7月米雇用統計 結果を確認
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | |
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非農業部門 就業者数(万人) | 21.6 | 23.2 | 5.0 | 20.7 | 14.5 | 22.2⇒23.1 | 20.9万人 |
失業率(%) | 4.8 | 4.7 | 4.5 | 4.4 | 4.3 | 4.4 | 4.3% |
時間給賃金 前月比(%) | 0.2 | 0.3 | 0.1 | 0.2 | 0.2 | 0.2 | 0.3% |
時間給賃金 前年比(%) | 2.6 | 2.8 | 2.6 | 2.5 | 2.4 | 2.5 | 2.5% |
- ※出所:米労働省
8/4(金)に発表された米7月雇用統計は、非農業部門就業者が予想(18.0万人増)を上回る20.9万人増、前月分も22.2万人から23.1万人増へ上方修正され2ヵ月連続で20万人を上回り、5月からの3ヵ月平均でも19.5万人増と労働市場の好調さが続いていることが確認されました。また、失業率も予想通り4.3%と5月の水準まで改善しました。
非農業部門 就業者数 推移 (万人)
- ※出所:米労働省
米 失業率推移 (%)
- ※出所:米労働省
労働参加率も前月の62.8%から62.9%へ増加し、失業率低下は評価できる内容だったといえるでしょう。また、やむを得ずパートタイム職に就いている人や職探しを諦めた人を含めた広義の失業率については、8.6%と前月から変化はなく、ほぼ完全雇用に近い内容となっています。
就業者数の内訳をみると、民間のサービス産業だけで18.3万人もの雇用増となり、昨年9月以来の高い伸びとなりました。その内訳をみると、娯楽や宿泊関連が6.2万人増、次いで教育や医療関連で5.4万人増となり、就業者数増に大きく貢献しています。
一方で公益産業での就業者数は前月から減少したほか、製造業や金融業など比較的高賃金と言われる業者での就業者数は増加していません。
米時間給賃金 前年比(%) 前月比(%)
- ※出所:米労働省
注目された時間給賃金は26.36ドルと前月比から0.09ドル増、前年比でも+2.5%増となり、予想(+2.4%)を上回る結果となりました。
一方、総労働投入時間(民間雇用者数×週平均労働時間)は前月比+0.2%となり、前月(+0.5%)から上昇率が鈍化しました。また、総労働所得(総労働投入時間×時間給賃金)も前月比+0.5%となり前月(+0.7%)から同じく鈍化し、個人消費を大きく押し上げるには力不足の状態です。
今回の雇用統計では、米労働市場の堅調さが継続が確認されたものの、依然として賃金の伸びは緩慢なことが明らかとなりました。
実際、今回の雇用統計を受けた市場の反応を見ると、FRBの年内追加利上げ観測は不透明なままで変化はなく、9月のFOMCでの利上げ確率は約5%、12月確率も40%台に留まっています。
米消費者物価指数(コア) 前年比(%)
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
今週8/10(木)には米7月卸売物価指数が発表されますが前月を上回るのか(前月は前年比+2.0%、コア指数は+1.9%)が注目されます。さらに8/11(金)発表の消費者物価指数(コア)の予想は前年比+1.7%と、6月(+1.7%)と同水準の上昇が見込まれています。
FRBや市場はインフレ指標の関心が高いだけに、FRBが金融政策を見直す上で、引き続きインフレ関連指標が注目されます。さらに9月にもバランスシート縮小を開始するという予想も広がっているため、今週実施される3年債、10年債、30年債入札を受けた債券市場の反応にも注目です。