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米国株の戻りは売り
米国株の戻りは売り
2022/6/23
米国市場は弱気相場入り
米国を代表する株価指数であるS&P500指数は高値から最大−24.5%(ザラバ・ベース)下落し、いわゆるベア・マーケット(弱気相場=定義は高値から−20%)を記録しました。普通、ベア・マーケットはリセッション(景気後退)の前兆だと言われています。
■長短金利差「0」
これに加えて10年債利回り−2年債利回りがふたたび「0」になりました。
普通、長短金利差「0」もリセッションの前兆だと言われています。
これらのことから考えて、あと半年から1年くらい先に米国経済がリセッション入りすることはほぼ不可避だと思われます。
第二次世界大戦以降米国がリセッションに陥ったケースでは株式市場は平均して−30%弱下落しています。すると未だ株式市場にはダウンサイドリスクが残っていると言えます。
FRBは利上げの手を緩めない
6月17日、FRBのクリストファー・ウイラー理事は「7月も0.75%の利上げがありうる」と述べました。FRBは3月に0.25%、5月に0.50%、6月に0.75%とだんだんペースを速めながら利上げを繰り返しています。つまりとうぶん利上げの手は緩めないと思われるのです。
投資ストラテジー
過去のリセッション局面で株式市場が底入れたのはFRBが利下げに転じてからですのでまだまだそのようなシナリオが近く起こる可能性は低いです。この点からもマーケットの底入れにはあまり期待しない方が良いと思います。
ふらふらと株価が自然反発した局面はポジションを落とすのに利用すべきです。
今はなるべくキャッシュ比率を高くし、もしどうしても買いたいのなら営業キャッシュフローが安定している一部のバイオテクノロジー株、食品株、電力会社などの公益株あたりを中心に投資すべきだと思います。
著者
広瀬 隆雄(ひろせたかお)
コンテクスチュアル・インベストメンツLLC マネージング・ディレクター
グローバル投資に精通している米国の投資顧問会社コンテクスチュアル・インベストメンツLLCでマネージング・ディレクターとして活躍中。
1982年 慶応大学法学部政治学科卒業。 三洋証券、SGウォーバーグ証券(現UBS証券)を経て、2003年からハンブレクト&クィスト証券(現JPモルガン証券)に在籍。