米7月雇用統計 (非農業部門雇用者数前月比/失業率 等) |
発表時間: |
8/3(金)21:30(日本時間)
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前回値: |
+21.3万人 / 4.0 % |
事前予想: |
+19.3万人 / 3.9% |
8/3(金)発表の米雇用統計 予想を確認!
2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月予想 | |
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非農業部門 雇用者数(万人) | 32.4 | 15.5 | 17.5 | 24.4 | 21.3 | 19.3 |
失業率(%) | 4.1 | 4.1 | 3.9 | 3.8 | 4.0 | 3.9 |
時間給賃金 前月比(%) | 0.1 | 0.2 | 0.1 | 0.3 | 0.2 | 0.3 |
時間給賃金 前年比(%) | 2.6 | 2.6 | 2.6 | 2.7 | 2.7 | 2.7 |
※出所:SBIリクイディティ・マーケット
※市場予想は7/31現在の予想平均値
7月雇用統計の注目点
@ 先週末発表の米4-6月期GDP速報値は、前期比+4.1%と3年9ヶ月ぶりの高成長となり、個人消費が+4.0%と成長率を+2.7%押上げた。一方、企業の設備投資は前期の+11.5%から+7.3%へ低下、こうした結果が就業者数に影響を及ぼしているか。
A 個人消費の増加により、サービス業などを中心に雇用増、人材確保を背景にして、賃金増に結びついているか。
B 貿易問題により資材調達コストの上昇や住宅ローン金利の上昇が影響し、住宅投資に減速傾向が見られるだけに、建設関連を中心に就業者数の伸び悩んでいる可能性もあり注意が必要。
C GDP成長率は3年9ヵ月ぶりの高成長となったものの、NY株式市場は下落するなど米経済の4.0%成長の持続性を疑問視する見方のほか、4.1%成長が天井になるとの見方もあり、雇用面でのピークといった見方につながるか。
D 日銀政策会合後の日本の長期金利の反応次第だが、米雇用統計の結果を受けて、米10年債利回りが3.0%台を回復し、再びドル高・円安への契機になるか。
非農業部門雇用者数(万人)の推移
- ※出所:米労働省
円安進行再燃の契機になるか!?
7/30-31の日銀政策会合を前に、日銀は7/27に、7/23に続いて指値オペ(国債の無制限買入れ)を実施しました。
しかし、7/23の指値オペは0.11%、7/27の指値オペは0.10%となり、「日銀の指値オペ+0.11%を指値とする」との従来から続く固定観念を覆す結果となりました。
これに対し、市場では@金利上昇の抑制を強くアピールした? A指値オペの水準を変更したことで日銀の柔軟性を示した? B長期金利の誘導目標引上げを可能にした?など、様々な憶測が聞かれました。
7/30-31の日銀政策会合では、イールドカーブコントロールを誘導目標0.0%程度の水準を維持した上で、指値オペを0.11%の水準へ引上げることで、金融調節を柔軟に行うとの観測報道もあり、ドル円は先週110円58銭まで円高が進む場面も見られました。
2013年の異次元緩和の継続にもかかわらず、インフレ期待が上昇せず、6月の消費者物価指数も前年比+0.8%に留まるなど、低水準での推移が続いています。
一方で、マイナス金利の長期化の影響を背景に、金融機能の正常化が疑問視されるほか、金融機関の業績にも悪影響が及んでおり、「持続可能な緩和政策のためには誘導目標を柔軟にし、長期金利の小幅な上昇を容認することが必要」との考えを具体的に示す可能性があるとの見方もあり、注目されます。
こうした中で、今週の米7月雇用統計を前にしたFOMCでは、声明文で4-6月期GDPの高成長や堅調な労働市場にも言及し、年内あと2回の利上げの可能性に言及する可能性もあり、今回の雇用統計がFRBの利上げ継続を裏付ける内容となるか、注目されます。
一方、日銀の緩和政策の修正は市場に織り込まれてきた感もあり、日銀が政策の柔軟性を示すことが円高阻止につながるとする見方もあります。
FOMCに続く米7月雇用統計が、ドル高・円安進行再燃の契機になるか注目されます。
米時間給賃金 前年比(%) 、 前月比(%)
- ※出所:米労働省
失業率(%)の推移
- ※出所:米労働省