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2022年の投資戦略
2022年の投資戦略
2021/12/17
まとめ
2022年の米国株は±0%程度のパフォーマンスになると予想します。米国経済は回復局面の初期に位置しており今後数年に渡り景気拡大が期待できます。株式市場は長期上昇局面のスピード調整期間に入るだけであり、それが済めば再び上昇トレンドに入ってゆくことが出来ると思います。株価指数よりも特定のセクターに魅力があると思います。
米国経済
米国経済は2022年の新型コロナから力強く回復中です。
今回の景気拡大局面は2020年第2四半期から始まっています。普通、景気拡大局面は7年から10年続くと考えられているため2022年は景気拡大局面初期と位置付けることが出来ると思います。2022年はGDP成長率で4.0%前後が期待できます。これは米国のような成熟した経済にあってはとても高い数字です。
経済が力強く回復している関係で物価上昇圧力が顕在化しています。
このため連邦準備制度理事会(FRB)は金利政策の主眼を景気支援からインフレ抑制へとシフトする必要に迫られています。2022年中は3回前後の利上げを覚悟する必要があります。
株式市場
それは株式市場にとって何を意味するか? と言えば、これまでの金融相場が終り、業績相場へとシフトしてゆくことを意味します。
金融相場が終わったからといって相場そのものが終わることを意味しません。業績相場へとバトンタッチされるだけです。
ただこのバトンタッチに際してマーケットがもたもたすることは十分に予想されます。なぜならこれまでの「何を買っても儲かる相場」から「業績の変化率が大きい銘柄を買う相場」へと物色の矛先が変わるからです。
2022年の米国株の展望で、私が株価指数そのものには強気ではなく、むしろそういう全体の流れに沿い、無理なく業績を伸ばせるセクターを選好する理由はここにあります。
具体的なセクターとしては石油、化学、紙製品、肥料などが魅力だと思います。これらの産業は仕入れコストの上昇を価格転嫁しやすいです。人件費が費用に占める割合も比較的低いです。それらの理由からインフレ局面でもマージンを維持しやすいです。
著者
広瀬 隆雄(ひろせたかお)
コンテクスチュアル・インベストメンツLLC マネージング・ディレクター
グローバル投資に精通している米国の投資顧問会社コンテクスチュアル・インベストメンツLLCでマネージング・ディレクターとして活躍中。
1982年 慶応大学法学部政治学科卒業。 三洋証券、SGウォーバーグ証券(現UBS証券)を経て、2003年からハンブレクト&クィスト証券(現JPモルガン証券)に在籍。