ECB 政策金利 |
発表時間 |
8/7(木) 20:45(日本時間) |
前回値 |
0.15% |
事前予想 |
0.15% |
7月3日に開催された欧州中央銀行(ECB)理事会では、リファイナンス金利と限界貸付金利はそれぞれ0.15%と0.40%、預金ファシリティ金利はマイナス0.10%に据え置かれました。理事会後の記者会見では、ターゲット長期リファイナンスオペ(TLTRO)の詳細と、2015年1月からの理事会の開催頻度変更と理事会記録(accounts)が公表される旨の説明がありました。理事会の開催頻度が現在の4週間毎から6週間毎へ変更され・・・
前回発表時(7/3)のユーロ/円の動きをチャートで振り返る
- ※出所:FX総合分析チャート 15分足
今回のポイントを事前チェック!
7月3日に開催された欧州中央銀行(ECB)理事会では、リファイナンス金利と限界貸付金利はそれぞれ0.15%と0.40%、預金ファシリティ金利はマイナス0.10%に据え置かれました。
理事会後の記者会見では、ターゲット長期リファイナンスオペ(TLTRO)の詳細と、2015年1月からの理事会の開催頻度変更と理事会記録(accounts)が公表される旨の説明がありました。理事会の開催頻度が現在の4週間毎から6週間毎へ変更され、一連の施策の効果を観測しやすくする事を目的としています。更なる緩和策として期待されていた資産担保証券(ABS)の購入については、関心を示す場面がありながらも、導入を示唆する発言は聞かれませんでした。理事会後のプレスリリースでは、TLTRO実施スケジュールや利用条件に関する詳細が公表されました。
前回の理事会以降、7月31日に公表されたユーロ圏消費者物価指数(HICP)の速報値が0.4%を記録した際には、コンスタンシオECB副総裁が、「ユーロ圏のインフレ率は4-6月(第2四半期)に低過ぎる状態が続いた。」と述べた事から、インフレ率が非常に低いと認識している事が確認できました。また、ユーロ圏経済を牽引しているドイツ経済は、ZEW景況感指数が今年に入り悪化し続けているほか、やや低迷する状況が長引いている様に思われます。
またこの間、経済指標以外にもユーロ圏の経済に強く影響する様な問題も飛び出しています。ポルトガル最大手銀行であるエスピリサント銀行の親会社が、短期債務の支払延期を求めた事を発端にポルトガルの銀行問題が起きていますが、今年10月に公表されるECBによる資産査定の内容次第では、評価の妥当性が疑問視される可能性もあります。また、マレーシア航空機撃墜に絡んだロシアへの経済制裁問題や、クリミア独立を発端としたウクライナ情勢でもEUとロシアの関係が懸念されています。ロシアは、ユーロ圏のエネルギー需要の約4割をまかなうエネルギー大国であり、関係悪化した場合は経済への影響が避けられないため、市場が反応する事も予想されます。
以上から、次回の理事会では更なる金融政策の変更をすぐに行う事は考えにくいと思われますが、ユーロ圏の現状は楽観できる状況になく、場合により更なるメッセージが出される可能性は十分にあります。また、一部の市場参加者の間では、ABS購入などの更なる金融緩和実施を期待する見方も根強く聞かれ、記者会見での質疑応答に注目が集まりそうです。
「欧州中央銀行(ECB)金融政策発表」とは
「欧州中央銀行(ECB)金融政策発表」とは、ユーロ圏の中央銀行である欧州中央銀行(ECB)が、原則として毎月2回行われる理事会のうち、1回目の理事会で、そのときの経済状況から政策金利をはじめとする「金融政策」を決定し、発表することです。下旬に開催される2回目の理事会では金利を変更しない、と決めています。大きな変更があった場合にはマーケットに与える影響が大きいので、とても注目されています。
ECB政策金利発表によってなぜ為替が動くのか。他にはどのような発表によって動くのかご紹介!是非ご確認下さい。 |