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拡大が期待される有機EL!ど真ん中銘柄はコレ!?

2016/09/07
投資調査部 榮 聡

アップルによるiPhoneへの採用意向やアプライドマテリアルズの製造装置受注の急増で、有機EL市場の拡大に期待が高まっています。そこで、今回は同市場の動向と今後を展望するとともに、グローバルに主要プレイヤーを概観しています。スマートフォンでの採用拡大に加え、VR(仮想現実)・AR(拡張現実)用機器や将来的にはテレビ、照明分野での拡大も期待され、有機EL市場には中長期に渡る高成長が期待されます。

図表1:主要関連銘柄

銘柄 株価 (9/6)(円換算値) 52週高値 52週安値
サムスン電子 (005930) 1,643,000ウォン 1,694,000ウォン 1,088,000ウォン
ユニバーサル ディスプレイ(OLED) 57.66ドル 74.39ドル 32.47ドル
アプライド マテリアルズ(AMAT) 29.98ドル 30.41ドル 14.69ドル
LGディスプレイ (034220) 30,800ウォン 32,350ウォン 20,500ウォン
出光興産(5019) 1,932円 2,483円 1,597円
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
1

拡大が期待される有機EL

有機EL市場の拡大に期待が高まっています。アップルでは17年中にもiPhoneに採用すると見込まれており、また、アプライドマテリアルズの受注で有機EL向け製造装置が2-4月期、5-7月期とも急増、同社は高水準の受注が16年いっぱい継続するとしたことから、一気に市場拡大への期待が高まってきました。

まず、「有機ELとは何か?」から確認しましょう。

有機ELは有機エレクトロルミネッセンス(Electroluminescence)の略で、有機化合物に電圧をかけると発光する現象をさします。この現象を利用した有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode:OLED)によるディスプレイが「有機ELディスプレイ」、照明が「有機EL照明」として製品化されています。

有機ELの市場はディスプレイ分野が先行して2010年頃から量産が始まり、サムスン電子が自社のスマートフォン「ギャラクシー」に搭載したことで拡大してきました。有機ELディスプレイ向けに発光材料を供給している米国のユニバーサルディスプレイの売上推移から世界の有機EL市場がどのように成長してきたかが概観できます(図表2)。

次に、有機ELはなぜ有望なのかを考えてみましょう。

有機ELは同じフラットディスプレイのLCD(液晶ディスプレイ)に比べて以下の特長があり、将来的にLCD市場のかなりの部分を置き換えていくと見込まれています(図表3)。

バックライトが要らず薄くて軽い・・・バックライトやカラーフィルターが要らず、LCDに比べて構造は非常に単純です。部材点数が少ないため、製造技術の進歩により将来的に低コストとなる可能性があります。

自発光なので省電力・・・画素1つ1つが発光するため、エネルギーのロスが少なく省電力です。

高画質・・・高輝度、高コントラストで、深い黒を表現することができます。表示入力信号に高速で応答するため、動画もクリアに表示されます。

さらに、薄く軽くできることから紙のように「折り曲げ」たり、また、「透明にする」ことが可能なため、これまでLCDが使われてこなかった新しい分野でも使用が広がる可能性があります。また、現在の主要用途はスマホのディスプレイですが、テレビや照明の分野でも有望と考えられています。

ユニバーサルディスプレイの会社説明資料から、有機ELディスプレイの市場見通しを示したのが図表4です。金額ベースでは、15年〜22年にかけて年平均成長率18%、面積ベースでは15年〜20年に同45%での高成長が見込まれています。

図表2:有機ELの歴史は米ユニバーサル ディスプレイ(OLED)の歴史

  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

図表3:有機ELパネルの構造

  • ※出所:株式会社JOLED(ジェイオーレッド)

図表4:有機ELディスプレイの市場見通し

  • 注:16年以降は米国の調査会社IHSの予想です。
  • ※ユニバーサル ディスプレイの説明会資料(16年8月)をもとにSBI証券が作成
2

パネル市場を独占するサムスン電子、発光材料を牛耳る米日2社

高成長が期待される有機EL市場の主要プレイヤーを、パネルメーカーと発光材料メーカーに分けてみてみましょう。

まず、パネルメーカーのシェアは調査会社IHSが公表した16年1-3月期のデータによると、

 1位 韓国のサムスンディスプレイ(サムスン電子の子会社) 97.7%

 2位 韓国のLGディスプレイ 0.9%

 3位 台湾の友達光電(AUO) 0.7%となっています。

16年1-3月期の有機ELパネルの世界出荷枚数は9,081万枚で、スマホ用有機ELは前年同期比62.8%増加しています。

サムスン電子は自社のスマホ「ギャラクシー」に搭載するほか、中国のスマホメーカーにも供給を始めたことで有機ELパネルの生産が急増しています。さらに、アップルのiPhone向けに17年中にも供給を始めると見込まれており、16年に生産設備の拡充に8兆ウォン(約7,200億円)を充てる計画です。

LGディスプレイは有機ELテレビを商品化していますが、いまのところ既存の液晶テレビに対して十分には競争力が高まっておらず、スマホ用ほど販売は伸びていません。例えば、55インチ型の日本での小売価格は、液晶テレビが10〜25万円であるのに対して、LGの有機ELテレビは70万円以上で、本格的な普及にはもう少し価格差が縮まる必要がありそうです。

次に、有機ELの部材でキーになる発光材料の主要プレイヤーです。売上ベースで、

 1位 米国のユニバーサルディスプレイ(OLED)

 2位 日本の出光興産(5019)

 3位 ドイツのノバレッド(未上場)、4位 米国のダウケミカル(DOW)、5位 韓国のサムスンSDI(006400)が上位です。

ユニバーサルディスプレイは、その銘柄コードが「OLED」(英語で有機ELはOLEDと呼ばれます)であることに象徴されるよう、有機EL事業に特化した企業です。有機EL関連で業界トップの4,200件の特許を保有、サムスン電子、LGディスプレイの有機EL事業の黒子役を果たしています。15年売上の67%をサムスン電子から、25%をLGディスプレイから得ていると推定され、有機ELの歴史とともに成長してきた会社です。

出光興産は独自特許を保有する青色発光材料に強く、韓国に有機EL材料の生産工場を保有しています。LGディスプレイと深い関係にありますが、15年からはサムスン電子にも青色発光材料の供給を始めています。

その他の日本企業では、保土谷化学工業(4112)、住友化学(4005)、ケミプロ化成(4960)などが有機EL材料の分野で活動しています。

尚、有機ELパネルに取り組んでいる日本企業は、シャープ(6753)、ジャパンディスプレイ(6740)、JOLED(ジェイオーレッド)(未上場)がありますが、残念ながらいまのところ量産まで進んでいません。

ただ、有機ELパネルは現在「蒸着法」で製造されていますが、真空環境が必要、3色を塗り分けるためのマスクが必要、材料のロスが多いなどコストが高くつく製造方法です。一方、「印刷法」による製造が実現した場合、真空環境がいらず材料の使用効率が格段に高いため、コスト競争力が高くゲームチェンジャーになると考えられます。その意味では、日本企業が将来的に巻き返す可能性もまだ残っていると言えそうです。

注目できるのは未上場ですが「JOLED」(ジェイオーレッド)です。同社は、パナソニックとソニーの有機EL部門を統合して、産業革新機構、ジャパンディスプレイが出資してできた会社で、「印刷法」による有機ELディスプレイの製造を目指しています。印刷法による有機EL製造の実用化に成功して量産に向けた実証プラントの稼働を計画しており、18年中の量産を目指しています。動向が注目されるでしょう。

尚、JOLEDに出資するジャパンディスプレイは、独自に蒸着法による有機ELディスプレイ製造を進めています。JOLEDへの出資は、ヘッジ的な意味合いもあるようです。

2

主要関連銘柄のご紹介

市場:韓国(KOSPI)

決算期

売上高(10億ウォン)

(前年比)

純利益(10億ウォン)

(前年比)

EPS(ウォン)

16.12予

206,701

3%

23,012

41%

154,891

17.12予

213,420

3%

24,884

8%

169,409

株価(9/6):1,643,000ウォン

予想PER(16.12期):10.6倍

  • 電子機器・電気製品の世界的メーカーです。 15年の売上構成比は、IT&モバイル・コミュニケーション部門(スマホ、コンピュータ、デジカメなど)46%、コンシューマー・エレクトロニクス部門(テレビ、モニター、プリンター、エアコンなど)21%、デバイス・ソリューション部門(半導体、LED、OLEDなど)33%です。
  • 同社業績は売上・利益とも13年12月期をピークに14年、15年と停滞しましたが、今期はスマホ販売の回復で増益が見込まれています。16年4-6月期決算は売上が前年同期比5%増、営業利益が同18%増と好調です。下期はスマホ販売の伸びは鈍化するものの、デバイス・ソリューション部門の利益改善が見込まれています。
  • 有機ELディスプレイはスマホのキーデバイスとして重要性が高まると予想され、ほぼ独占的に供給する同社はこれをテコに中期的に収益を伸ばすと期待できます。爆発事故で回収する「ギャラクシー ノート7」は打撃ですが、アップルの業績が減収・減益となる中グローバル投資家がアップルからの乗り換え対象としている可能性があり、足元の株式需給は良好と見られます。予想PERは10倍台に過ぎず、上値余地は大きいと考えられます。

市場:米国(NASDAQ)

決算期

売上高(百万ドル)

(前年比)

純利益(百万ドル)

(前年比)

EPS(ドル)

16.12予

197

3%

42.4

189%

0.87

17.12予

258

31%

66.3

56%

1.31

株価(9/6):57.66ドル

予想PER(16.12期):66.3倍

  • 94年に設立された有機ELディスプレイおよび照明の技術開発と材料の提供を行う研究開発型の企業です。プリンストン大学、南カリフォルニア大学、ミシガン大学等と協力関係にあり、有機EL関連で4,200件超の特許を保有しています。売上の59%が有機EL材料(りん光材料)の販売、41%がライセンス・フィーおよびロイヤルティからなります。
  • 15年の売上191百万ドルのうち、67%がサムスン電子、25%がLGディスプレイからと推定されます。サムスン電子とは01年から協働を始め、LGディスプレイとは15年にライセンス契約を開始しています。これら2社を含む日本、台湾などの約30社とライセンス契約を保有しています。有機EL市場で有力な韓国2社の後背で技術をサポートする有機EL関連のど真ん中の銘柄として注目できるでしょう。
  • 8/4の4-6月期決算発表で、16年12月期の売上ガイダンスが従来の220百万ドル(前年比15%増)を中心としたレンジから190-200百万ドルのレンジに下方修正されました。CFOはこれについて、「長期の成長見通しは引き続き強いと考えているが、足元の売上は半年程度あとずれしそうだ。17年は業界の生産キャパシティ拡大を受けて高い売上成長を見込んでいる。」としています。4-6月期の売上は11%増、営業利益は21%増(前年同期の在庫除却損を除いたベース)でした。

市場:米国(NASDAQ)

決算期

売上高(百万ドル)

(前年比)

純利益(百万ドル)

(前年比)

EPS(ドル)

16.10予

10,842

12%

1,929

34%

1.75

17.10予

12,223

13%

2,438

26%

2.23

株価(9/6):29.98ドル

予想PER(17.10期):13.4倍

  • 半導体製造装置の世界シェア20%を有する最大手で、フラットパネルディスプレイ向けも手掛けます。
  • 有機EL向けが牽引して、2-4月期のディスプレイ製造装置受注は前年同期比5.8倍(1.2億ドル→7.0億ドル)、5-7月期は同2.5倍(3.2億ドル→8.0億ドル)と急増しています。サムスン電子による設備投資の恩恵を受けていると見られ、同社は有機EL向けの高水準の受注は16年中継続する見込みとしています。
  • 5-7月期決算は、売上が前年同期比13%増、純利益は同53%増、受注は有機ELだけでなく3次元NANDフラッシュメモリ向けに半導体製造装置も回復基調で前年同期比26%増と好調です。8-10月期のガイダンスは、売上が前年同期比37%-42%増相当、調整後EPSは前年同期比2.2−2.4倍相当の0.61-0.69ドルと5-7月期から大幅な加速が見込まれています。

市場:韓国(KOSPI)

決算期

売上高(10億ウォン)

(前年比)

純利益(10億ウォン)

(前年比)

EPS(ウォン)

16.12予

25,384

-11%

486

-50%

1,340

17.12予

25,952

2%

880

81%

2,444

株価(9/6):30,800ウォン

予想PER(16.12期):23.0倍

  • 韓国のLGエレクトロニクスを親会社(株式の38%を保有)とするディスプレイメーカーで、TFT-LCD(液晶)ディスプレイを主力に、有機ELディスプレイも手掛けます。15年の大型TFT-LCDディスプレイ市場で23.8%のトップシェアを保持しています。
  • 同社のディスプレイ事業はテレビやモニターなど大型パネルを主力としていることから、有機EL事業でもテレビ向けの大型パネルを製品化しています。RBG3色を積層して白色発光させる「白色蒸着」を使用し(このため、カラーフィルターを用います)、サムソン電子が行っているRBG3色をマスクを使って個別に蒸着させる「3色蒸着」とは異なる技術によります。いまのところ液晶テレビとの価格差が大きく、本格的に拡大するには至っておらず、今後に期待と言えるでしょう。
  • 16年12月期業績は液晶パネル価格が16年1-3月期に大きく下落した影響を受けて、大幅な減収・減益が見込まれています。新興国の需要減速に中国メーカーの増産で供給過剰に陥ったことが要因と見られます。4-6月期は液晶パネルの平均単価が前年同期比19%減となり、純利益は小幅ながら赤字に転落しています。

市場:日本(東証)

決算期

売上高(10億円)

(前年比)

純利益(10億円)

(前年比)

EPS(円)

17.3予

3,145

-12%

52.0

黒字転換

320

18.3予

3,246

3%

59.5

14%

362

株価(9/6):1,932 円

予想PER(16.12期):6.0倍

  • 民族系の石油元売り大手です。昭和シェル石油(5002)と17年4月までの経営統合に合意していますが、大株主である創業家の反対で不透明になっています。
  • 有機EL事業を含む電子材料事業の売上は16年3月期に150億円程度ですが、過去3年で3倍以上に増加と成長しています。営業利益では電子材料事業を含むその他部門は88億円で、構成比は在庫変動の影響を除いた営業利益1,025億円に対して8.5%となっています。同社は独自特許を保有する青色発光材料に強く、これまでLGディスプレイとの関係が中心でしたが、15年よりサムスン電子にも供給を始めています。
  • 17年3月期は石油製品価格の下落見通しから減収ですが、在庫評価損の剥落などで利益は回復します。有機EL事業の成長に注目する観点からは、独立が維持されたほうが利益構成比が維持されて望ましいとの見方もあるでしょう。
  • ※会社資料、BloombergデータをもとにSBI証券が作成

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