BREXIT(ブレグジット)という言葉はご存知ですか?
EU加盟国 全28ヵ国
6月23日(木)に実施される、英国のEU離脱の是非を問う国民投票が近づいてきました。
よく耳にするワードとして、ブレグジットと聞きますが、そもそもブレグジットとは何でしょうか?ブレグジットとは英国(BRITAIN)とEU加盟からの離脱(EXIT)を組み合わせた造語として広く使われるようになりました。どうして英国国民の間でEUからの離脱の機運が高まったのでしょうか?
これまでギリシャをはじめとする欧州債務危機が叫ばれる度に、英国からも多額の税負担を求められることで国民の間には不満が募っていた上に、昨年以降大量の難民受入れに対してもEU主導の政治的決断が優先されていることにも不平不満が高まっていました。イスラム国を中心にしたテロ防止に向けて難民受入れに難色を示す市民運動も広がりを見せ、これを機会にEUとのしがらみを断ち、英国主権の復活を目指しているともいわれています。
もともと英国はユーロには不参加の立場にあり、財政・金融政策はECBから独立しての政策運営がなされるなど通貨ユーロは導入されておらず、EU加盟国28ヵ国との貿易関税がこれまで通り、非課税制度が維持されるのであれば経済的な損失はないだろう、というのがEU離脱支持派の立場です。
しかしながら、英国へ投資している多国籍企業による欧州事業の英国拠点の移転・転出やEU加盟各国とそれぞれ関税交渉を一から見直す必要もあり、EUからの離脱となれば英財務省の試算では、英国のGDPを3.6%減少させるほか、失業率の2%上昇や賃金低下、ポンド下落など様々な経済的損失がでるのではないかと言われております。
英(EU)離脱の是非を問う世論調査
今週16日(木)の未明(日本時間3時00分)にFOMCの結果が公表され、午前3時30分からはイエレン議長が会見を行います。市場予想は5月雇用統計が予想外に鈍化したことと、その後の議長講演で早期利上げ観測が大きく後退したため、今週のFOMCでは、政策が現状維持との予想が大勢となっています。そうはいっても、政策金利予想や経済見通しについての動向が注目されます。仮に市場予想以上に早期利上げに前向きな見解が示されたとしても、来週23日(木)の英国によるEU離脱の是非を問う国民投票の結果次第ではFRBの金融政策にも大きく影響する可能性があるだけに注目されます。
先週末の英・調査機関ORBが実施した世論調査の結果では、離脱支持派が55%と残留支持派の45%を大きく上回る結果となり、ポンド/円やユーロ/円を中心に円高が進んでいます。
主要な経済イベントと今後の見通し
イエレン議長は先週6日の講演の中で『英国国民投票の行方は極めて経済への影響が大きい』との見解を示したほか、英キャメロン首相も『離脱となれば英国が解体されかねない』と発言するなど、先行きに対しての懸念が高まっています。
それだけに、EU離脱となれば仮に米国の経済指標が予想を上回る好調な数値が続いた場合でもFRBは世界経済への影響も考慮せざるを得ず当面の利上げを見送る可能性もあります。
また、安全資産とされる独・米・日本などの主要国の国債への資金流入の増加によって、ドル円は円高に振れる可能性が高いだけに注意が必要です。