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米国では大麻も投資対象に!?市場で注目を集める「大麻関連銘柄」とは?

2019/4/17
投資情報部 榮 聡

米国市場では主に医療用途ではありますが、大麻を栽培する企業が上場して投資対象となっています。娯楽用に使ってよい州もあり、大麻に関わるビジネスの成長性が市場で注目を集めています。そこで今回は大麻関連企業をご紹介いたします。

図表1:主な大麻関連企業

銘柄 株価(4/16) 52週高値 52週安値
キャノピー グロース コーポレーション(CGC) 41.68ドル 59.25ドル 20.99ドル
クロノス グループ(CRON) 15.79ドル 25.10ドル 5.50ドル
ティルレイ 2(TLRY) 50.16ドル 300.00ドル 20.10ドル
コンステレーション ブランズ A(STZ) 190.01ドル 236.62ドル 150.37ドル
スコッツ ミラクルグロー(SMG) 83.16ドル 91.81ドル 57.96ドル
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

1米国市場では大麻も投資対象に!?

日本で「大麻」「「マリファナ」と言えば、これに関わった著名人の逮捕が大々的に報道され、一夜にして社会的地位も失いかねない恐ろしい禁止薬物のイメージではないでしょうか。一般の方々が目にする機会もほとんどないと言えるでしょう。

しかし、世界的に見ると「大麻」に対する「馴染み」や「寛容度」は国によって様々です。驚くべきことに米国株式市場では主に医療用ではありますが大麻を栽培している企業が上場しており、しかも市場の注目も高まっているようです。

筆者が日頃チェックしている、CNBC(英語サイト)、ヤフー!ファイナンス(米国版)、ロイター(日本サイト)などでも、最近は大麻株に関する記事をよく見かけます。そこで、今回は大麻関連銘柄についてご紹介いたします。

現在、米国で大麻関連の企業に注目が高まっている背景は、以下の3点です。

[1] 大麻関連投資の調査会社によると、合法大麻の市場は2017年実績の95億ドルから2022年には320億ドルに増える見通しで、この間の年平均成長率は27.5%に達します(図表2)。

[2] 米国に隣接するカナダでは2018年10月18日に大麻を娯楽用にも合法化しました。合法化でアンダーグラウンドに流れる資金を絶つことが目的で、大麻の使用を奨励しているわけではありません。しかし、大麻に対する需要が増えると期待されています。

[3] 米国においては、連邦法の下では違法ドラッグとして使用が禁止されています。しかし、州ベースでは、医療目的で合法とするところが33州、娯楽用にも使用を認めている州が10あり、合法化する州が増える傾向にあります。

このような背景から、大麻は成長市場の一つと考えられ、株式市場でも注目されています。このような動きを受けて、かねてより米国の「店頭市場」で取引されてきた企業が情報開示規制がより厳しい「取引所」に上場してくるケースが増えて、一般的な投資家にも手が届く投資対象になっています。

当社が取り扱っているクロノス グループ(CRON)は18年4/16(月)にナスダック市場に上場、キャノピー グロース コーポレーション(CGC)は18年5/24(木)にNY市場に上場しています。また、18年7/19(木)には、ティルレイ 2(TLRY)がナスダック市場に新規上場しています。

これら銘柄の株価はカナダが娯楽用に大麻を合法化した18年10/17(水)前後に向けて盛り上がったものの、その後は全般相場の下落とともに調整、年末より持ち直すという動きとなっています(図表3)。上場後の株価上昇が著しかったティルレイ2は一貫してジリ安が続いています。

大麻関連のビジネスには規制の不透明感があるため、期待の高まりと失望が繰り返し起こっており、株価の変動が高い状態が続きそうです。ただ、中長期には成長が見込まれる市場として注目を集めていますので、目を配っておく価値はありそうです。

図表2:成長市場と考えられている合法大麻の市場

  • ※Active Market Research/BDS Analyticsの公表資料をもとにSBI証券が作成

図表3:当社が取り扱う大麻関連企業の株価

  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

2そもそも大麻とは?医療用大麻とは?

そもそも「大麻(英語では、Cannabis、カンナビス)」は、アサ科の植物、大麻草のことであり、日本にも広く自生する植物です。

麻薬として使用する場合には、この葉や花穂などを乾燥させたり、樹脂化したりしたものを吸引します。「マリファナ」は葉を乾燥してタバコのようにして吸煙するもので、樹脂化したものは「ハシシ」と呼ばれています。

大麻に含まれる「有効成分」は、テトラヒドロカンナビノール(THC)と呼ばれる物質で、これが脳にあるカンナビノイド受容体に結合することで、幻覚作用や多幸感をもたらします。

日本では「大麻取締法」で大麻の所持、栽培、譲渡などが厳しく規制されています。国際的にも、国連の「麻薬に関する単一条約」によって規制薬物とされ、最近まで大麻は世界中のほぼすべての国で違法薬物でした。

しかし、2013年にウルグアイが世界で初めて大麻を合法化しました。大麻を合法化することでブラックマーケットを解体し、犯罪組織の弱体化を狙ったものです。これに次いで、米国のいくつかの州も大麻の合法化に踏み切り、昨年10月にはカナダが合法化しています。

これらの地域では、医療用に限らず娯楽用でも使用できます。米国では大麻を日常的に利用する人が既に400万人(全人口の約1.2%)いるとされ、ビジネスとしての期待が高まっています。

しかし、連邦法では非合法で事業は合法化された州内に限って許可されるため、いまのところ州を跨いで事業を行えず、一気に事業を拡大するこは難しくなっています。

一方、医療大麻(Medical Cannabis)は、大麻に含有される天然のカンナビノイド成分や、それらに類似した構造を持つ合成カンナビノイドを利用した生薬療法です。

「害」よりも「益」が大きいと考えられる場面において大麻を積極的に利用しようとするもので、現在上場している大麻関連企業のほとんどがこの分野の売上から成ります。

米国では、腰痛、消耗症候群、慢性痛、末期エイズ患者の食欲増進、ガンの化学療法に伴う吐き気の緩和などのために処方されています。モルヒネなどのオピオイド系鎮痛薬に十分な効果が見られない疼痛に対して大麻が有効とされています。

現在、米国の33州、カナダ、イスラエル、ベルギー、オーストリア、オランダ、英国、スペイン、フィンランドなどで使われています。

国際的には国連が大麻の「医療価値」について評価を見直す動きがあります。2019年には国連での評決が予定され、注目できるでしょう。

日本においては医療目的であっても使用、輸入ならびに所持は禁止されていますが、国際的な動きに合わせて規制が緩和される可能性もありそうです。

3大麻関連銘柄

[1]大麻の栽培、取り扱い企業

キャノピー グロース コーポレーション(CGC)
カナダのオンタリオに本社を置く、医療用大麻の製造会社です。2013年に創業、2014年4月に大麻の会社では北米初の公開企業となり、時価総額では世界最大です。昨年10月にカナダで合法化された娯楽向けには「Tweed」のブランドで事業を展開しています。アルコール飲料大手のコンステレーションブランズが2017年10月に同社株式の9.9%を取得、18年8月に40億ドルを追加して約36%を保有する最大株主となっています。4/15(月)の時価総額は140億ドルです。

クロノス グループ(CRON)
カナダのトロントに本社を置く、医療用大麻の栽培を行っている企業です。カナダに加え、ドイツに製品を出荷するほか、イスラエルで施設を建設中で、オーストラリアでは合弁により事業を行っています。米国では規制の不透明感から事業は行っていませんが、2.2百万ドルの売上を計上しています(18年3月期)。4/15(月)の時価総額は52億ドルです。

ティルレイ 2(TLRY)
会社の登録は米国ですが、カナダ政府の認可を受けた医療用大麻の企業です。売上構成は、乾燥大麻が50%、大麻抽出成分が49%、その他1%、地域別にはカナダが93%、その他が7%です(18年12月期)。世界10ヵ国に製品を出荷しています。4/15(月)の時価総額は52億ドルです。

[2]医薬品企業

アッヴィ(ABBV)
米国の医薬品大手です。マリファナの合成成分を含む「マリノール(Marinol)」を擁します。1985年にFDAに承認された古い薬ですが、末期エイズ患者の食欲増進、がんの化学療法に伴う吐き気の緩和などのために処方されています。

カラ セラピューティクス(CARA)
米国の臨床段階のバイオ医薬品企業です。疼痛およびかゆみを含む重大な病状を治療するための治療薬の発見及び開発に関連する活動を中心に行っています。カッパオピオイド 受容体に焦点を当てて痛みとかゆみを緩和するように設計された化学物質の開発と商品化を主力としていますが、開発中のものに大麻の作用を利用した薬の候補物質も含まれています。

[3]周辺事業

コンステレーション ブランズ A(STZ)
米国でビール、ワイン、スピリットを販売するアルコール飲料大手です。大麻製造の大手キャノピーグロースコーポレーションの株式約36%を保有する大株主です。大麻成分を注入したノンアルコール飲料を準備中で、18年6月開催の会社説明会では19年中に発売できる見通しとしています。

モルソン クアーズ ブリューイング B(TAP)
同社はかつてSECへのファイリングで事業のリスクファクターとして、「カナダや米国でマリファナが合法化されると、ビール市場の一部が大麻関連製品に流れる可能性がある」として、大麻を競合品として強く意識しています。18年6月のブルームバーグニュースでは、オーロラカンナビス、アフィリアなど大麻関連4社と大麻成分入り飲料の開発を検討中と報道されています。

コカ-コーラ(KO)
18年9月のCNBC報道によると、炎症、痛み、痙攣などに働く一種の健康飲料の開発を検討しているとされ、「神経に作用しないCBD(カンナビジオール)を健康飲料の成分として活用する方案を注意深く調査している」と発言しています。ただし、大麻が連邦法において合法化されるまでは製品の発売は行わないとしています。

スコッツ ミラクルグロー(SMG)
消費者向けの芝生・園芸用品の製造と販売を行っている企業です。18年4月に4.5億ドルを投じて水耕栽培用品の米最大手Sunlight Supply Incを買収しており、水耕栽培を通じて大麻事業へ進出する意向です。

図表6:大麻を製造する3社の業績と投資指標

決算期

売上高

純利益

EPS

DPS

BPS

ROE

自己資本比率

キャノピー グロース コーポレーション(CGC)  カナダドル建て

17年3月期

39.9

-0.7

-

-

-

-0.2

91.0

18年3月期

77.9

-53.4

-

-

-

-5.9

86.5

19年3月期予想

235.6

-436.3

-1.60

-

22.3

-

-

クロノス グループ(CRON)  カナダドル建て

17年12月期

4.1

-1.1

-

-

-

-1.8

85.5

18年12月期

15.7

-19.1

-

-

-

-12.8

81.1

19年12月期予想

83.7

-8.5

-0.02

-

6.9

-

-

ティルレイ 2(TLRY)  米ドル建て

17年12月期

20.5

-7.8

-0.10

0.00

-0.1

-

-9.0

18年12月期

43.1

-67.7

-0.82

0.00

2.1

-

30.1

19年12月期予想

200.1

-80.1

-1.12

-

-

-

-

  • 注:EPSは1株当たり利益、DPSは1株当たり配当、BPSは1株当たり純資産、ROEは株主資本利益率です。単位は、売上、純利益は百万カナダドル(百万米ドル)、EPS、DPS、BPSはカナダドル(米ドル)、ROE、自己資本比率は%です。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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