今回のポイントを事前チェック!
発表日程 |
7/11(木)予定 |
【日銀金融政策決定会合(7月10〜11日)】
前回6月10〜11日に開催した日銀金融政策決定会合では、資金供給量(マネタリーベース)を年間60〜70兆円増やす政策の維持が、委員9人全員一致で決定されています。また、現行の資産買い入れ方針も継続されましたが、債券市場を中心に関心が高まっていた、現行一年以内の資金供給オペレーションの期間延長などの具対策は盛り込まれませんでした。この長期金利の上昇を抑える対策の導入見送りは、この日以降の市場に大きな失望感をもたらすこととなり、円相場では円買いが93円台まで進み、日経平均も4月4日の日銀による異次元緩和を導入する前日レベル(12,445.38円)まで急落する事態を招くきっかけとなりました。なお、足元の景気判断については、5月の会合での「持ち直しつつある」から「持ち直している」に6ヶ月連続となる「上方修正」がありました。
5月下旬以降、ともに急落が進んでいた米ドル/円と日経平均株価は、前回の会合で何らかの追加金融政策実施による相場反転が期待されていたものの、日銀による長期金利の安定化対策が講じられず、その後も暫く為替と株価の下落が続きました。しかし、この局面での市場の反応は、日銀の追加緩和・長期金利対策の見送りや安倍政権の経済政策3本目の矢となる「成長戦略」の具体性の欠如に対する失望だけが原因となっていた訳ではありません。アベノミクスによる円安や株高をさらに加速させるはずだった米経済の回復に黄色信号が灯り始めた上に、量的緩和の出口戦略をめぐる市場の動揺による影響もありました。また、中国の景気減速への懸念、さらには金融機関の流動性逼迫に対する懸念噴出といった、所謂「中国不安」も大きな妨げとなっていました。
その後、米国経済指標も5月小売売上高が大幅に市場予想を上回った頃を境にして、全般に堅調な結果が先行し、量的緩和縮小への評価もネガティブからポジティブに変化してきました。中国経済に対する懸念も、当局から金融機関に対する流動性供給の実施や、株価底入れの兆候も見られ始め、徐々に市場の不安感も軽減しました。こうした状況から、円相場も再び円安傾向に転じ始め、日経平均も5月下旬以来の14,000円台を回復しています。調査期間(5/28〜6/28)の約半分の期間が円安、株高からの反落局面であったことを考慮すれば、7月1日に公表された日銀短観からも、これまでの金融緩和がデフレ脱却に対し如実に効果をあげていると評価できます。企業景況感にも改善が確認され、政府・日銀による今回の金融政策と経済政策は、相応の波及効果を上げています。依然として中小・零細企業による評価は厳しいままですが、今回の会合で打ち出せる追加施策は限られており、前回と同様に長期金利の不安定な動きを抑える対策などが主な議論の対象だと思われます。留意すべきは、日銀の独立性が担保されることが大前提とはいえ、デフレ脱却に向けて政府・日銀が一体となった協力体勢を構築した以上、参議院選挙で政権基盤をより強固なものとするために、想定していないような追加施策が採られる場合です。この際の市場のサプライズ反応には注意が必要かもしれません。逆に、景気の現状判断の引き上げだけの変更に終わることとなっても、前回の会合後ほど市場の失望は強くならないでしょう。いずれにしても、本来、日本経済が確実な回復軌道に戻るためには、金融緩和以上に、安倍政権の成長戦略が着実に実行されていくことが不可欠なはずで、市場の注目も参議院選挙後の政権の実行力に移っているものと思われます。
金融政策って何?なぜ為替レートに影響があるの?
各国で決定されている金融政策は為替レートの動きに大きな影響を与えます。各国の金融政策に気を配れば、FXで成功するヒントが得られる!?
前回(6月11日)指標発表時の振返り
- 出所:FX総合分析チャート 15分足
発表スケジュールをチェック!
日銀金融政策決定会合
発表予定 |
7/11(木)昼頃 時間未定 |
---|
FXゼミナール イチからはじめて、気づけばマスター!
「FXって雑誌やTVのCMで見るけど具体的にはどんなものなの?」そんな方にFXの基礎から、具体的な取引方法までイチから分かりやすく解説いたします! 更にFXゼミナールでは基礎、初級、中級とステップを踏んでFXを理解することができます。 |
こんな方におすすめです!
|