2019/9/3
提供:三菱UFJ国際投信
「投資環境ウィークリー」9月2日号より抜粋
市場は年内に累計3回の利下げを織込む
■ 米中対立を巡る報道等に振り回された1週間
政治リスクが相場を動かす展開が続いています。先々週23日に中国が対米報復関税の導入を公表すると、トランプ米大統領は対中関税の追加引上げや米企業への中国撤退命令の可能性を示唆。対立激化の懸念からNYダウは623ドル急落しました。先週26日には中国が貿易交渉再開を申入れとの米大統領の発言から米株価が反発。しかし、翌27日には中国の通信社が上記の申入を疑問視し同株価は反落しました。また、29日には中国商務省の広報官が「貿易戦争の激化を防ぎたい」と、米国に対する更なる報復関税を検討しない考えを示唆。同日の米株価は続伸と、株価は目まぐるしく動きました。1日には、米中政府が予定通り互いに報復関税措置を発動しました。
欧州の政治リスクも健在。先週28日にはジョンソン英首相が10月中旬まで議会を停会すると発表。10月末に合意なきEU離脱が実現するリスクが高まりました。
■ 今週は米独景気指標や英国の政治状況に注目
9月のECB理事会(12日)と米FOMC(17-18日)では金融緩和が見込まれており、高官発言等に加え米欧の景気動向にも関心が集まります。3日の米ISM製造業景気指数は51.2と前月と同水準の見込み。6日の米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月差15.8万人増と堅調に拡大するでしょう。ドイツの5日の製造業受注や6日の鉱工業生産が景気後退を連想させるほど軟調なら、ECBによる大規模緩和期待が浮上も。政治面では、3日に再開の英議会における内閣不信任案提出の有無も注目されます。(入村)
今週の主要経済指標と政治スケジュール
9/2(月) |
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9/3(火) |
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9/4(水) |
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9/5(木) |
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9/6(金) |
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9/8(日) |
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注)(日)日本、(米)米国、(欧)ユーロ圏、(独)ドイツ、(英)英国、(豪)オーストラリア、(中)中国、を指します。
日程および内容は変更される可能性があります。
出所) 各種情報、Bloombergより当社経済調査室作成
注)MSCI WORLD、MSCI EMは現地通貨、S&P先進国REIT指数は米ドルベース。
原油は1バレル当たり、金は1オンス当たりの価格。
騰落幅、騰落率ともに2019年8月23日対比。
出所)MSCI、Bloombergより当社経済調査室作成
注)上記3図の直近値は2019年8月30日時点。
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