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投資を行う際の判断基準は人それぞれです。チャートの形状を参考に投資をする人もいれば、様々な指標を参考に投資をする人もいます。株価の割安・割高を判断する指標としては、株価収益率(PER)がよく知られています。ただ、現在の相場環境でこうした指標を基に「同業他社と比べて割安だから」といった理由で投資を行うのは容易ではないでしょう。
では、現在の相場環境でも有効な株価指標はあるのでしょうか。2月〜3月は12月決算企業の配当が振り込まれる時期です。有名どころでは、JT(2914)などが該当します。現在の株価に対して配当が占める割合を示した指標が配当利回りです。配当を株価で除算するため、配当が変わらないと仮定すると、株価が下がれば下がるほど、配当利回りは向上することになります。JTの場合、20年12月期の配当利回りは約8%(3月24日時点)になります。配当利回りが5%もあれば十分高配当といわれるなか、8%はかなりの高水準であるといえます。
ただし、これは配当が変わらないのが前提です。新型コロナウイルスの感染拡大で実体経済が伸び悩むなか、多くの企業が減配・無配の決断を行うことが予想されます。現時点では、配当利回りが30%に達する銘柄も存在しますが、配当を据え置けるかどうかは疑問が残るところです。では、現在の配当利回りは無意味な指標なのでしょうか。一部の企業では、減配を行わない累進配当政策を採用しています。三菱商事(8058)や三井住友FG(8316)が累進配当を行うことを対外的に公表しています。こうした銘柄の配当利回りが納得できる水準であれば、底打ちを確認する前に打診買いしてみるのもいいかもしれません。
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また、累進配当を対外的には約束していなくとも、減配を行わない可能性がある企業も存在します。リーマンショック時を振り返ってみると、NTT(9432)やKDDI(9433)、先ほど紹介したJTなどが配当の据え置き又は増配を実施しました。リーマンショック時でも揺るがない強固な財務基盤を持つ企業であれば、今回も配当の据え置きに期待できる可能性は十分にあるかもしれません。
表:eワラント対象銘柄の配当利回り(3月24日時点、単位:円)
銘柄 | コード | 配当 | 現値 | 利回り | |
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1位 | JT | 2914 | 154 | 1,926.0 | 8.0% |
2位 | SUBARU | 7270 | 144 | 2,077.5 | 6.9% |
3位 | キヤノン | 7751 | 160 | 2,331.0 | 6.9% |
4位 | 三井住友 FG | 8316 | 180 | 2,772.5 | 6.5% |
5位 | コマツ | 6301 | 110 | 1,724.0 | 6.4% |
6位 | SBI HD | 8473 | 100 | 1,589.0 | 6.3% |
7位 | 国際石油開発帝石 | 1605 | 36 | 573.0 | 6.3% |
8位 | 昭和電工 | 4004 | 130 | 2,072.0 | 6.3% |
9位 | ソフトバンク | 9434 | 85 | 1,373.0 | 6.2% |
10位 | 野村 HD | 8604 | 27 | 443.5 | 6.1% |
11位 | JXTGHD | 5020 | 22 | 365.2 | 6.0% |
12位 | みずほ FG | 8411 | 8 | 125.9 | 6.0% |
13位 | 武田薬品工業 | 4502 | 180 | 3,030.0 | 5.9% |
14位 | 三菱UFJ FG | 8306 | 25 | 420.9 | 5.9% |
15位 | オリックス | 8591 | 76 | 1,293.5 | 5.9% |
16位 | イオンフィナンシャルサービス | 8570 | 68 | 1,159.0 | 5.9% |
17位 | マツダ | 7261 | 35 | 616.0 | 5.7% |
18位 | 三菱商事 | 8058 | 132 | 2,349.5 | 5.6% |
19位 | 東海カーボン | 5301 | 48 | 878.0 | 5.5% |
20位 | 日本航空 | 9201 | 110 | 2,027.0 | 5.4% |
未だ底打ちが見えない状況ではあるものの、相場の反転時には、こうした銘柄は他の銘柄と比べると相対的に買いが入りやすいと考えられます。eワラントであれば、最大損失を投資元本に限定しつつレバレッジをかけて投資することが出来るため、相場の反転時にこうした銘柄を狙って投資すれば相対的に大きな収益を狙うことが出来るかもしれません。
また、現物株とプット型eワラントを組み合わせるプロテクティブ・プットも選択肢の一つとしてみるのもいいでしょう。打診買いとはいえ、評価損が膨らむのは気持ちがいいものではありません。プット型eワラントは一定額を下回ってしまった分の保険のように利用することもできますので、検討してみてはいかがでしょうか。
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今回のコールくん、プットくんの注目銘柄 |
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コールくんが選ぶ〜注目銘柄
レポートの中でも紹介している累進配当銘柄として選んだよ。配当利回りの面で物色が集まることに期待したいね。
権利行使価格の一番低い銘柄を選んだよ。
1カ月くらいを想定しているよ。
0.5円台での売却を目標としているよ。
- ※あくまでも現在の市場動向から推測した目安であり、将来の運用成果等を保証するものではありません。
東京エレクトロン プット 260回
東京エレクトロン コール 207回
- ※コメント作成時、eワラントホームページのアクセス状況に基づきます。

プットくんが選ぶ〜注目銘柄
新型コロナウイルスの感染拡大の影響でトランプ・ラリー以前まで値を戻しているよ。金融緩和策や経済対策などを発表しても影響は限定的みたいだよ。まだ底はみえないと考えたよ。
相場水準が権利行使価格に近い銘柄を選んだよ。
1カ月くらいを想定しているよ。
40円台での売却が目標だよ。
- ※あくまでも現在の市場動向から推測した目安であり、将来の運用成果等を保証するものではありません。
ダウ・ジョーンズ工業株価平均 プット 398回 WTI原油先物リンク債_2020年6月限 プット 1回
- ※コメント作成時、eワラントホームページのアクセス状況に基づきます。
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