ドル/円相場のテクニカル分析

次期米大統領にトランプ氏が当選したことを受け、公共投資の拡大など大胆な景気刺激策への期待が強まる中、米長期金利が急上昇し、ドル円は5ヶ月半ぶりの111円台まで円安が進んでいます。

強い上値抵抗ポイントと考えられていた107.40-50や109.00-20も上抜けしてきており、短期トレンドは非常に強い状況を維持しています。そこで、週足・月足を使ったテクニカル分析を行い、今後のドル円相場の見通しを考えたいと思います。

※出所：SBIリクイディティ・マーケット提供

ドル/円相場は、週足ベースで安値を付けた後、底練りの展開が続いていましたが、上値の重要なレジスタンスの107.48を上抜け、底打ち終了のチャート形状となりました。

そして、2015年6月8日の高値125.85から2016年6月の安値98.96までの下げに対する38.2％戻しのポイントとなる109.23も上抜けています。

次のポイントは【1】一目均衡表の雲下限ラインの111.61、【2】レジスタンスの111.88、【3】50％戻りのポイントである112.40となります。

そして、【3】を上抜ける場合には、現状のトレンドでの98.96の下抜けの確率は低くなると考えられ、一目均衡表の雲上限ラインの上抜けを目指す可能性も考えられることから注目です。
雲上限の上抜けと、50％戻しの112.40へ上昇があるとすれば、日柄的には来年1月の第1週目と予測できますが、それよりも早まるのかどうかにも注目です。

※出所：SBIリクイディティ・マーケット提供

ドル/円の月足ベースでは、今年の年央以降、2011年10月の安値75.67から2015年6月の高値125.85までの上昇の50％押しのポイント近辺で底固い動きが続き、ここから反転する動きとなっています。

ここからどこまで値を戻す動きとなるのか注目されますが、現時点では50％押しまで下げたことから、再び125.85の上値を抜ける展開となる確率は低いと考えられます。

そして、最新のローソク足では、下値が一目均衡表の雲上限近辺でサポートされていることから、ここからは上昇している雲上限ラインが下値のポイントとなるでしょう。そして、ここを下抜ける場合には、下げに転じてしまう可能性も考えられます。

そして、月足ベースの次のポイントは、一目均衡表の基準線となり、ここを上抜ける場合には一段の上昇も考えられます。
現在、基準線は112.40で横ばいが続いており、現状では来年6月まで横ばいが続きます。また、ここは週足ベースの50％戻しのポイントであることからも重要なポイントと考えられます。