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半導体市場の拡大をリードするDRAMとNANDフラッシュ

2020/7/15
投資調査部 榮 聡

マイクロンテクノロジーの四半期決算が市場予想を大幅に上回ることが続いています。背景にはデータセンターでのDRAMやNANDフラッシュの需要拡大があるようです。製品価格の変動が激しい点には注意が必要ですが、長期的な成長見通しに注目できるでしょう。半導体メモリの主要プレーヤーをご紹介いたします。

図表1:注目銘柄リスト

銘柄 株価(7/14) 52週高値 52週安値
マイクロン テクノロジー(MU) 49.71ドル 61.19ドル 31.13ドル
SKハイニクス (000660) 82,900 ウォン 106,000 ウォン 65,800 ウォン
サムスン電子 (005930) 53,800 ウォン 62,800 ウォン 42,300 ウォン
ウエスタン デジタル(WDC) 42.05ドル 72.00ドル 27.40ドル
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

1半導体市場の拡大をリードするメモリ

今回半導体メモリを取り上げるのは、半導体メモリ専業のマイクロンテクノロジーの決算が以下のように2四半期連続で市場予想を上回り、6-8月期の売上ガイダンスも予想を上回って、注目に値すると判断したためです。

・19年12月-20年2月期決算: 売上 市場予想比 +2%、EPS 市場予想比 +24%
・20年3-5月期決算: 売上 市場予想比 +10%、EPS 市場予想比 +53%
・20年6-8月期ガイダンス: 売上 市場予想比 +9%、EPS 市場予想比 +31%

第1節で半導体メモリの用途や市場動向、第2節で注意すべき特性、第3節で半導体メモリ市場で活躍する企業をご紹介いたします。

半導体メモリは電子データを記憶するための半導体回路で、主なものにDRAM(Dynamic RAM、ディーラム)とNANDフラッシュがあります(図表2)。前者はパソコンやサーバーでCPU(中央演算装置)が計算を行うときに一時的にデータを記憶しておくもので、後者は電源を切っても記憶できるもので、スマホの記録媒体として使われるほか、最近はデータセンターでも使われるようになっています。

半導体市場が拡大を始めた16年以降、種類別に売上金額をみると、メモリが最もダイナミックに動いたことがわかります(図表3)。16年から18年にかけてロジックが19%伸びたのに対して、メモリはこれを大幅に上回る106%の拡大となりました。

その後19年に大幅な調整となりましたが、19年から20年、21年の予想でも他の半導体よりも大きな増加が見込まれています。変動性は大きいものの、最も成長が見込まれている半導体の種類だと言えそうです。

市場拡大の要因は、以下のようにまとめることができるでしょう。

DRAMはCPUが処理を実行するための作業スペースで、スマホでは同時に開くことができる画面やアプリの数に関係します。2つより3つ、3つより5つの画面を立ち上げられるほうが便利なため、スマホに搭載されるDRAMの記憶容量がどんどん大きくなっています。

また、データセンターでは、「ビッグデータ」と言われるように1度に処理するデータが大きくなっているために需要が拡大しています。世の中のデジタル化が進む中でデータ量はまだまだ大きくなると考えられることから、DRAMに対する需要はデータセンターの増加率以上に拡大していくと予想されます。

NANDフラッシュについては、スマホ向けは伸び悩むものの、SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)向けの需要が伸びています。SSDはNANDフラッシュを何個も並べてHDD(ハード・ディスク・ドライブ)を代替する記憶媒体とするものです。

HDDと比べて衝撃に強い、消費電力が少ない、読み書き速度が速いなどの利点があり、従来はノートPCに相性が良いとされてきました。しかし、価格が低下したことで、近年はデータセンターでもSSDが使われるようになって需要拡大に拍車がかかっています。

マイクロンテクノロジーによる長期市場見通し(3-5月期の決算説明会資料)では、業界全体のビット需要(記憶容量)の年平均成長率は、DRAMが10%台半ばから後半、NANDフラッシュが30%前後と予想され、成長市場として注目できるでしょう。

図表2:半導体メモリの位置づけ

  • ※各種資料をもとにSBI証券が作成

図表3:半導体の種類別売上動向(20年6月の公表データ)

  • ※世界半導体市場統計(WSTS)データをもとにSBI証券が作成

2注意が必要な半導体メモリ市場の特性

前節で半導体メモリの市場が成長しており、今後も有望であることをご説明しました。一方、半導体メモリは価格変動が激しく、なかなか投資しづらい分野でもあります。

現在はマイクロンテクノロジーの傘下にある、日本のエルピーダメモリは大手のDRAMメーカーでしたが、リーマン・ショック後に公的支援を受けながら2012年に経営破綻しています。同分野のリスクの高さがうかがえ、投資には注意が必要なことがわかります。

半導体メモリの価格変動が激しい要因は、他の半導体に比べて製品の差別化がしにくいためコモディティ的な性格があり、需給の変化による影響を非常に受けやすいことです。

図表4の通り、DRAMは17年末に9.6ドル前後していましたが、直近では3ドル割れまで低下しています。また、NANDフラッシュも17年5月の4.8ドルから1.7ドルまで低下しているという具合です。

このような製品価格の変動を受けてマイクロンテクノロジーの業績も上下に大きく変動しました(図表5)。16年8月期の純利益は赤字に落ち込んでいましたが18年8月期には141億ドルまで急増、一方20年8月期は27億ドルまで減少する予想と、激しく上下しています。

ただし、価格変動が特に激しいDRAMも主要なプレーヤーは世界で3社に絞り込まれました。無秩序な設備拡張競争によって収益が際限なく悪化する可能性は低下しているとみられます。お互いを牽制することで、最低限の収益は確保できるようになっているとみられます。

また、図表4はスポット市場の価格動きで、DRAMはここ数ヵ月も低下となっていますが、企業間で交わされる契約価格は強含みで推移しているとされ、収益は回復基調にあるとみられます。

図表4:DRAMとNANDフラッシュの価格推移

  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

図表5:マイクロンテクノロジーの業績推移

  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

3半導体メモリ市場で活躍する企業

DRAMとNANDフラッシュの売上上位企業をリストアップして、売上構成比が高い企業を以下ご紹介いたします。

マイクロン テクノロジー(MU)
メモリに特化した世界有数の半導体メーカーです。19年8月期の売上は、製品別にDRAM65%、NANDフラッシュ30%、その他5%、分野別にはコンピュータ&ネットワーキング・ビジネス43%、モバイル・ビジネス27%、ストレージ・ビジネス16%、組み込みビジネス13%です。メモリ売上でサムスン電子に次いで2位、メモリ専業では韓国SKハイニックスと並びトップ級です。

20年3-5月期決算は、売上が前年同期比14%増、営業利益が同14%減、前四半期比ではそれぞれ13%増、97%増で、業績は19年12月-20年2月期に底入れしたとみられます。6-8月期の売上ガイダンス中央値は前年同期比23%増、前四半期比10%増相当で、前年同期比でも増益に転じて業績の回復が顕著になる見通しです。

20年3-5月期のDRAM売上は前四半期比6%増(ビット出荷量は同約10%増、平均単価は同1桁台半ばの増加率)、NANDフラッシュの売上は同10%増(ビット出荷量は同1桁台前半の増加率、平均単価は1桁台後半の増加率)でした。

SKハイニクス (000660)
韓国のメモリを中心とする半導体メーカーです。韓国に2ヵ所、中国に2ヵ所の生産拠点を展開します。メモリ以外ではカメラに使われるCIS(CMOSイメージセンサ)にも進出しています。全体の売上規模、DRAMとNANDフラッシュの売上構成比ともマイクロンテクノロジーと似通っています。

20年1-3月期決算は、前年同期比では大幅な減益となっているものの、前四半期との比較では売上が4%増、EBITDA(利払い、税金、償却前利益)が同25%増となっており、19年10-12月期に底入れして回復基調にあるとみられます。

製品別の売上は、前四半期比でDRAMが3%減、NANDフラッシュが12%増でした。DRAMはCOVID-19の影響で全般的な需要が低下したものの、サーバー向けの需要は引き続き強く、価格も強含みとしています。NANDフラッシュはSSD向けの需要が強く、価格のトレンドも良好としています。

サムスン電子 (005930)
韓国の電子機器メーカーです。スマホ事業と半導体事業が2本柱で、売上ではそれぞれ40%と25%、営業利益では33%と50%を占め、半導体事業の売上のうち77%をメモリが占めています(19年12月期)。半導体メモリでは、DRAM、NANDフラッシュとも2位に大きく差をつけるトップで最大の企業です。

7/7(火)に発表された4-6月期決算の速報では、営業利益が前年同期比23%増の見通しとして、半導体事業の利益改善が効いていると推定されます。DRAMのスポット価格は弱含んだものの、契約価格の環境は良好だったとされ、メモリの利益改善がけん引したと考えられます。

ウエスタン デジタル(WDC)
世界有数のストレージメーカーです。19年6月期の売上は、製品別にハード・ディスク・ドライブ(HDD)が53%、フラッシュメモリが47%、用途別ではクライアント機器向けが49%、データセンター機器およびソリューションが30%、クライアントソリューションが21%を占めます。16年のSanDisk社など積極的な買収で拡大してきた会社です。東芝メモリ(現キオクシア)の買収は成功しなかったものの、設備投資などで協力関係にあります。

20年1-3月期決算はクライアント機器、データセンター向けとも伸びて売上は前年同期比14%増、純利益も黒字転換しています。19年10-12月期まで赤字決算が続いていましたが、業績は回復に向かう見通しです。

図表6:半導体メモリの売上上位企業

メモリの種類

企業名

19年売上
(百万ドル)

売上に占める割合
(%)

DRAM

サムスン電子

28,203

14.3

SKハイニクス

16,666

71.9

マイクロンテクノロジー

14,723

71.3

NANDフラッシュ

サムスン電子

15,664

7.9

キオクシア(旧東芝メモリ)

6,047

-

マイクロンテクノロジー

5,071

24.6

SKハイニクス

4,894

21.1

ウエスタンデジタル

4,578

29.4

インテル

3,063

4.3

  • ※注:マイクロンテクノロジーの売上に占める割合は、18年12月〜19年11月の売上を全体として計算しています。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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