前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の流れを引き継ぎ、上値の重い展開で始まった。日経平均株価は小動きの展開で始まり、その後一段の下落となったことで、投資家のリスク回避志向が強まり、安全な資産とされる円を買う動きが優勢となった。
ただ、下げ一巡後は、米当局者が早期の利上げに前向きな発言をしたことなどを受けて、ドルを買う動きも見られた。 しかし、フランス大統領選挙に対する不安や、米債券利回りの低下などを受けて円買いが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
そして、米国市場では、下げが一服したことから底固い動きとなり、フランス大統領選の先行き不透明感が後退するとの見方からユーロ買いが優勢となり、円が主要通貨に対して売られた。しかし、FOMCの議事録を受けて、ドルが主要通貨に対して下落となり、クロス円も軟調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が小幅下落し、投資家のリスク回避志向が強まったことから、安全な資産とされる円を買う動きが優勢となった。仲値公示近辺では、ドル買いが見られたものの、その後は短期筋の投げとみられる売りに押された。
(2)下げ一巡後は、株価が底固い動きとなったこともあり、値を戻す動きが見られた。しかし、積極的な売買が手控えられていたことから、上値も限定的となった。
(3)欧州の政治的な懸念を背景に、投機筋のユーロ売りが強まっており、これがリスク回避の動きに繋がり、ドル/円やその他のクロス円まで影響した。特に、ユーロ/円は118.60まで下落し、2016年11月29日以来の安値を付けた。
(4)仏中道・民主運動のバイル氏がマクロン氏に共闘を提案、マクロン氏が受諾したとの報道を受けて、フランス大統領選の不安が後退するとの見方が強まり、ユーロが主要通貨に対して上昇した。ドル/円やその他のクロス円も堅調な動きとなった。
(5)FOMCでは、ドル高による下振れリスクがあることが言及されたことから、ドル売りが優勢となり、クロス円も軟調な動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、海外市場の流れを引き継いだ動きが予想される。ドルは、FOMCの議事録でドル高による下振れリスクが指摘されたことから、上値の重い動きが考えられる。一方、ユーロは、フランス大統領選の不安が後退するとの見方から堅調な動きが続いており、引き続き底固い動きも考えられる。海外市場では、昨日の材料が引き続き意識される可能性があるものの、トランプ米大統領の政策を見極めたいとの思惑も根強いことから、限定的な動きが考えられる。ただ、要人発言や新たな報道がある場合には、昨日のような急な動きとなる可能性も想定しておきたい。
2/23の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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24.0万件 | 23.9万件 |
前回は、市場予想を下回り、23万件台を維持した。今回の市場予想では、前回の結果から若干の増加が予想されているが、初めて3週連続の23万件台となるのか注目したい。 |