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ウーバー、リフトの上場で注目の「配車サービス」業界

2019/3/20
投資情報部 榮 聡

米国市場でリフト上場の日程が決まり、来月にはウーバーの上場も観測されています。「配車サービス」の上場はスマホの普及を背景としたインターネット株の新たなカテゴリーの誕生と捉えることができ、株式市場の注目も非常に高くなっています。世界的大手の比較、インターネットサービスの中での位置付け、「配車サービス」の実際をご紹介いたします。

図表1:関連企業

銘柄 株価(2/19) 52週高値 52週安値
リフト(LYFT)
アルファベット A(GOOGL) 1188.55ドル 1291.44ドル 977.66ドル
フェイスブック A(FB) 160.47ドル 218.62ドル 123.02ドル
アマゾン ドットコム(AMZN) 1742.15ドル 2050.50ドル 1307.00ドル
ネットフリックス(NFLX) 363.44ドル 423.21ドル 231.23ドル
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

1リフト、ウーバーの上場で注目の「配車サービス」業界

米国の「配車サービス」でナンバー2のリフト(LYFT)が、3/1(金)に上場申請、3/18(月)に募集を開始、3/29(金)に上場見込みとなっています。また、最大手のウーバーも4月中の上場を目指すとの観測があり、大手2社の相次ぐ上場で「配車サービス」業界への注目が高まっています。

世界には「配車サービス」の大手と言われる会社が5社あり、これらを比較したものが図表2になります。先行して市場ができた米国に2社、インターネットの世界ではグローバル市場と別市場ができることが多い中国に1社、インドに1社、東南アジアに1社となっています。

売上や稼動規模は大きく異なっていますが、各地域でそれぞれトップ級の市場シェアを保持する企業で、いずれも今後の高成長が期待されています。

これらを眺めて気付くのが、主要株主に関してリフトの大手株主が楽天で、その他大手の筆頭株主がソフトバンクグループとなっていることです。

「配車サービス」業界を舞台に、ソフトバンクグループと楽天が対立する構図となっています。「配車サービス」に日本の大手企業はありませんが、資金を供給した株主としては業界に深く関わっていると言えるでしょう。

また、その対立の構図は、事業戦略にも表れています。リフトは事業展開を米国・カナダに集中し、「人の移動」以外の事業には進出していません。一方、ウーバーは、早くから幅広い国際展開を行ったほか、同じ運輸としてシナジー効果が考えられる食事宅配の「UberEats」へ展開し、ソフトバンクグループが株主となっている他の企業も「人の移動」に集中していないことに鋭い対照が見られます。

このような事業戦略の違いが株式市場でどのように評価されるか、非常に興味深いものがあります。両社とも黒字化していないため、PSR(株価売上高比率、時価総額÷売上高)での比較になると見込まれますが、PSRが高く評価されるのはどちらになるのか注目されます。

図表2:世界の「配車サービス」大手

  • ※会社資料、各種報道をもとにSBI証券が作成

2インターネットサービスの新カテゴリーの誕生

配車サービスは、株式市場ではインターネットサービスの新カテゴリーの誕生と捉えられます。

他のカテゴリーよりも遅れて出てきたのは、「配車サービス」には外出先でもネット接続が可能なスマホの普及が必須だったことが要因とみられます。ウーバーのサービス開始は、米国でスマホの普及率が4分の1を超えた2010年であり、その他の大手のサービス開始が普及率5割を超えた2012年でした。

インターネットサービスの主なカテゴリーとしては、これまで「ネット検索」、「SNS(ソーシャルネットワークサービス)」、「ネット通販」、「インターネットTV」があり、それぞれグローバルのトップ企業は、アルファベット、フェイスブック、アマゾンドットコム、ネットフリックスで、米株式市場ではFANGとして最も注目度が高い銘柄群となってきました。

最近は個人情報の利用に関してフェイスブックやアルファベットに対する規制の強化が懸念されて、業績の先行きに不透明感が出ています。しかし、これまで高成長を遂げ、今後も成長力を秘め、インターネットを舞台に成長できる企業はこれからも注目されます。

新カテゴリーの「配車サービス」の位置付けは、モノやサービスを販売するという意味では、「ネット通販」や「インターネットTV」などに近く、個人情報を利用して商売する「SNS」や「ネット検索」に比べて規制リスクは低いと言えるでしょう。

また、顧客とのやり取りがほぼコンピュータのネットワークの中で完結する「ネット検索」「SNS」、物流倉庫という実物資産を所有する必要がある「ネット通販」に比べると、中間的な性格と言えます。

車を所有するわけではなく、運転手を雇用するわけでもないので、実物資産の所有という面では前者に似ています。しかし、物理的に車や人を動かすサービスだという意味では後者に近い性格があるとも言えます。

リフトの上場目論見書によると、米国の消費者は年間1.2兆ドル(約130兆円)を人の移動(personal transportation)に費やし、家計当たりでは年間9,500ドル(約100万円)と、「人の移動」に関わる市場は巨大です。

「配車サービス」は車の所有から「サービスとしての移動」(Transportation-as-a-Service)への社会的な変化をリードして、この巨大な市場のいくらかを取り込むことによって成長しようとしています。巨大な事業機会があると考えられています。

ウォールストリートジャーナル紙によると、リフトの上場時の時価総額は210〜230億ドル(約2.3〜2.5兆円)に達すると見込まれています。ウーバーの売上はリフトの5倍の規模であるため、時価総額は10兆円を超える可能性もありそうです。

図表4は、世界のインターネットサービス企業の時価総額を大きい順に並べたものです。ウーバーの時価総額が10兆円を超えると、この一角に入ってくることになります。

図表3:米国でのスマートフォンの普及率と「配車サービス」の開始

  • ※各種資料をもとにSBI証券が作成

図表4:インターネットサービス大手の時価総額

  • 注:3/15(金)時点です。テンセントは、1ドル=7.8499香港ドルでドル換算しています。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

3「配車サービス」の実際

「配車サービス」といっても、日本ではさほど一般的となっていないため、実感がわかないという方も多いでしょう。そこで、世界で普及しているサービスがどのようなものかご説明いたします。

〇「配車サービス」の実際
世界で事業展開し、日本でもサービスを行っているウーバーを例にとります。

(1)ウーバーのサービスを利用するには、まず、スマホにアプリの「Uber」をダウンロードして、電話番号、名前、メールアドレスを入力して登録する必要があります。支払い方法はクレジットカードほかが選べます。

(2)利用したいときにはスマホでUberのアプリを立ち上げます。「行き先は?」と聞かれますので、行き先を入力します。「UberX」、「UberBlack」などクラス別の料金のレンジが表示されますので、クラスを選びます(図表5)。そうすると近くにいる車が表示されてマッチングされます。

(3)配車を待って到着した車を確認して乗り込みます。運転手には行き先が知らされているので、あとは乗車して目的で降ろしてもらうだけです。支払いは登録したクレジットカードで自動的に決済されます。

(4)最後に運転手の評価とチップを支払うかどうかを指定します。チップもクレジットカードから支払うことができます。

従来のように流しているタクシーをつかまえたり、タクシー会社に電話して呼ぶ場合に比べて、スマホで逐次状況が把握できてストレスが少なく利用できるサービスだと考えられます。

筆者の個人的な経験では、2年前にベトナムのハノイに旅行したときですが、現地の方と一緒に移動するときにウーバー(現在はGrabCabに買収されています)で連れて行ってもらった経験があります。

ハノイの中心部に近く交通量が多いところとはいえ、スマホをタップして車が到着するまで1分もかからなかったと思います。迎えにきたのは帰宅途中の普通の会社員で、目的地に着くまでいい感じで世間話をしていました(ベトナム語なので、何を話していたかはわかりませんが)。

料金はタクシーを拾ったときの7割くらいで、車自体も普通のタクシーに比べて清潔で、非常に便利なサービスであると感じました。ネットにあがっている米国でUberを利用した体験談も便利で、かつ、普通のタクシーを拾うよりも快適で安全だという意見が多いようです。

〇日本ではなぜ広がらないか
世界的に利用が広がっている「配車サービス」ですが、日本ではあまり一般的になっていません。なぜなのでしょうか?

ウーバーは日本でも2014年からサービスを行っていますが、日本では営利目的で人を運ぶ場合には二種免許が必要で、これを保有しないと「白タク」(違法タクシー)になってしまいます。世界でウーバーが広がる要因となっている、一般の車所有者がドライバーとして登録することができず、日本でのサービスはプロのドライバーによる「UberBlack」のみのサービスとなっています。

これでは、一般的なタクシー会社が運営するサービスと違いはなく、決定的な競争力につながらないと考えられます。サービスの普及には、一般の車所有者も参加できるような規制緩和が必要と考えられます。

また、もう一つの要因として、日本のタクシーのサービスレベルがグローバル標準に比べて高いことも考えられます。米国で急速に普及したのは、従来のタクシー運転手に移民が多くて英語が通じなかったり、車両が清潔感に欠けるなどの不満があったと言われています。

ちなみに、図表6は筆者のスマホでUberを立ち上げて、六本木一丁目付近の画面をスクリーンショットしたものです。車のアイコンは、サービスに登録している車の位置を示しています。六本木一丁目付近に4台の登録車が表示されていますので、東京の都心部では使えるサービスになっているようです。

図表5:ウーバーの主なサービスラインアップ(米国でのサービス)

UberX

最もベーシックなサービス。利用者が最も多い。

UberPool

相乗りサービス。安価だが時間がかかる。

UberXL

5〜6人までの乗車が可能。

UberBlack

黒塗りの高級車。運転手は二種免許をもつ。

UberLUX

UberBlackの上位版。最高級車が来る。

  • ※会社資料をもとにSBI証券が作成

図表6:ウーバー画面のスクリーンショット(六本木一丁目付近、3/18(月)14時30分)

  • ※筆者のスマホのスクリーンショットより
  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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