前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れを受けて、序盤から底固い動きとなった。そして、日経平均株価が上昇して始まったことや、実需のドル買いフローも入り、ドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。ただ、その後は日経平均株価がマイナス圏に下落したことや、ECB理事の発言を受けてユーロ買い・ドル売りが強まり、ドル/円は111円台を割り込む動きとなった。また、クロス円も軟調な動きとなった。
その後、ドル/円は値頃感の買い戻しが見られたことや、欧米の国債利回りの上昇を受けて、日本との金利差拡大が意識され、円が売られる動きとなった。米国市場では、ダウ平均株価が堅調な動きとなったことや、米経済指標が比較的良好な結果となったことも影響し、ドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が上昇したことに加え、商業決済が集中しやすい五十日(ごとおび)で輸入企業のドル買い・円売りも見られ、仲値公示近辺まで堅調な動きとなった。
(2)日経平均株価がマイナス圏まで下落、またメルシュECB理事が講演で、ユーロ圏の基調的なインフレ率は徐々に上昇するとの見方を示したことを受けて、ユーロが対ドルで上昇。ドルは対円で上値の重い動きとなった。
(3)欧州主要株価の上昇に加え、ドイツ10年債利回りが0.496%から0.527%まで、米10年債利回りが2.248%から2.281%にそれぞれ上昇したことで円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(4)欧米の株価上昇や、米消費者信頼感指数が市場予想を上回る結果となったことを受けて、投資家がリスク志向を強め、相対的に安全な通貨とされる円を売ってドルを買う動きが優勢となった。ただ、FOMCの初日の会合が始まると、様子見ムードも強まり、小動きとなった。しかし、終盤には米国債利回りが一段の上昇となったことが、ドルの押し上げ要因となった。一方、IMFの年次報告書で、「ECBはインフレ率が目標を下回っているため、強力な金融緩和策を継続するべき」と指摘されたことを受けて、ユーロは主要通貨に対して下落した。
本日のトピックス
東京市場では、日本の主要な経済指標の発表がないことや、米FOMCの結果発表を控えていることから、様子見ムードも強まり、限定的な動きが考えられる。今後の各国の金融政策の行方を見る上では、オーストラリアの消費者物価指数、英国のGDPの結果にも注目したい。そして、米FOMCでは、政策金利の据え置きがコンセンサスとなっている。マーケットでは、9月の会合でバランスシートの縮小開始が発表されるとの見方が大勢を占めており、今回はバランスシートの縮小のヒント、インフレの低迷は一時的との判断を示すのかに注目したい。
7/26の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
23:00 | 米国 |
6月新築住宅販売件数
新築住宅販売件数は、米国内で販売された新築住宅件数(売買契約締結時点)を集計した経済指標であり、地域別の販売件数や販売価格、一戸建やコンドミニアム、集合住宅を含めた数字も発表されている。そして、景気動向の先行を見る上で注目されている指標の一つである。
|
61.5万件 | 61.0万件 |
前回は、市場予想を上回る結果となり、4月の大幅低下から改善した。ただ、住宅価格が過去最高水準となり、低価格での供給がタイトな状況が示唆された。今回は、若干の改善が予想されているものの、価格上昇の懸念があることや、先に発表された中古住宅販売が減少したこともあり、下振れへの警戒感もある。 | ||||
翌3:00 | 米国 |
FOMC政策金利発表
FOMC(Federal Open Market Committee 連邦公開市場委員会)は、米国における金融政策の最高意思決定機関で、公開市場操作の方針を決定する委員会である。メンバーはFRBの議長、副議長を含む7名の理事と、ニューヨーク連銀総裁、地区連邦準備銀行の総裁4名の計12名から構成されている。
|
1.00%-1.25% | 1.00%-1.25% |
前回6月は、利上げが決定され、年内にバランスシートの縮小に着手する方針が明らかにされた。今回は、政策金利の据え置きが予想されているが、注目は声明でバランスシート縮小のヒントが示されるのか、また景気やインフレ動向に対してどのような認識を示すのかに注目したい。 |