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2024-03-29 06:37:17

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不安定な米株式市場、しかし、成長企業への投資を始めるにはチャンス!?

2018/11/14
投資情報部 榮 聡

米国株式市場は企業業績に対する懸念から不安定な状態が続いています。ただ、19年12月期の業績予想は下方修正されたとはいえまだ9%の増益が予想され、世界の成長率も3%台後半が維持される見込みです。株価の調整が一巡すれば、再び上昇基調を取り戻す可能性が高いでしょう。そこで、今回は7-9月期に好決算を発表した成長企業をご紹介いたします。

図表1:注目銘柄

銘柄 株価(11/13) 52週高値 52週安値
イルミナ(ILMN) 311.18ドル 372.61ドル 203.83ドル
ザイリンクス(XLNX) 83.56ドル 88.20ドル 62.27ドル
アリスタ ネットワークス(ANET) 236.36ドル 313.37ドル 206.86ドル
アンシス(ANSS) 159.27ドル 190.45ドル 140.78ドル
SVBファイナンシャル グループ(SIVB) 242.66ドル 333.74ドル 204.79ドル
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
1

7-9月期実績は好調も、19年12月期予想は下方修正

先週までにほぼ発表が終了した7-9月期決算の実績は好調でした。S&P500指数採用企業のうち11/12(月)までに決算発表を終えた451社の集計で、売上は前年同期比8.4%増、EPSは同26.8%増、それぞれ市場予想に対して0.8%、6.7%上回っています。

ただ、幅広い産業景気を反映するため相場の「指標銘柄」と考えられているスリーエム、テキサスインスツルメンツの決算が不振となったほか、フェイスブック、アルファベット、アマゾンドットコムのインターネット大手の売上がいずれも市場予想を1%下回ったことから、先行きに関して警戒感が高まっていると見られます。

このような背景から、18年度(18年12月期)の予想EPSは上方修正された一方、19年度(19年12月期)の予想EPSは下方修正となっています。

図表2はFactSet社の公表資料をもとに、19年度の予想EPSが9/30(日)から11/9(金)にかけてどの程度修正されたかを調べたものです。18年度予想が修正された影響を避けるため、19年度の予想EPSが17年度実績に対して何%に到達するかを計算し、これを9/30(日)時点と11/9(金)時点で比較しています。

S&P500指数全体では、19年度の予想EPS水準は0.7%下方修正され、19年度の前年度比増益率は10.3%から9.2%に1.1%ポイントの下方修正となっています。

業種別には、「素材」の-4.6%、「資本財・サービス」の-2.6%など景気への感応度が高い業種の下方修正が大きいほか、「通信サービス」が-2.7%と比較的大きくなっているのは、フェイスブック、アルファベットなどインターネット大手が7-9月期決算で売上が予想をショートした影響が出ているとみられます。

一方、上方修正となっているのは、原油価格の上昇が効いたと見られる「エネルギー」のほかは、「公益事業」「ヘルスケア」などディフェンシブ性が高い業種です。

いまのところ全体としては大幅な下方修正になってはいませんが、企業業績の転換点になる可能性があるとして、株式市場の警戒感が高まっていると見られます。

図表2:19年度(19年12月期)予想EPSの修正状況

9/30(日)時点

11/9(金)時点

比較

18年度
増益率
(%)

19年度
増益率
(%)

19年度
/17年度
(%)
A

18年度
増益率
(%)

19年度
増益率
(%)

19年度
/17年度
(%)
B

19年度
予想EPS
修正率
(%)
A→B

S&P500

20.0

10.3

132.4

20.6

9.2

131.7

-0.7

エネルギー

104.3

26.5

258.4

109.8

27.2

266.9

8.4

素材

33.7

7.0

143.1

30.1

6.4

138.4

-4.6

資本財・サービス

17.4

12.5

132.1

16.4

11.2

129.4

-2.6

一般消費財・サービス

15.8

12.9

130.7

17.4

10.4

129.6

-1.1

生活必需品

9.0

5.5

115.0

8.8

4.8

114.0

-1.0

ヘルスケア

12.6

8.3

121.9

13.7

7.3

122.0

0.1

金融

25.6

9.7

137.8

25.6

9.5

137.5

-0.3

情報技術

16.4

9.7

127.7

16.8

8.3

126.5

-1.2

通信サービス

20.5

10.6

133.3

22.3

6.8

130.6

-2.7

公益事業

11.7

4.4

116.6

12.1

4.6

117.3

0.6

不動産

8.1

5.8

114.4

8.0

4.4

112.8

-1.6

  • ※FactSet社の公表資料をもとにSBI証券が作成
2

予想EPSは頭打ちだが、予想PERも下がった

さて、7-9月期決算の発表を経て19年度の予想EPSが下方修正されたことは、米国株式に対してどのようなインパクトをもつでしょうか?考えてみましょう。

図表3は、S&P500指数の19年度の予想EPSと、これに基づいて計算された予想PERの推移です。予想EPSは18年を通じて上方修正されてきたことがわかります。

年初は法人税減税の効果が予想EPSに織り込まれる過程で急激に上昇、その後も減税による消費の盛り上がりや設備投資の増加が実体経済に効果を現すに従って上昇を続けました。

一方、10月初旬をピークに頭打ちとなっていますが、これが7-9月期決算発表の影響です。上方修正が続いてきた米国企業の業績が「曲がり角」に差し掛かっている可能性が取りざたされています。

ただ、業績の修正以上に株価が大幅に下落したため、予想PERも大きく低下しています。スリーエム、テキサスインスツルメンツの決算が発表された10/24(水)に14.8倍、インターネット大手の決算が反映された10/29(月)に14.7倍まで低下、その後反発して現在は15倍台に戻っています。

予想PERが15倍台というのは過去の推移から考えて相当低い水準で、米中貿易摩擦の行方、中国経済の減速懸念など、かなりのリスクが意識されている結果と考えられます。

しかし、下方修正されたとは言え減益までにはまだマージンがありますし、世界経済の成長率も鈍化したとは言え3%台後半が見込まれていますので、弱気相場に転じると考えるのは時期尚早と見られます。

株価の調整が一巡すれば、再び上昇基調に戻ると期待できますし、上記のリスク要因が緩和に向かえば大幅高の可能性もあるでしょう。ですから、業績が好調な成長企業については、投資のチャンスとなっている可能性が高いと見られます。

そこでS&P500指数の採用企業について以下の条件でスクリーニングを行い、注目できそうな銘柄をピックアップしています。

(1)7-9月期決算の売上が予想を2%以上、EPSが予想を10%以上上回った
(2)7-9月期決算が前年同期比増収増益
(3)通期の予想EPSが過去3ヵ月間に上方修正された
(4)アナリストの目標株価平均が現在値よりも上

抽出された銘柄のうち、時価総額が大きいマイクロソフト、インテル、ロッキードマーチンなどは決算速報や「アメリカNOW」でご報告してきましたので、今回は赤字でハイライトした2番手銘柄を中心に、次節でご紹介いたします。

図表3:S&P500指数の予想EPS(19年度)と予想PER

  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

図表4:7-9月期決算の好調銘柄をスクリーニング

コード

銘柄

7-9月期
売上
乖離率(%)

7-9月期
EPS
乖離率
(%)

7-9月期
売上
成長率
(%)

7-9月期
EPS
成長率
(%)

通期
EPS
修正率
(3ヵ月)
(%)

来期
予想売上
増加率
(%)

来期
予想EPS
増加率
(%)

目標株価乖離率
(%)

MSFT

マイクロソフト

4.2

18.1

18.5

34.8

3.5

10.6

13.3

14.7

INTC

インテル

5.7

21.5

18.7

38.6

8.4

3.1

0.7

13.3

LMT

ロッキード・マーチン

9.5

19.1

17.7

58.6

2.7

5.9

12.0

19.0

GS

ゴールドマン・サックス・グループ

3.5

16.8

3.8

25.2

1.7

1.6

1.7

24.6

MS

モルガン・スタンレー

3.3

15.5

7.3

33.2

1.6

1.9

4.9

27.8

CSX

CSX

2.4

10.8

14.1

105.9

6.5

3.7

10.7

14.7

CI

シグナ

2.1

11.6

11.5

35.7

3.1

6.3

8.9

9.4

ILMN

イルミナ

3.0

20.7

19.5

36.9

6.0

14.1

10.5

7.7

TRV

トラベラーズ

2.1

12.4

5.4

179.1

0.2

4.6

14.7

5.3

XLNX

ザイリンクス

5.0

10.7

20.5

29.2

1.2

8.5

6.6

0.5

EIX

エジソン・インターナショナル

20.6

19.1

16.3

8.3

1.1

3.2

9.3

18.9

ANET

アリスタネットワークス

2.7

15.0

28.7

30.3

5.4

22.7

14.5

20.1

ANSS

アンシス

4.1

28.9

5.9

24.8

6.5

10.1

6.6

10.4

SIVB

SVBファイナンシャル・グループ

4.9

14.7

32.4

84.4

3.2

15.6

13.3

27.4

CDNS

ケイデンス・デザイン・システムズ

3.1

19.1

9.7

40.0

8.1

6.3

6.4

9.8

EXPD

エクスペディターズInt’lオブワシントン

2.9

16.7

16.0

39.1

1.8

6.3

4.8

0.6

  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
2

決算好調の注目成長企業はコレ!?

業種:半導体

決算期

売上高(百万ドル)

(前年比)

純利益(百万ドル)

(前年比)

EPS(ドル)

18.3

2,539

8%

536

-14%

2.08

19.3予

2,966

17%

898

68%

3.50

20.3予

3,219

9%

975

9%

3.73

株価(11/12):82.33ドル

予想PER(19.3期):23.5倍

【5G(第5世代移動通信システム)関連として注目できる】

  • FPGAと呼ばれる種類の半導体の世界最大手です。FPGAはfield-programmable gate arrayの略で、計算ロジックが固まっている部分は回路に作り込み、変化する可能性のある部分を「プログラマブル」にして残したもので、CPUとASICの中間的な性質をもちます。「エヌビディア株の保有者が知っておきたいこと」もご参照ください。
  • 同社の四半期売上の前年同期比伸び率は10%以下で推移していましたが、18年4-6月期に同14%増、7-9月期に同19%増、10-12月期の予想が同23%増と、ここにきて加速しています。7-9月期の売上は、通信向けが同33%増、データセンター向けが同28%増、自動車、放送、消費者向けが同17%増となって、産業、航空、防衛向けの同5%減をカバーしています。通信向けは5G(第5世代移動通信システム)の展開、データセンターは新製品の投入が背景となっているため、好調は継続する可能性が高そうです。
  • 7-9月期決算は売上が前年同期比19%増、EPSが同30%増と好調で、19年6月期の売上ガイダンスは、当初見通しから4%引き上げられました。売上の伸び率が低下しつつある、半導体市場全体の動きと傾向が異なっており、注目できるでしょう。

業種:ヘルスケア機器

決算期

売上高(百万ドル)

(前年比)

純利益(百万ドル)

(前年比)

EPS(ドル)

17.12

2,752

15%

618.0

29%

4.19

18.12予

3,324

21%

860.3

39%

5.75

19.12予

3,793

14%

957.3

11%

6.35

株価(11/12):310.39ドル

予想PER(19.12期):48.8倍

【遺伝子解析装置の使用が広がっている】

  • 1998年創業の遺伝子解析装置(シーケンサ)を主力事業とする米国企業です。世界中のさまざまな学術機関、政府機関、製薬企業、バイオテクノロジー企業などを顧客とし、シーケンサの世界シェアは7割に達すると言われます。17年12月期の売上構成比は「消耗品」が64%、「サービス」その他が17%を占め、変動が大きい「機器」は19%まで低下して、安定性を増しています。
  • 7-9月期決算は、病気治療への遺伝情報利用の広がりに加え、新製品(「iSeq」)の需要好調で売上は前年同期比20%増、EPSは同37%増、市場予想に対してそれぞれ3%、21%上回りました。利益の増加率が高いのは、粗利率の向上に加え、売上に対する研究開発費、販売管理費比率が低下していることによります。
  • 業績の好調を受けて18年12月期のガイダンスは、売上が維持されたものの、EPSは5.35〜5.45ドルから5.70〜5.75ドルに引き上げられています。

業種:通信機器

決算期

売上高(百万ドル)

(前年比)

純利益(百万ドル)

(前年比)

EPS(ドル)

17.12

1,646

46%

501

150%

6.35

18.12予

2,147

30%

631

26%

7.74

19.12予

2,634

23%

739

17%

8.86

株価(11/12):236.62ドル

予想PER(19.12期):26.7倍

【クラウドネットワーク向けスイッチのリーダー】

  • 2004年にサンマイクロシステムズの創業者の1人などが創業した米国のネットワーク機器メーカーです。クラウドサービスプロバイダーや大規模インターネット企業向けにイーサネットスイッチや、クラウドネットワークプラットフォーム、エクステンシブル・オペレーティング・システム(EOS)およびネットワークアプリケーションを提供します。18年8月にS&P500指数に新規採用された成長企業です。
  • 同社の独自技術であるEOSは、高度にモジュール化したソフトウェア設計によってネットワーキングの状態と処理本体を完全に分離し、システムの状態に影響を及ぼすことなく、障害復旧やソフトウェアの更新をプロセス単位できめ細かく実行可能とすることが特徴です。企業のITシステムでクラウド化が進む中、パブリッククラウド、プライベートクラウド、ハイブリッドクラウドをシームレスに繋ぐことができるスイッチ市場でリーダーの地位を獲得しています。
  • 7-9月期決算は、売上が前年同期比29%増、EPSが同30%増で、それぞれ市場予想を3%、15%上回って好調が持続しています。

業種:ソフトウェア

決算期

売上高(百万ドル)

(前年比)

純利益(百万ドル)

(前年比)

EPS(ドル)

17.12

1,098

11%

285

6%

3.28

18.12予

1,245

13%

448

57%

5.31

19.12予

1,370

10%

473

6%

5.64

株価(11/12):159.09ドル

予想PER(19.12期):28.2倍

【産業向けシミュレーションソフトウェアで最大】

  • 米国のピッツバーグに本社を置く、CAE(コンピュータ支援設計)ソフトウェア開発会社です。構造、流体、電磁界、半導体電力、オプティカルなど物理現象を解析できる総合CAEソフトウェアの「アンシス」を擁し、産業向けシミュレーションソフトウェアの分野では世界最大手で4万5千社を顧客としています。国別売上の上位は、米国38%、日本12%、ドイツ10%、韓国6%、フランス6%などです(17年12月期)。
  • 売上の約2割を新規投資や研究開発に投じて継続的に製品の改善に努めることにより顧客企業の信頼を獲得しています。半導体、航空機、自動車など様々な革新によって構造的な成長が期待される産業を顧客とし、また、米国ではIT投資が活発化すると期待されることから、2020年まで毎年2桁の売上成長を目指すとの会社目標は達成可能と考えられます。
  • 7-9月期決算は、市場予想を上回る好調となっています。自動運転車やIoTなどの分野で製品開発が活発化していることが好業績の背景にあると見られます。

業種:銀行

決算期

売上高(百万ドル)

(前年比)

純利益(百万ドル)

(前年比)

EPS(ドル)

17.12

1,978

23%

510

33%

9.57

18.12予

2,648

34%

961

88%

17.82

19.12予

3,060

16%

1,103

15%

20.18

株価(11/12):240.97ドル

予想PER(19.12期):11.9倍

【シリコンバレーのテクノロジー企業に多く融資する銀行】

  • 本社をカリフォルニア州サンタクララに構える米国の銀行・金融サービス持株会社で、SVBはSilicon Valley Bankの頭文字です。テクノロジーとライフサイエンスのニッチ市場の新興・中規模成長企業向けに、商業銀行サービスを提供、3万のスタートアップ企業に出資しています。
  • 18年9月末の資産構成は、総資産581億ドルのうち貸出が272億ドルで47%、債券などへの投資が258億ドルで44%を占めて、通常の商業銀行と大きくは変わりません。ワラントや株式などへの投資額は9億ドルと1.5%を占めます。スタートアップ企業への融資比率が高いことから、純利息マージンは3.21%とJPモルガンチェースの2.34%、バンクオブアメリカの2.56%よりも高くなっています。
  • 予想PERは来期予想ベースで、JPモルガンチェースの10.0倍、バンクオブアメリカの9.6倍を上回りますが、成長の違いが十分に反映されていない可能性がありそうです。
  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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