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ブラジル投資戦略 〜イベント目白押しのブラジル株を日本の投資家が買える時代〜

2012/10/22
当社商品企画部外国株式室長 兼 投資調査部グローバルストラテジスト 森永 康平

先日、日本とブラジルのサッカーの親善試合を観ていた。日本のサッカーのレベルは男女共に、近年非常に高くなっていると感じていた訳だが、この試合のみに関していえば、世界全体という観点からすれば、依然としてかなりの実力差があると認識せざるを得ないものだった。試合の解説の中で、ここ数年のブラジルは代表戦において、各選手のモチベーションが非常に高いという内容があり、背景としては自国開催のワールドカップでなんとか代表として試合をしたいという強い動機があるということだった。

ブラジルでは2014年にワールドカップ、2016年には夏季五輪を控えている。2000年代に入ってからBRICsとして同国は新興国の代表として注目を集めてきた訳だが、このような国際的なイベントが立て続けに開催されることで、今後は同国が新興国ではなく、先進国の一員としてプレゼンスを発揮していくことが期待される大きなきっかけになるだろう。

過去をさかのぼれば、日本では1964年に東京オリンピック、1970年に大阪万博が開催され、その過程で競技場や博覧会場だけでなく、道路、地下鉄、港湾、上下水道等が急速かつ巨大な規模で開発・整備され、その後の高度経済成長の礎となった。近年ではブラジル同様、BRICsの一角として注目を集めていた中国において、2008年に北京オリンピック、2010年に上海万博と日本同様に国際的なイベントが開催され、同様に大規模な開発・整備が行われた。

残念ながら、日本の五輪と万博に関しては伝聞でしか当時の状況を知ることは出来ないが、幸いにも中国のイベントに関しては開催前、開催中、開催後とそれぞれのフェーズを実際に現地で見ることが出来たのだが、その熱気や勢いは投資家の目線からすれば、非常に希望に満ち溢れたものであり、なんとも言えない高揚感を実感することが出来た。

このように一国の経済発展に大きな影響を与える国際的なイベントが目白押しであるブラジルに、日本の個人投資家は投資出来るのだろうか。ブラジルというと、日本の投資家にはレアルという通貨の方が馴染み深いと考えるが、このような経済発展の利益を享受できるのは債券や通貨より、株式の方が直接的であろう。

上記の問いに対する答えは「投資できる」となる。しかも、その投資方法は複数存在している。たとえば、ブラジル株といっても、何を買っていいか分からない。または、言葉の壁があって、決算情報やニュースがタイムリーに入手できないことが不安である。という投資家も多いだろう。

そのようなケースにおいては、海外ETFを利用すると良い。投資信託よりコストは安いうえに、当然リアルタイムで売買が出来る。基本的にブラジルの株式市場全体に連動するような仕組みになっているため、簡単にいえば、ブラジル株が上がるか、下がるかについての予想が主な判断材料になる。つまり、個別銘柄へ直接投資をする場合に比べれば、個別企業の財務情報やニュースについては、それほど敏感になる必要はなくなる。ブラジルの株式市場に投資がしたい、という投資家にはもってこいの金融商品といえるだろう。

表1:SBI証券で取り扱っているブラジル関連の海外ETF

投資の醍醐味は個別銘柄への投資だ、という投資家はどうすればよいのか。当社ではブラジル株を取り扱っていないが、実はブラジルの個別銘柄への投資は可能である。ADR詳しくはこちら)を利用すれば、同国の代表企業へ投資が出来る。当然、個別銘柄は指数への投資に比べればボラティリティが高いため、リスクもリターンも高まるが、そこは各個人の裁量によって、投資対象や投資比率をマネジメントし、うまくアロケーションを組んでいく必要がある。

表2:SBI証券で取り扱っているブラジル企業のADR例

ティッカー

銘柄名

事業内容

市場

PBR

ブラジルの大手石油会社

NYSE

ABV

ビールを中心としたブラジルの総合飲料会社

NYSE

VALE

ブラジルの大手資源会社

NYSE

ITUB

ブラジルの大手銀行

NYSE

BBD

ブラジルの商業銀行

NYSE

  • ※当社取扱のブラジル企業ADRのうち、時価総額上位5社
  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません

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