米2月雇用統計 (非農業部門雇用者数前月比/失業率 等) |
発表時間: |
3/10(金)22:30(日本時間)
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前回値: |
+22.7万人 / 4.8% |
事前予想: |
+19.0万人 / 4.7% |
前回 結果 振り返り
2/3に発表された前回1月の米雇用統計では、景気動向を敏感に映す非農業部門雇用者数が市場予想の+18.0万人を上回る+22.7万人となり、安定的な伸びとされる+20万人を4ヵ月ぶりに上回りました。この結果を受け、ドル/円はドル買いに反応しました。
しかし、失業率が前月の4.7%から4.8%に悪化したことや、賃金の伸びが前月比、前年比ともに市場予想を下回る結果となったことから、インフレ加速期待が後退しました。
また、3月の追加利上げの可能性が弱まったとの見方も影響し、ドルは一転して下落となりました。下げ一巡後は、値頃感の買い戻しの動きや、米債券利回りの上昇を受けて、ドル円・クロス円は底固い動きとなりました。
終盤では、サンフランシスコ連銀総裁が3月利上げの可能性に言及したことが影響し、ドル/円は一時113円台まで値を戻す動きも見られました。
前回雇用統計発表時のドル/円 (5分足)
- ※出所:FX総合分析チャート
今回の予想と注目ポイントを確認!
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9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
1月 |
2月市場予想 |
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非農業部門雇用者数(万人) |
24.9 |
12.4 |
16.4 |
15.7 |
22.7 |
19.0万人 |
失業率(%) |
4.9 |
4.8 |
4.6 |
4.7 |
4.8 |
4.7% |
時間給賃金 前月比(%) |
0.3 |
0.3 |
0.0 |
0.2 |
0.1 |
0.3% |
時間給賃金 前年比(%) |
2.7 |
2.7 |
2.7 |
2.8 |
2.5 |
2.8% |
労働参加率(%) |
62.9 |
62.8 |
62.6 |
62.7 |
62.9 |
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※出所:SBIリクイディティ・マーケット
※市場予想は3/7現在の予想平均値
米国の金利先物市場では、3/6時点で3/15のFOMCでの利上げ予想確率が96%となっており、マーケットでは追加利上げの期待感が高まっています。
そして、先週イエレンFRB議長が、「雇用と物価の進展が確認できれば、次回のFOMCで一段の金利の調整が適切になる」と述べたことで、今回の米雇用統計の結果と、来週3/15(水)の消費者物価指数の結果に注目が集まっています。
今回の雇用統計では、前回からやや伸びが縮小すると予想されていますが、イエレンFRB議長が「4.75%の失業率は、完全雇用に相当すると推定している(1/18)」との見方を示しており、現状がほぼ完全雇用状態となっていることから、雇用者数の伸びが多少下回る結果となっても、3月利上げ期待が大きく後退する可能性は低いと考えられます。
そして、昨年12月の追加利上げ決定前までの非農業部門雇用者数の3ヵ月平均は17.9万人でしたが、ここまで直前2ヵ月の平均が19.2万人となっており、今回15.4万件となった場合でも前回の3ヵ月平均を上回る結果となります。このことから、15.4万人近辺までの結果が下限の許容範囲と考えられます。
そして、15.4万人を下回る結果となった場合でも、賃金の伸びが堅調であるならば、影響は限定的と考えられます。逆に、市場予想を上回る結果となる場合には、来週のFOMCで利上げが決定されるとの期待感が一段と高まり、ドルを押し上げる要因となる可能性が考えられます。