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2019-10-16 13:38:17

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「バリュー株の逆襲」は続くのか?

2019/9/18
投資情報部 榮 聡

先週の米国株式市場では、これまで「これをもっていれば間違いない」と考えられていた銘柄群が全般相場が上昇する中で軟調となり、「グロース」や「ディフェンシブ」から「バリュー」への物色変化が顕著となりました。「バリュー株の逆襲」(9/18(水)付日経新聞18面)とも言える現象は今後も続くのでしょうか。考えてみましょう。

図表1:注目銘柄

銘柄 株価(9/17) 52週高値 52週安値
バンク オブ アメリカ(BAC) 29.94ドル 31.37ドル 22.66ドル
ボーイング(BA) 384.20ドル 446.01ドル 292.47ドル
アップル(AAPL) 220.70ドル 233.47ドル 142.00ドル
インテル(INTC) 51.95ドル 59.59ドル 42.36ドル
テキサス インスツルメンツ(TXN) 129.56ドル 130.92ドル 87.70ドル
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

1堅調な市場のもと、水面下で物色に大きな変化

先週の米国株式市場は週間でS&P500指数が1.0%上昇と、相場全体としては大きな動きとは言えませんが、何が買われているかという物色面には大きな変化が起きました。

これまで貿易摩擦や景気減速から遠いとして選好されてきた、ソフトウェアのマイクロソフト、電子決済インフラのビザ、マスターカード、レストランのマクドナルド、スターバックスなどが利食い売りに押される一方、金利上昇が恩恵となる銀行や貿易摩擦の緩和期待から資本財、半導体、テクノロジーハード機器などのセクターが上昇を牽引しました。

このような動きの背景には米中摩擦が緩和に向かうとの期待が台頭してきたこと、また、米中摩擦のエスカレートがないのであれば、いずれ世界経済も回復に向かうと考えられるため、長期金利の低下は行き過ぎとの読みがあると見られます。

図表2はこうした動きを客観的に検証するため、S&P500指数の24業種について、9/5(木)終値〜9/12(木)終値の騰落率で上位業種と下位業種を抽出したものです。尚、上位は50日移動平均乖離率が市場平均を上回っていること、下位は同乖離率が市場平均を下回っていることを条件としました。

上位業種には、長期金利の上昇が恩恵となる「銀行」や米中貿易摩擦の緩和期待、景気の底入れ期待などがポジティブとなる「資本財」「テクノロジー・ハード・機器」「半導体・同製造装置」などがあがりました。

一方、上昇率トップの通信サービスは、ディフェンシブな性格があり、他の上位業種とは性格が違います。AT&Tに著名な物言う投資家の投資が判明して、物色の流れよりは個別材料が重要な要因になった可能性がありそうです。

下位業種の「ソフトウェア・サービス」と「消費者サービス」は貿易摩擦から遠いとして選好され、「商業・専門サービス」は内需企業が多く、堅調な米国経済を背景に物色されてきました。

「不動産」は米国の場合はREIT(不動産投資信託)で、配当利回りに注目して投資されるため、市場金利の上昇はネガティブな要因となります。「メディア」はフェイスブック、アルファベットの独占禁止法に関するニュースフローが増えている影響もありそうです。

このため、長期金利が底入れする、あるいは、反発上昇が続く場合、物色動向の変化も継続する可能性が高く、図表2の騰落率上位の銘柄群は株価が買われやすく、騰落率下位の銘柄群は売られやすい状況が続くと考えられます。

図表2:先週の騰落率上位・下位業種(S&P500指数の24業種指数)

業種指数(24業種) 過去5日間
騰落率
(%)
50日
移動平均
乖離率
(%)
業種の代表銘柄
【騰落率上位】
通信サービス 5.2 8.4 AT&T、ベライゾンコミュニケーションズ
銀行 4.9 4.4 JPモルガンチェース、バンクオブアメリカ
資本財 4.1 5.0 ボーイング、ハネウェルインターナショナル
テクノロジー・ハード機器 3.1 3.8 アップル、シスコシステムズ
半導体・同製造装置 3.0 7.1 インテル、テキサスインスツルメンツ
【騰落率下位】
商業・専門サービス -2.8 -0.4 ウェイストマネジメント、リパブリックサービシズ
ソフトウェア・サービス -2.5 -0.6 マイクロソフト、ビザ
不動産 -1.8 2.0 アメリカンタワー、クラウンキャッスルインターナショナル
消費者サービス -1.2 -0.4 マクドナルド、スターバックス
メディア 0.3 1.7 アルファベット、フェイスブック
  • 注:9/5(木)終値〜9/12(木)終値の騰落率によります。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

2「バリュー株の逆襲」は続くのか?

問題は「グロース」「ディフェンシブ」から「バリュー」への物色シフトは今後も続くのかということになりますが、検討してみましょう。

前節にリストアップした騰落率が上位の業種指数平均を「バリュー」、下位の業種指数平均を「グロース」として、「グロース÷バリュー」を計算してプロットしたのが図表3です(世間一般に認められたグロース株指数、バリュー株指数ではありませんので、ご注意ください)。

「グロース/バリュー」の値が上昇するときは「グロース」が「バリュー」よりも優位、下落しているときは「バリュー」が「グロース」よりも優位であることを示します。

これによると「グロース」が「バリュー」を上回る状況は18年の10月から鮮明となり、そのトレンドは最近まで1年近く継続していたことが確認できます。そしてこれとほぼ同じタイミングで長期金利が低下を続けていたことも確認できます。

前節で指摘した「グロース」から「バリュー」への物色の変化は米中貿易摩擦に対する緩和期待が生じるたび、短期に収束する「小粒なもの」は昨年来何度も起きています。

しかし、今回重視する必要があると考えられる根拠として、(1)米10年国債利回りの大幅な反発を伴っている、(2)同利回りの低下が1年続いたあとの大幅な反発である、(3)同利回りは過去10年の安値である1.5%近傍から反発している、ことがあげられます。

株価は、景気動向のほか、企業業績、バリュエーション(株価評価)なども重要な要素となりますが、債券は主に景気動向に集中して動きます。株価は昨年10月来、大きく下がって、大きく反発と動いてきましたが、債券市場は一貫して景気の減速を織り込んできたと言えるでしょう。

その債券市場に重要な変化が起きていることから、株式の物色にも重要な転換点となる可能性があると見られるためです。

米10年国債利回りの上昇は急激に幅を伴って起きたため、目先はゆり戻しも想定されますが、トレンドが変化した可能性があり、物色変化の継続に備えておくべきではないでしょうか。

仮にこれまで株式ポートフォリオの100%を「グロース」で固めていた場合、今後はリスクが大きいポートフォリオになるかもしれません。

ただ、これまで物色されてきた「グロース」は、景気減速の中でも独自の成長要因を備える中長期のファンダメンタルズが良い銘柄であるはずです。「バリュー」が物色されそうだからと言って、全部入れ替えるにはもったいない銘柄も多いと思われます。

そこで、例えば30%を「バリュー」に入れ替えておくといった形で分散を図っておくことが良いのではないでしょうか。

図表3:「グロース/バリュー」と米10年国債利回り

  • 注:9/17(火)までのデータによります。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

3注目企業

「バリュー株の逆襲」が続く場合に、これを先導すると考えられる銘柄群を、図表2の騰落率上位業種の代表銘柄から選んでご紹介いたします。

バンク オブ アメリカ(BAC)

【長期金利の反発がポジティブ】

・長期金利の反発から恩恵を受けると期待されます。消費者向け事業が好調で、大手銀行の中では業績の伸びが安定しています。4-6月期のコンシューマーバンキング部門は、預金が前年同期比3%増、貸出が同6%増、顧客の投資資産が同15%増と伸びているほか、デジタル収入が25%を占め、モバイルバンキングのユーザーが10%増えるなど、デジタル化への対応も順調です。

・4-6月期決算は消費者向け事業の好調が牽引して、収入は前年同期比3%増、EPSは同16%増と堅調でした。EPSの増加分のうち7%ポイントは自社株買いによるものです。長期金利の低下を受けて通年の貸出金利ざやの見通しを3%から2%に引き下げましたが、長期金利の反発が続けば、今後の下方修正は限定されると見込まれます。

ボーイング(BA)

【米中摩擦の緩和はリスク低減に】

・国別の売上で中国が最も大きいため、米中貿易摩擦の緩和は同社事業のリスク低下につながります。運航停止が長引いている「737MAX」はソフトウェアを修正した失速防止システムによる試験飛行が始まっており、運航再開に向けて動き始めています。世界の大型旅客機市場をエアバスと2分する状況は変わらないと見られ、予想EPSは19年の4.80ドルから、20年22.80ドル、21年24.50ドルへの回復が見込まれています。

・4-6月期の業績は、737MAXの運航停止を受けて民間航空機部門の売上が前年同期比54%減となったほか、運航停止や納入遅延の補償金49億ドルを計上、コアEPSは5.82ドルのマイナスに落ち込みました。会社は737MAXの運航再開を10-12月期の早い時期を目指しています。ただ、各国航空当局との協議が不透明で年明けまでずれ込むとの見方もあるようです。

アップル(AAPL)

【米中貿易摩擦の緩和は事業リスクを下げる】

・主力のiPhoneやMac、iPadなどハードウェアの多くを中国で製造して米国に輸出しているため、米中貿易摩擦が激化すると潜在的な影響は大きくなる可能性があります。このため摩擦緩和となれば、事業リスクの低下から買われやすいと考えられます。

・4-6月期業績は、iPhoneの前年同期比減収は続いたものの、それ以外の製品・サービス群の増収でカバーして増収を確保、EPSは同7%減にとどめました。9/19(木)にゲームの「Apple Arcade」サービス開始、9/20(金)に新型iPhoneの発売、11/1(金)の動画配信の「Apple TV+」と新製品・サービスの投入が続き、材料豊富で注目できるでしょう。

インテル(INTC)

【米中貿易摩擦緩和は事業環境のリスクを下げる】

・PCやサーバー向けのCPU(中央演算装置)を主力事業とする半導体メーカーです。米中貿易摩擦は、PCへの関税賦課のリスクがあるほか、世界的な景気減速は、データセンターの投資にマイナスの影響を及ぼしていると考えられます。これらのリスク低減は同社の事業環境にポジティブと考えられます。

・4-6月期は、PC向けが前年同期比1%増を確保したものの、データセンター向けが同10%減、不揮発性メモリーが同13%減、プログラマブル半導体が同5%減など足をひっぱり、売上は同7%減、EPSは同12%減と落ち込みました。通年のガイダンスは売上が前年比2%減、EPSは同4%減としています。

テキサス インスツルメンツ(TXN)

【産業景気の影響が大きいが、IoTによる成長期待が高い】

・産業機器、民生電子機器、自動車、通信機器など幅広い産業にアナログ半導体や組み込み半導体を供給する企業で、IoT(モノのインターネット)との関連性が最も高い半導体メーカーの一つと考えられます。産業景気の低迷を受けて業績は低調となっていますが、米中貿易摩擦が緩和するなら恩恵を受けるでしょう。また、5Gの実現により、IoTの本格普及にも期待が高まります。

・4-6月期決算は、世界景気減速の影響を受けて売上が前年同期比9%減、営業利益が同12%減と低調でした。ただ、売上・利益とも市場予想を上回っています。部門別の売上は、アナログ半導体が前年同期比6%減、組み込み半導体が同16%減、その他が同10%減でした。

図表4:注目銘柄の株価推移

  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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