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4Q(10-12月)決算速報(現地2/2引け後発表)
●決算発表後の時間外取引(日本時間10:00時点):102.78ドル(-4.60%)
●売上高:631.2億ドル(予想632.4億ドル)×市場予想を下回った
●EPS:1.05ドル(予想1.20ドル)×市場予想を下回った
引け後の時間外取引のチャート
決算のポイント
●グーグル広告売上高:590.4億ドル(予想606.4億ドル)×市場予想を下回った
●YouTube広告売上高:79.6億ドル(予想82.7億ドル)×市場予想を下回った
●グーグル・アザー広告売上高:88.0億ドル(予想81.4億ドル)〇市場予想を上回った
●アザー・ベッツ売上高:2.3億ドル(予想2.1億ドル)〇市場予想を上回った
●アザー・ベッツ営業損益:-16.3億ドル(予想-15.6億ドル)×市場予想より損失が多かった
●トラフィック獲得コスト(TAC):129.3億ドル(予想132.0億ドル)〇市場予想よりコストが少なかった
●グーグルクラウド売上高:73.2億ドル(予想73.0億ドル)△市場予想とほぼ一致した
●グーグルクラウド営業損益:-4.8億ドル(予想-8.6億ドル)〇市場予想より損失が少なかった
地域別売上高
●米国売上高:369.8億ドル(予想365.4億ドル)〇市場予想を上回った
●欧州・中東・アフリカ売上高:217.6億ドル(予想224.9億ドル)×市場予想を下回った
●アジア太平洋売上高:119.8億ドル(予想127.8億ドル)×市場予想を下回った
経営陣の主なコメント
●当社の重要課題を説明する。AI のオポチュニティー(機会)、それは当社がいま取り組んでいる「最深」のテクノロジー。当社が誇る研究者、インフラおよびテクノロジー業界をリードする立場にあろう。 6 年前に、私(ピチャイCEO)は Google が AI ファーストの企業であると表明した。それ以来、当社は開発をリード。当社により開発された 技術がAI アプリケーションの基礎となっている
●4Qのフリーキャッシュフローは160億ドル、22年通年では600億ドルを創出した。現金同等物は1140億ドルを有している。22年通年で590億ドルの自社株(クラスC株)買いを行った
●事業別ではグーグル・アザー広告が好調だった。売上高は8% 増の88 億ドル、YouTube Music Premium と YouTube TV の加入者は大幅に増加した
●22年は様々な課題があった。パンデミック後の反動減、年間を通じたドル高の悪影響そして難しい経済情勢だ。当社は長期的視点において収益機会を探っている。広告はAI技術の進歩が貢献し、ユーザーに新たなエクスペリアンス(経験)を提供できた
●事業再構築による人員削減、12,000人。費用はおおむね1Qに計上、19〜23億ドルを見込む
決算を受けたマーケットの反応
売上高、EPSとも市場予想を下回りました。引け後の取引で株価は4.6%安となりましたが、その前の通常取引で決算期待から7.3%高と「下駄を履いた」状態でした。
決算内容は、3Qから続きデジタル広告の厳しい状況が続いているようです。そんななかバイデン政権はグーグルを反競争的な買収を通じて広告事業の競争を阻害しているとして提訴。ライバルのマイクロソフトはChatGPTなどオープンAIで攻勢を強めています。受けてたつアルファベットは、決算カンファレンスでピチャイCEOがAIのリーダーとしての矜持を示すとともに今後の新たなサービス展開にふれました。今年明らかになるとみられる新戦略が株価の方向性にも影響しそうです
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:123.87ドル(2/2時点)