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2024-12-15 04:35:09

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消費者物価指数は良い感じで下がってきた

消費者物価指数は良い感じで下がってきた

2024/9/13

9月11日(水)、8月の米国の消費者物価指数が発表されました。市場予想前年同月比+2.6%に対し結果+2.5%でした。

連邦準備制度理事会(FRB)は物価目標2%を掲げていますが、それにあと0.5%に迫ってきたわけです。

今回の物価改善は燃料費(-1.9%)、公共ガスサービス(-1.9%)などの価格の値下がりに助けられました。

なお変動の激しいエネルギーや食品の価格を除いたコア指数は予想に一致する+3.2%でした。

物価が安定してきたので米国の政策金利であるフェデラルファンズ・レート(5.25%)からCPIを引き算するとその差は2.75%となり物価の実勢に対して政策金利が高目に設定され過ぎている印象を与えます。来る9月18日の連邦公開市場委員会(FOMC)でいよいよ利下げが発表されると大多数の市場参加者が考える理由はここにあります。

ただし家賃は引き続き高止まりしていますし労働者の賃金の上昇(8月は+14¢)もまだ続いています。従って一気に0.50%利下げするのではなく、最初は最小限の利下げにとどめるという見方が有力です。

株式市場的には利下げの第一歩を踏み出すことが重要なのであり利下げ幅は殆ど関係ありません。いや、無駄に大きな利下げを行えば、それがハチャメチャ感を醸し出し、逆に市場参加者はパニックに陥るリスクもあります。だから0.25%の引き下げ幅が適切なのです。

なお今回の利下げは上に述べたようにインフレの実勢に比べて政策金利が引き締め過ぎの水準にあることを是正することが目的であり、米国景気が弱いのが原因ではありません。実際、足元の四半期GDPでは米国が先進各国の中で最も高い成長(=第2四半期→3%)を示しています。

それは何を意味するか? と言えば、いまのままで雇用市場が悪化を見なければ、米国は経済のソフトランディングを実現する可能性が残っているということです。ソフトランディングは稀にしか見られない現象で、前回はアラン・グリーンスパン議長が采配を振るっていた1990年代中頃に実現しました。あの当時はインターネットの普及で米国の労働生産性が向上しており、インフレがスパイラル化しにくい環境でした。

実は今回も労働生産性はUPしているのですが、これがAIの普及による恒久的なものか、それとも一過性の現象かはもう少し時間をかけて観察してみないとわからないと思います。

いずれにせよ労働生産性の改善で景気拡大が長期化する場合は株式市場も大きなバリュエーションの底上げが期待できます。利下げと、景気の持続性の両方に目配せしながら、粘り強くポジションを維持し続ける姿勢が必要だと思います。

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著者

広瀬 隆雄(ひろせたかお)

コンテクスチュアル・インベストメンツLLC マネージング・ディレクター

グローバル投資に精通している米国の投資顧問会社コンテクスチュアル・インベストメンツLLCでマネージング・ディレクターとして活躍中。
1982年 慶応大学法学部政治学科卒業。 三洋証券、SGウォーバーグ証券(現UBS証券)を経て、2003年からハンブレクト&クィスト証券(現JPモルガン証券)に在籍。

広瀬 隆雄

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