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“スピンオフ(分社化)で価値を引き出す!!”

2015/8/12

米国市場でスピンオフ(分社化)への注目が高まっています。最近ではイーベイによるペイパルの分離・上場が注目されましたが、企業経営者が株主価値の最大化を考えるときに、スピンオフが選択肢として浮上しているようです。実際に、スピンオフ企業で構成されるブルームバーグスピンオフ指数は安定して市場平均を上回る好パフォーマンスをあげており、投資の切り口として注目できそうです。そこで今回は、現在スピンオフを計画している企業から2銘柄、既にスピンオフしている企業から3銘柄、注目できそうな銘柄としてご紹介します。

銘柄

株価(8/10)

52週高値

52週安値

91.95ドル

92.92ドル

70.12ドル

30.24ドル

41.10ドル

29.40ドル

69.21ドル

71.60ドル

52.06ドル

39.05ドル

42.55ドル

33.98ドル

50.11ドル

52.52ドル

32.05ドル

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  スピンオフ企業の株価パフォーマンスは市場平均を上回る傾向

米国市場でスピンオフ(分社化)への注目が高まっています。最近ではイーベイによるペイパルの分離・上場が注目されましたが、企業経営者が株主価値の最大化を考えるときに、スピンオフがひとつの選択肢として浮上しているようです。実際、そのパフォーマンスも良好です。

図1は、ブルームバーグスピンオフ指数とS&P500指数を指数化して比べたものですが、03年初を100として、S&P500が2.3倍になっているのに対してスピンオフ指数は5.9倍に達しています。

ブルームバーグスピンオフ指数は、米国の上位企業から分離・独立した銘柄で構成され、取引初日から3年間を期限に組み入れることをルールに計算されています。指数の組み入れ銘柄は随時変化していきますが、安定して市場平均を上回っていることから投資の切り口として注目できるでしょう。

同指数の現在の構成銘柄上位は図表2の通りです。アボット ラボラトリーズから分社したアブビー、イーベイから分離したペイパル、ファイザーから分離したゾエティス、バクスターから分離したバクスアルタ、ディーン フーズから分離したホワイトウェーブ フーズなどが主要な組み入れ銘柄となっています。これらの企業や現在スピンオフの計画を発表している企業、今後スピンオフを発表してくる企業は、投資対象として注目できるのではないでしょうか。

図表1: ブルームバーグスピンオフ指数とS&P500指数

  • ※ブルームバーグのデータをもとにSBI証券が作成

図表2: ブルームバーグスピンオフ指数の構成上位10社(構成比1%以上)

コード

銘柄名

事業内容

時価総額
(億ドル)

分社後
上場時期

分離前の企業

ABBV

アブビー

バイオ医薬品

1,136

12年12月

アボット ラボラトリーズ

PYPL

ペイパル ホールディングス

ネット決済

477

15年7月

イーベイ

ZTS

ゾエティス

動物用医薬品

241

13年1月

ファイザー

BXLT

バクスアルタ

バイオ医薬品

254

15年6月

バクスター

WWAV

ホワイトウェーブ フーズ

食品

87

12年10月

ディーン フーズ

NWSA

ニューズ コーポレーション

メディア

81

13年6月

旧ニューズ コーポレーション

CPGX

コロンビア パイプライン グループ

パイプライン

87

15年6月

ナイソース

ADT

ADT コーポレーション

警備サービス

56

12年9月

タイコ

MNK

マリンクロット

医薬品

118

13年6月

コビディエン

NAVI

ナビエント

教育ローン

58

14年4月

サリー メイ

  • 注:当社取扱いの企業に限ってリストアップしています。バクスアルタは8月にシャイアから買収提案を受けています。
  • ※ブルームバーグデータを基にSBI証券が作成
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  スピンオフ企業はなぜパフォーマンスが良いのか?

なぜ、スピンオフ企業の株価パフォーマンスは良いのでしょうか?

スピンオフの場合は、M&Aと違って当事者が分社したほうが企業価値が高まると考えて分社化するわけですが、やはり自社や自社が属する業界のことは自身が最もよくわかっていて、実際にそうなることが多いのだと言えそうです。

スピンオフによって隠れていた企業価値が顕在化するケースとして以下の3つが代表的であると思われます。それぞれのケースについて、具体例をあげて考えてみましょう。

図表3 : 代表的なスピンオフの理由

ケース

スピンオフの理由

A

性格が異なる事業を分けてそれぞれが成長を目指す

B

スピンオフで事業展開の制約を取り除いて成長を期待する

C

事業モデルが異なる企業を分けて、個々の透明性を高めて株式評価の上昇を期待する

  • ※当社資料よりSBI証券が作成

[ A ] のケース・・・【アボット ラボラトリーズとアブビー】

アブビーは、バイオ医薬品メーカーで、アボット ラボラトリーズの研究開発部門が12年に分社化された会社です。一方、アブビーをスピンオフしたアボット ラボラトリーズは、診断薬、医療機器、ブランド後発薬、栄養補助製品を事業領域とする会社になりました。

研究開発を中心とした製薬とそれ以外の事業では必要な人材や経営資源の違いが大きいことから、分社することでそれぞれの分野で競争力を高めることが目的と思われます。特に当時台頭してきたバイオ医薬品大手との競争に備えることが重要な動機だったと考えられます。

12年12/10の分社後、アブビーの株価は85%上昇、アボット ラボラトリーズの株価は61%の上昇となっています。

[ B ] のケース・・・【イーベイとペイパル】

イーベイは、オークションを中心にネット通販事業を営んでいる会社です。今回分社したペイパルは02年に買収しています。ペイパルは、ネット上で個人間でお金のやり取りができる決済システムを運営しています。イーベイのネットオークション事業との親和性が高く、しかも高成長が続いていたため、イーベイにとって魅力的であったことは想像に難くありません。

しかし、イーベイの傘下にあることで、ペイパルはイーベイ以外の企業との取引拡大で制約を受けた部分もあったようです。15年7/20の分社化によって、ペイパルの事業展開が加速することが期待されています。

このケースでは、スピンオフにより恩恵を受けるのがペイパルに偏るため、イーベイは分社化後のペイパルの利益増加に関与する仕組みを組み込んでいます。このため、分社によってペイパルが成長した場合、イーベイも恩恵を受けることになります。

[ C ] のケース・・・【マリオット インターナショナルとマリオット バケーションズ ワールドワイド】

コングロマリット・ディスカウントという言葉があります。これは、一つの企業に性格の異なる様々な事業が混在していると、株式市場で割り引いて評価されることを指します。Cのケースは、このコングロマリット・ディスカウントを解消することが目的といえます。

若干古くなりますが、マリオット インターナショナルのケースをご紹介します。マリオット インターナショナルは、ホテルの運営を行っている企業ですが、土地・建物など固定資産をあまり持たずにホテルのオーナーから運営の受託をして伸びていくビジネスモデルを「売り」にしていました。しかし、同時に保有していたリゾート会員権の販売事業では施設を保有する必要があり、会社全体として中途半端になっていました。

そこで、固定資産を持たないで運営受託する事業(マリオット インターナショナル)と、ある程度固定資産を持って行う事業(マリオット バケーションズ ワールドワイド)に分けることにより、株式市場での評価の高まりを期待したものです。

11年11/8の分離上場から現在までで、マリオット インターナショナルの株価は2.4倍、マリオット バケーションズ ワールドワイドは3.6倍と、いずれも大きな上昇となりました。この間ホテル株全般が強かったということもありますが、分社化が成功したケースと考えられています。

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  スピンオフを計画している企業は?

現在スピンオフを計画している主要企業をご紹介します。

まず注目できると考えられるのは、ダナハーのケースです。

ダナハー(DHR)・・・単純なスピンオフではありませんが、産業向けテクノロジー企業のダナハーがろ過技術で世界的なポールを買収した上で、2つの会社に分離しようとしています(5/13発表)。ダナハーはポールを買収したのち、ダナハーの社名を引き継ぐ「科学および技術の成長企業」と、産業機器の新会社に分離する計画です。ポールの買収は今年中に、分離は16年中に完了の予定です。

その他、スピンオフの意向を表明している企業として以下があります。

ジョンソン コントロールズ(JCI)・・・自動車部品大手でビル管理システムも兼営する同社は、自動車事業(自動車シートと内装)の分離を戦略的な選択肢として検討していることを7/10に発表しています。

ヒューレット-パッカード(HPQ)・・・企業向けの情報システム事業をHewlett Packard Enterpriseとして分離する計画で、11月までの完了を目指しています。

フィアット・クライスラー(FCA)・・・同社の一部門であるフェラーリをニューヨーク市場に上場する予定です。

また、以下は報道ベースでスピンオフの可能性があると言われているものです。

アラガン(AGN)・・・ブランド医薬品部門を残し、ジェネリック医薬品部門の一部、あるいは全てをスピンオフ、または売却することを検討しているとの報道がありました。(7/25 ブルームバーグニュース)

クアルコム(QCOM)・・・半導体チップ事業と通信規格のライセンス事業に分離する可能性があるとしています。(7/22 ウォール・ストリート・ジャーナル)

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  注目銘柄のポイント

現在スピンオフを計画していて、その内容から注目できると考えられる2銘柄と、既にスピンオフしていてブルームバーグスピンオフ指数の主要構成銘柄から3銘柄をピックアップしてご紹介いたします。

銘柄名 株価
(8/10)
91.95ドル 予想PER
(倍)
23.8
ポイント
  • 医療用検査装置や試薬、水質検査装置、各種制御機器、産業用センサー、歯科用機器・インプラント、ネットワーク測定機器などを幅広く手がける産業向けのテクノロジー企業です。5/13にろ過・分離・浄化システムの世界的メーカーであるポールコーポレーションを138億ドルで買収し、その後、会社を2社に分割、上場する計画を発表しています。
  • 分社後のダナハーは、ポールの事業とダナハーのライフサイエンス、医療用検査、歯科関係、水質検査、物性検査などを統合した「科学と技術の成長企業」となり、ダナハーの残りの事業を受け継ぐ新会社は産業向け機器の会社とする計画です。会社のコンセプトをはっきりさせるという点で注目できるでしょう。
銘柄名 株価
(8/10)
30.24ドル 予想PER
(倍)
13.2
ポイント
  • 世界的なコンピュータ・IT企業で、14年の売上構成比は、テクノロジー・ソリューションズ・グループ47%、パーソナル・システムズ・グループ30%、イメージング&プリンティング・グループ20%、金融サービス3%となっています。
  • 14年10月に企業向けITサービスの「ヒューレット パッカード エンタープライズ」、パソコンとプリンターを製造・販売する「HP Inc.」に分社する計画を発表して、今年11月までの完了を目指しています。注目点は、企業向けITサービスの事業が分離されることによって株式市場での評価が高まる可能性です。11年に買収したオートノミーは、文章の主題検索を可能にする特別な技術を持つ企業であり注目できます。
銘柄名 株価
(8/10)
69.21ドル 予想PER
(倍)
18.8
ポイント
  • 12年に製薬会社アボット ラボラトリーズの研究開発部門が分社化されて設立・上場したバイオ医薬品メーカーです。C型肝炎、ニューロサイエンス、免疫学、ガン、ウイメンズヘルス等の分野の新薬開発に注力しています。
  • 売上の6割を占める関節リウマチ治療薬ヒュミラが伸びているほか、14年末に米国で承認されたC型肝炎治療薬のViekiraが急速に立ち上がっています。Viekiraは47カ国で承認され、拡大が期待されます。
  • 15年4-6月期は、売上が前年同期比11%増(為替の影響を除いたベースでは同19%増)、営業利益が同22%増と好調です。同期に主力薬のヒュミラは米国で同29%伸びています。
銘柄名 株価
(8/10)
39.05ドル 予想PER
(倍)
40.2
ポイント
  • インターネット上で個人や零細事業者などが利用できる送金サービスを提供している会社です。ネットオークション参加者の利用が多いほか、国際的な送金も手軽にできることで利用者が増えています。また、ネットでのクレジットカード取引をまとめるサービス(カード情報をペイパルに登録し、個々の事業者にはカード情報を送らずに決済できるサービス)も提供しています。
  • 14年の同社プラットフォーム上の取引額は2,350億ドルで前年比26%増加しています。年間取引件数は40億件、口座数は1億6,200万人に達しています。イーベイから独立したことで事業展開の制約が取り除かれ、成長の加速が期待されています。
銘柄名 株価
(8/10)
50.11ドル 予想PER
(倍)
45.2
ポイント
  • 乳製品販売大手のディーン フーズから12年に分社した食品メーカーです。「Soy」ブランドの豆乳やココナツミルクなどの植物性食品、「Horizon Organic」ブランドのオーガニック・ミルク、「Earthbound Farm」ブランドのオーガニック・サラダのほか、コーヒークリーマー、バター・チーズなどの乳製品を製造・販売している会社です。
  • 米国人の健康意識の強まり、オーガニック食品への嗜好から同社製品に対する需要拡大が期待されています。8/7に発表した15年4-6月期決算は、売上が前年同期比10%増、営業利益が同15%増と好調な拡大を確認しました。
  • また、同社は中国の乳業大手チャイナ・メンニウ・デイリーと合弁事業を立ち上げていることでも注目されています。

※株価日足チャートは、2015/8/10時点のものです。

※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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