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季節的に米国株を仕込むべきタイミングが近づいている

季節的に米国株を
仕込むべきタイミングが近づいている

2020/10/9

1例年の経験則

株式トレーダーの歳時記、『ストックトレーダーズ・アルマナック』には米国の株式市場にまつわるいろいろな法則性が紹介されています。そのひとつに「10月はマーケットが大底をつけ、年末から来年にかけてラリーする起点となる場合が多い」ことが挙げられています。

下の米国の株式市場の月次パフォーマンスのチャートに注目してください。

  • (出典:ストックトレーダーズ・アルマナック)

なおデータ収録期間はS&P500指数が1950年から2019年4月まで、ナスダック総合指数は同指数がデビューした1971年1月から2019年4月までの平均となっています。

上のチャートから明らかなように、9月が1年で一番下げやすい月です。そして11・12・1月の3か月間が一番パフォーマンスの良いシーズンです。

すると我々が考えないといけないことは「年末年始の株式市場の強い時期に備え、そろそろ参戦する」ということです。

その場合、「どのセクターに投資する?」という事に関しても経験則が存在します。前出の『ストックトレーダーズ・アルマナック』によれば、下の各セクターが10月にポジションを建てるのに最も適したセクターなのだそうです。

セクター

買い建て

タイミング

売却

タイミング

過去10年(%)

銀行

10月

月初

翌年5月

月初

15.4

証券

10月

月初

翌年4月

中盤

17.7

コンピュータ

10月

月初

翌年1月

月初

7.6

消費循環

10月

月初

翌年6月

月初

18.1

消費安定

10月

月初

翌年6月

月初

8.9

ヘルスケア

10月

月初

翌年5月

月初

11.6

工業

10月

月末

翌年5月

中盤

12.7

素材

10月

月初

翌年5月

月初

14.3

薬品

10月

中盤

翌年1月

月初

4.8

不動産

10月

月末

翌年5月

月初

11.5

半導体

10月

月末

12月

月初

9.5

通信

10月

中盤

12月

月末

3.2

運輸

10月

月初

翌年5月

月初

16.0

  • (出典:ストックトレーダーズ・アルマナック)

なお過去10年間の平均年間パフォーマンスが表の一番右端に示されています。

2大統領選挙とのかねあい

さて、今年は大統領選挙の年であり、11月3日が投票日です。今回の大統領選挙は接戦だと言われており、ジョー・バイデン、ドナルド・トランプどちらの候補が勝利してもおかしくないと言われています。

10月2日(金)、トランプ大統領が新型コロナに罹ったことがテストの結果判明し、治療のためにウォルターリード病院に入院したというショッキングなニュースがもたらされました。ところが3日も経たないうちにトランプ大統領は未承認の新型コロナ抗体カクテルで治り、早くも退院しました。

このようにニュースはめまぐるしく変わっており、選挙戦の先行きは混沌としています。

しかし普通、選挙の年は本投票の前の週くらいまでに大底をつけて、現職大統領が勝利する、しないにかかわらず、開票日を跨いでその後までもラリーが継続すると言われています。

言い換えれば大統領選挙の行方を心配し、あまり慎重になりすぎるのも逆効果だということです。

3まとめ

10月は米国株式市場が大底をつけて年末年始の1年で一番株式市場が強いシーズンに向けて買い場となるケースが多いです。大統領選挙は不確実性をもたらしますが例年本投票の前に一足先に株式市場は大底をつけラリーに転じることが知られています。

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著者

広瀬 隆雄(ひろせたかお)

コンテクスチュアル・インベストメンツLLC マネージング・ディレクター

グローバル投資に精通している米国の投資顧問会社コンテクスチュアル・インベストメンツLLCでマネージング・ディレクターとして活躍中。
1982年 慶応大学法学部政治学科卒業。 三洋証券、SGウォーバーグ証券(現UBS証券)を経て、2003年からハンブレクト&クィスト証券(現JPモルガン証券)に在籍。

広瀬 隆雄

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