FOMCの注目点は?
◇FOMCの注目点
-0.25%の利上げに続き、12月の利上げにどの程度言及するか
-来年(2019年)の想定利上げ回数(6月時点:年3回)が年2回へ下方修正されるか
-来年のターミナル予想中央値(2.875%)に変化があるか、経済やインフレ見通しは?
-6月の声明文「金融政策は引き続き緩和的」との文言が削除されるか
-2020年の利上げ回数、6月に1回の利上げに下方修正されたが、今回変化があるか
9/25-26のFOMCで、0.25%の利上げが確実視されるほか、FRBメンバーによる政策金利見通し(ドッドチャート)やインフレ見通しが6月時点から上方修正されるとの予想を背景に、堅調地合いが続くものと見られます。
中でも注目されるのが、6月のFOMCで示された2019年の想定利上げ回数です。今回のFOMCで、3回から2回に近い想定へ下方修正されるか、注目されます。年2回へと下方修正されることになれば、緩やかな利上げペースが維持されることになり、 9/20、21と連日史上最高値を更新したNYダウに象徴されるリスク選好の動きが一段と高まり、世界的なリスク選好の動きが加速、株高・ドル高につながるかもしれません。
一方、FOMC声明で『金融政策は引き続き緩和的』との象徴的文言が削除されるか、この点も注目されます。仮に削除となれば、FRBの金融政策が正常化から引締めに大きく舵を切ることになり、NY株式市場の下落につながる可能性もあり注目されます。
さらに、米金利の先高観が一段と強まることになれば、落ち着きを取り戻しつつある新興国通貨の米国への資金流出への懸念が高まるなど波乱要因になりかねないだけに、リスク選好の流れに一服感をもたらす可能性があり注意が必要です。
FOMC委員によるドットチャート(年末金利見通し)
※出所:SBIリクイディティ・マーケット
日米首脳会談が波乱要因になるか!?
ドル円は7/19に113円18銭の高値を付けた後、トランプ大統領がFRBの金融政策を批判したほか、大統領選でのトランプ大統領側近に対する有罪評決などを材料に、その後一時109円78銭まで下落した経緯があります。
今回、FOMCとともに注目されるのが、9/26に開催される日米首脳会談での貿易問題となります。米国が日本からの輸入車に関税を課すことになれば、円高・株安への警戒感が高まり、ドル円の113円台回復の足かせとなります。
一方、日経平均株価は海外投資家による先物主導の買いを中心に大幅に上昇、今年2月初旬の急落で空けた「窓埋め」を達成、先週末9/21には一時23,971円まで上昇するなど、今年1/23の年初来高値(24,124円、ザラ場高値:24,129円)が意識される水準まで上昇しています。
先週、ハト派と見られていたFRB高官から相次いで利上げに前向きな発言が聞かれるなど、利上げそのものが実体経済に悪影響を及ぼす可能性がやや後退しているように思われます。
一方、米中の貿易問題を巡る対立の長期化が懸念されるほか、中国の景気減速への警戒感など懸念材料は燻った状況が続いています。それでも、日本の大企業製造業の想定為替レート(107円00銭)から見ると円安水準にあるだけに、企業業績の上振れ期待も日経平均株価の上昇を支援しています。
FOMCや日米首脳会談が大きな波乱要因になるのか、杞憂に終わるのか、ドル円は日経平均株価とともに今年1月に付けた年初来高値を更新するのか、年末までの相場動向を占う上からも注目されます。