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【外国株式】業績が良い会社の株を買う事の重要さ

2017/06/09

業績が良い会社の株を買う事の重要さ

今日は業績が良い会社の株を買う事が、やっぱり大事だという話をします。

世の中には「利益が出ていないのに、株価が騰がっている」という銘柄の例は、掃いて捨てるほどあります。

また「酷い決算だったのに、なぜか株は騰がった」というようなケースにも、しばしば遭遇します。

そういう事例が多いので、株を初めて間もない人は(業績なんてカンケー無い!)と思い込みがちです。

確かに業績は万能ではありません。だから業績が良い会社だけを厳選して投資しても、損する時は、損します。

しかし……

長いこと株式投資をやってきて、私がつくづく感じるのは、均してみると、良い業績を出している会社に投資した方が勝率は高いです。

逆に株価が割安放置されている!という理由だけで底値を拾おうとすると、損するケースの方が多いです。

これは納得しにくい議論でしょうから、喩え話で説明します。

ドラッグの巣窟になってしまったあばら家が安いワケ

最近、アメリカの都市ではどこでも住宅価格が値上がりしており、若い世代の方たちがマイホームを買おうとしても、なかなか手が届きません。

インターネットで物件を探していて、ときどき「これは!」というような格安物件にぶち当たるときがあります。

ロケーションは大都市の真ん中あたりで通勤は遠くない。でも物件写真を見ると、かなりボロボロ……

そういう、大がかりな修理が必要な物件のことを英語ではFixer upper(フィクサー・アッパー)と言います。

(ちょっとした日曜大工なら自分でもできる。それで物件購入価格が安くなるのなら、儲けもの)

そういう風に考えがちです。

しかし実際には、その物件を借りているテナントは、ずっと家賃を滞納していて、売り手が困り果てた挙句、べらぼうに安い値段で物件を売りに出したのかもしれません。

あるいは、もっと悪いケースになると、その家の賃借人が、ドラッグのディーラーで、その家には、ひっきりなしに人相の悪い人たちが出入りしているかも知れないのです!

もしそんな家を購入したら、キッチンや外壁をリフォームする以前の問題として、いまの賃借人に立ち退いてもらうことも出来なければ、家賃を払ってもらう事も出来ないかもしれません。

あなたの投資はブラックホールにお金が吸い込まれてゆくような損を垂れ流すことになります。

すごく株価が下がっている!ということだけに反応しない事

ちょっと生々しい喩えになってしまいましたが、私は株式投資もこれと同じだと思っています。

たしかにワケあり商品が安く売られているケースでは、大体、それらはお買い得です。

でもそれは「ハンドバッグにちょっと傷がある」とか「誰かが、気に入らなくて返品した商品だ」というような、極めて軽微で、我慢できる難点のケースに限ります。

「ちょっとワケあり」程度の問題だと思ったものが、実は深刻なケースだということもしばしばあるのです。

だから単にチャートを見て(これは安い!)と思っても、実際にはさらにそこから、もっと酷いことになることが多いです。

だから「すごく株価が下がっている」という値段に反応してしまうのではなくて、まず「なぜ安いのか?」という原因を調べることが重要です。

見えている欠陥は、見えていない欠陥より怖くない

この場合、悪い理由がわかっているケースと、一見すると悪い理由がわからないケースを比較すれば、悪い理由が良く知れ渡っているケースの方がまだマシです。

なぜなら悪い理由が見当たらないように思えるのは、あなたにそれを見ぬく力量が無いからであって、実際にはちゃんと問題が隠されていることが殆どだからです。

言い換えると「見えている欠陥は、見えていない欠陥より怖くない」ということです。

問題が、現在進行形で悪化するケースに注意

もうひとつ怖いのは、「この程度だろう」と軽く見積もっていた欠陥が、どんどん悪くなるケースです。

いわゆるバリュー投資というと「割安なときに買えばいいんだな」という風に単純に考える人が多いですが、実はこの「キズモノ」の鑑定には、かなりの年季が必要です。

だから「ウチが商売をやっている」とか、「昔、管理職だった」など、ある程度、ビジネスのオモテとウラを知り尽くしたような人でないと、なかなかバリュー投資は成功しにくいです。

業績の良い会社は、退屈だ

割安放置されている銘柄を見ると、急にアドレナリンが体中に回り、居ても立ってもいられなくなる性格の投資家さんが多いです。「逆張りに情熱を燃やすタイプ」ですね。

そんな人からすれば、ちゃんとした業績を出せる会社が、しかも決算発表をした後、つまり株価が跳ねてしまった後で買い始めるのは、とってもカッコ悪い事であり、しかも余り値幅も取れない気がしてしまいます。

確かに、そういう愚直なやり方では利食い幅は小さいかも知れません。

しかしアメリカの機関投資家は、問題が無い会社の株を、ちゃんと良い決算が出たのを確認した後で、相場が跳ねてしまった後から、ゆっくり買い始める……ということを基本動作にしています。

その理由は、説明責任という事もあるでしょうけれど、それ以上に、やっぱりこのような堅実な方法が、いちばん勝率が高いからです。

業績の良い株への投資は、得てして退屈なものです。良いことが判り切っている株を買うのは、皆さんのプライドが許さないかもしれません。

しかしそういう業績の良い企業の株を、良い決算が出た後で買うと言う一見愚鈍なやり方は、投資で大失敗しないコツだと思います。


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