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大統領選挙サイクルでは来年の相場は良い
大統領選挙サイクルでは来年の相場は良い
2023/10/27
米国の株式市場には「大統領選挙サイクル」というアノーマリーが存在することが知られています。
米国の大統領の任期は4年です。大統領は最長2期務めることが出来ます。
新しい大統領が就任した年、そしてその翌年は株式市場が比較的上昇しません。3年目(2023年がこれに当たります)と4年目、すなわち大統領選挙がある年が最も上昇します。
言い換えれば前半の2年を合計して平均+13%、後半の2年を合計して平均+24%のパフォーマンスが第二次大戦以降の大統領選挙サイクルの通例となってきたのです。
4年間のうち一番相場が弱いのは2年目です。実際、2022年はナスダックを中心に冴えない相場だったので、今回も大統領選挙サイクルは当たっていることになります。
もうひとつ重要なアノーマリーとして現職の大統領が再選を目指して立候補する場合(今回がこれに当たります)、4年目、すなわち大統領選挙のある年の単年度で平均+12.8%上昇しているのに対し、任期の関係で民主党、共和党ともに新しい大統領候補が立つケースでは4年目のパフォーマンスは平均−1.5%となっている点です。
つまり市場参加者は不確実性を嫌うということです。
現在、米国のGDPは+2.1%程度で推移しており経済は好調です。選挙までまだあと1年あるのでその間、景気が持つかどうかわかりませんが、一般論として米国の景気が強いときは現職大統領が再選されやすいと言われています。
さて、この秋の米国株式市場はぐずぐずした展開ですが、上に述べたアノーマリーを考慮した場合、来年の大統領選挙に向けて、そろそろ本腰入れて米国株投資に取り組まないと買いチャンスを逃すリスクが大きいことがおわかりいただけると思います。
例年、11月、12月は相場が強いことで知られています。
当該期間の月間騰落率の平均値を算出。縦軸は%
(出典:ストックトレーダーズ・アルマナック)
掉尾の一振(とうびのいっしん)を取りに行くことを心がけてください。
著者
広瀬 隆雄(ひろせたかお)
コンテクスチュアル・インベストメンツLLC マネージング・ディレクター
グローバル投資に精通している米国の投資顧問会社コンテクスチュアル・インベストメンツLLCでマネージング・ディレクターとして活躍中。
1982年 慶応大学法学部政治学科卒業。 三洋証券、SGウォーバーグ証券(現UBS証券)を経て、2003年からハンブレクト&クィスト証券(現JPモルガン証券)に在籍。