「グローバル化」という言葉が流行してから、既に何年が経過したのだろうか?日本の上場企業の地域別売上高構成比を見ても、年々、海外売上高比率が上昇しているように思える。最近は企業の採用や社員育成においても「グローバル人材」が1つのキーワードになっているということだ。
もともと島国ということもあり、日本国内にフォーカスしがちであった日本人も、ここ数年の大きな潮流の変化を受けて、色々な分野で少しずつグローバル化しつつあるが、資産運用という分野においては、日本の投資家は依然として国内志向であると感じている。
その理由として、「日本株に比べて情報が少ない」、「為替リスクが怖い」、「本当に外国株でリターンを上げられるのか?」などが多くの投資家の意見なのではないだろうか。
たしかに、上記の懸念点は間違っていない。しかし、過去の実績をしっかりと把握したうえで、かつ想定されるリスクを上手にマネジメントさえ出来れば、資産運用の1つの手段として、十分に検討する事のできる投資対象になるだろう。
まずは、過去の実績を見て頂きたい。
図1:リーマンショック後、日経平均が史上最安値をつけた日(2009/3/10)からの各指数の推移
- ※2012年10月22日時点
仮に日経平均を史上最安値で買えたとしたら・・・。
相場の世界で「たられば」はナンセンスだが、このような妄想は投資家であれば、ついついしてしまうものだ。仮に上記の条件で買えたとしたら、現在時点で約28%のリターンとなっている。
30%近いリターンと聞くと、非常にパフォーマンスが良いように感じ取れるが、世界を見渡せば、決して良いパフォーマンスではないことが分かる。同じアジアでも中国市場(ここでは投資可能な香港とする)は同期間で86%、株式市場の中心地米国ではS&P500が99%、アップルなどハイテク株中心のNASDAQは122%、SBI証券でも取引が可能なインドネシアに至っては234%と驚異的なパフォーマンスを残している。
とはいえ、ここ数年は円高に散々な目にあわされた投資家からすれば、結局円ベースに換算すれば、たいしてリターンは出てないのでは?と思う方も多いだろう。
しかし、下図を見て頂きたい。ドル円でみても20%弱、ルピア円相場についていえば1%も円高になっていないのだ。円ベースで見ても日経平均以上のパフォーマンスがここ数年で残せていたことが分かる。
図2:リーマンショック後、日経平均が史上最安値をつけた日(2009/3/10)からの円相場の推移
- ※2012年10月22日時点
では、どうしていたら、このようなリターンを自己の投資成績に結び付けられていたのか?そもそも、海外の株式指数に投資することが出来るのか?このような疑問を持つ投資家もいるだろう。
その回答は実にシンプルなものである。「海外ETF」を利用すれば、世界の株式市場全体、新興国市場全体、または米国やインドネシアといった単一国にも投資が可能である。しかも、これらの海外ETFは各国の株式指数などに連動するように作られているため、非常に分かりやすいのが特徴だ。
ここで、SBI証券における、米国上場の海外ETF保有残高上位Best5を見て頂きたい。世界全体、新興国市場全体、米国のS&P500を投資対象とする海外ETFで上位5位は全て独占されている。ここからも分かるとおり、多くの投資家が既に海外ETFを利用して、資産運用をグローバル化している。
年金などの不安から、最近は自分で投信を積み立てたりすることが流行っているが、日本株のように長期にわたって下落基調が続く株式市場で積み立てても運用成績はふるわない。その観点からみても、海外ETFは投資コスト、投資対象の豊富さ、機動力などトータルな点で個人投資家には非常に力強い味方になると考えている。
表1:SBI証券における米国上場海外ETF 保有残高上位Best5
順位 |
ティッカー |
銘柄名 |
---|---|---|
1 |
VWO |
|
2 |
VT |
|
3 |
TOK |
|
4 |
IVV |
|
5 |
EEM |
- ※2012年10月19日時点
- ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。