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2024-12-15 05:33:06

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投資戦略の再点検

投資戦略の再点検

2023/4/12

1利上げ打ち止めが近い

5月3日の連邦公開市場委員会(FOMC)で今回の利上げ局面最後となる0.25%の利上げが発表され米国の政策金利であるフェデラルファンズ・レートは5.00〜5.25%になることが予想されています。つまりいよいよ「利上げ打ち止め」というメッセージが打ち出されることが予想されるわけです。

■利上げ終了は株式に良いニュース
利上げの終了は「もうこれ以上金利面で締め付けが厳しくならない」という意味においてホッと一息つけるニュースです。

■インフレの根絶までは高金利が維持される
ただし政策金利は現行の比較的高い水準が当分の間維持されると思うので苦しいことには変わりはありません。

政策金利を高く据え置く狙いはインフレの息の根を止めることにあります。

インフレの退治が最優先事項、景気への配慮は後回しという順番ですから今後は(いつ景気が暗転する?)という不安と背中合わせの投資ということになります。

ただ景気後退はいままでに何度も経験してきたことなので、実際にそれが襲ってもどう対処すれば良いかはよくわかっています。もっとざっくばらんな言い方をすれば「その時は利下げすればいい」というだけのことです。

幸い今は政策金利が5%なのでじゅうぶんな利下げ余地があります。メリハリの効いた金利政策を打ち出して行ける立場だということです。リーマンショック以降、ゼロ金利時代が長く続いたので今このような裁量の余地がある事自体、とても贅沢なことだと思います。ムダに景気後退を恐れるには及ばないということです。

2債券市場は楽観しすぎ

ところで債券市場は今年の夏にもFRBが利下げに転じ、その後、どんどん政策金利を下げてゆくという風に織り込んでいます。

言い直せば債券は買われているということです。

ただ景気の足腰はそこまで弱くありません。いまはチョッと気を抜くとインフレが再燃するリスクが大きいです。

このことから、ただちに、一本調子で政策金利が下げに転じるというのは、落胆させられるリスクが大きいです。

3インフレ高止まりに備えた投資戦略

つまりインフレはFRBがターゲットにしている2%にすぐに到達するのではなく、しばらく時間を経た後、やっとのことで2%の水準まで下がると予想したほうが無難だということです。

このところの株式市場は市中金利の低下シナリオをサッサと織り込み、金利低下時に恩恵をこうむる一握りの大型グロース株が買い進まれました。

しかしハイテク企業の業績は今とても悪いです。

すぐに利下げとなり、バリュエーション面での援軍が金利の面からもたらされない限り、気の早いそのようなトレードは落胆させられるリスクをはらんでいます。

むしろ今はとても割安な水準まで下げてきたエネルギー株、バリュー株、欧州株に妙味があるのではないでしょうか?

まとめると利上げの打ち止めは株式市場にプラスだけれど、金利低下期待は虫の良いシナリオ過ぎるので過剰な期待もほどほどにする必要があるということです。

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著者

広瀬 隆雄(ひろせたかお)

コンテクスチュアル・インベストメンツLLC マネージング・ディレクター

グローバル投資に精通している米国の投資顧問会社コンテクスチュアル・インベストメンツLLCでマネージング・ディレクターとして活躍中。
1982年 慶応大学法学部政治学科卒業。 三洋証券、SGウォーバーグ証券(現UBS証券)を経て、2003年からハンブレクト&クィスト証券(現JPモルガン証券)に在籍。

広瀬 隆雄

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