米8月雇用統計 (非農業部門雇用者数前月比/失業率 等) |
発表時間: |
9/1(金)21:30(日本時間)
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前回値: |
+20.9万人 / 4.3% |
事前予想: |
+18.0万人 / 4.3% |
9/1(金)発表の米雇用統計 予想を確認!
2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月予想 | |
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非農業部門 雇用者数(万人) | 23.2 | 5.0 | 20.7 | 14.5 | 23.1 | 20.9 | 18.0 |
失業率(%) | 4.7 | 4.5 | 4.4 | 4.3 | 4.4 | 4.3 | 4.3 |
時間給賃金 前月比(%) | 0.3 | 0.1 | 0.2 | 0.2 | 0.2 | 0.3 | 0.2 |
時間給賃金 前年比(%) | 2.8 | 2.6 | 2.5 | 2.4 | 2.5 | 2.5 | 2.6 |
※出所:SBIリクイディティ・マーケット
※市場予想は8/28現在の予想平均値
米 非農業部門雇用者数(万人)、失業率(%)の推移
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
米 時間給賃金(%)の推移
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
今回の雇用統計注目ポイント
① 9月FOMCのバランスシート縮小開始を正当化する結果が出るか
② FOMCの年内追加利上げの可能性を高める結果になるか
③ 7-9月期以降も引き続き経済活動は緩やかな拡大が期待されるが、個人消費に影響する賃金や失業率、企業の設備投資の伸びが継続するのか
今週末9/1(金)に米雇用統計が発表されます。
市場は米国時間の9/19〜20に開催される次回のFOMCで、量的緩和で買い入れた米国債などを減らす「バランスシート縮小」を決定すると予想していますが、この縮小を正当化する結果が出るのか注目されます。
前月に発表された7月の失業率は4.3%となり、労働市場は完全雇用に近く、この傾向は今回(予想:4.3%)も続くと予想されています。一方で時間給賃金は前年比+2.6%予想に留まっており、FRBが掲げる2%の物価目標達成のための理論値である「前年比+3.3%〜3.5%」には、いまだ遠い状況が続いています。
イエレン議長が指摘している労働市場の「Slack=弛み(たるみ)」については、リーマンショック前の3年間平均と比べ、現在がどのような水準にあるのかを示しているのが下記の表です。
表では失業率や就業者数の改善が明らかな一方で、生産単位当たりの報酬を示す単位労働コストや賃金上昇率の低下が顕著となっていることが確認できます。
リーマンショック前と現在の雇用関連指標の比較
|
雇用関連指標 |
リーマンショック前 |
2004〜現在の底値 |
現状の値 |
リーマンショック前と |
---|---|---|---|---|---|
1 |
失業率 |
5.0% |
10% |
4.3% |
改善 |
2 |
広義の失業率 |
8.8% |
17.2% |
8.6% |
改善 |
3 |
解雇率 |
1.4% |
2.0% |
1.2% |
改善 |
4 |
求人率 |
3.0% |
1.6% |
4.0% |
改善 |
5 |
非農業部門雇用者数 |
16.2万人 |
-82.6万人 |
20.9万人 |
改善 |
6 |
退職率 |
2.1% |
1.3% |
2.1% |
-- |
7 |
採用率 |
3.8% |
2.8% |
3.7% |
低下 |
8 |
労働参加率 |
66.1% |
62.4% |
62.9% |
低下 |
9 |
単位労働コスト(前年比) |
3.4% |
1.4% |
-0.2% |
低下 |
10 |
時間給賃金(前年比) |
3.2% |
1.6% |
2.5% |
低下 |
11 |
アトランタ連銀 賃金指数(前年比) |
3.8% |
1.6% |
3.4% |
低下 |
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
労働市場の改善は企業の生産活動やサービス産業における人材不足を反映し、企業は優秀な人材確保に向けて高賃金を用意しなければならず、賃金の上昇を通じて個人消費が活発化して賃金インフレや物価上昇(インフレ)が加速するというのが一般的なセオリーです。
こうした状況に備えてFRBは、物価安定、インフレ予防、インフレ抑制に向けた金融政策の方針を決定する必要があります。こうした観点においても、今回の雇用統計の結果が注目されます。