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2024-12-13 21:09:12

マーケット > レポート > 広瀬の外国株式・海外ETFデビュー講座 > 市場平均(PER21倍)を下回る割安株に分散投資することで大きな失敗を未然に防ぐ

市場平均(PER21倍)を下回る割安株に分散投資することで大きな失敗を未然に防ぐ

市場平均(PER21倍)を下回る割安株に分散投資することで大きな失敗を
未然に防ぐ

2022/1/13

年初からいきなり苦しい相場が続いています。こういう展開になっている理由は簡単です。思いもよらないしつこいインフレを退治するためにアメリカの中央銀行である連邦準備制度理事会(FRB)が断固とした金融引き締めの方針を打ち出したからです。

もう米国株には投資できないのでしょうか?

私はそういう風には全然考えていません。なるほど、今年は株価指数は上がらないかも知れません。でも株価指数が上がらないということと、だから投資できる株が無いということは、全く別です。

実は投資できる銘柄はよりどりみどり一杯転がっています。

それを説明するにはちょっと近年の米国株式市場の歩みを振り返ってみる必要があると思います。

2008年のリーマンショックの後、連邦準備制度理事会はゼロ金利政策を敷きました。さらに債券買入プログラムを始動しゼロ金利に輪をかけた一層踏み込んだ緩和を行いました。つまり流動性で市場をじゃぶじゃぶにしたのです。

これと似たことは2020年に新型コロナが流行し始めた時にも起こりました。この時も連邦準備制度理事会はゼロ金利政策を敷き、債券買入プログラムを開始しました。

これらの度重なる極端な緩和政策にすっかり慣れ切った投資家は、だんだん横着な投資態度を取るようになりました。足下の業績をしっかり調べることもせず、エキサイティングな投資テーマやストーリーにコロリと乗せられる格好で、赤字会社の株を喜んで買い上がるというようなことが常態化しました。

普通だと上場会社としての体を成してないような未熟な企業でも、SPAC(特別買収目的会社)という方法を利用して裏口上場が横行しました。それらの上場は悉く失敗に終わったと言えるでしょう。

今、インフレ退治が社会の大問題になり、中央銀行による引締めが待ったなしとなった以上、上に書いてきたような横着な投資態度は、もはや通用しなくなったと諦めるのが賢明です。

それでは我々はどうすれば良いのでしょうか?

私は今年は株価指数が上昇するのは望み薄だと考えているのですが、それと同時に株価指数より高い投資リターンを出すことも実は簡単だと考えています。つまり上に書いたような横着な投資態度を改め、基本に忠実な、当たり前の投資を実行するだけで楽々勝てるという読みです。

具体的には今株式市場が苦戦しているのは長年の横着な投資態度がもたらした身から出た錆が原因なのだから、それの逆をやれば問題にズブズブと嵌まり込んでしまうことを避けることができます。

つまりチャラチャラしたテーマ株、ストーリー株を避け、割安株をていねいに自分で選別してゆけば良いのです。

現在の米国株の市場平均株価収益率(PER)は21倍ですから、この際、「PERで21以上の銘柄は買わない」と決めてしまえば良いのです。

実はアメリカの多くのヘッジファンドはこのシンプルな解決法に気付いており、実施し始めています。だからバリュー株がグロース株を大幅にアウトパフォームし始めているのです。

このようなことは1970年代にニフティフィフティ相場が崩壊した時にも見られた現象ですし、2000年にドットコム・バブルが弾けた時もバリュー株を買っておけば簡単に指数をアウトパフォームできました。

石油、銀行、通信、ヘルスケアなどセクターを分散して5から10銘柄ほどPER21倍以下の銘柄を買い揃えるだけで、ちゃんとした、そして指数に勝てるポートフォリオを、あなたも構築することが可能です。是非試してみてください。

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著者

広瀬 隆雄(ひろせたかお)

コンテクスチュアル・インベストメンツLLC マネージング・ディレクター

グローバル投資に精通している米国の投資顧問会社コンテクスチュアル・インベストメンツLLCでマネージング・ディレクターとして活躍中。
1982年 慶応大学法学部政治学科卒業。 三洋証券、SGウォーバーグ証券(現UBS証券)を経て、2003年からハンブレクト&クィスト証券(現JPモルガン証券)に在籍。

広瀬 隆雄

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