前営業日トピックス
アジア市場では、日本市場が祝日で休場となり、新規材料に乏しい中、序盤から狭いレンジ内の動きが続いた。欧州主要株価が上昇して始まったことを受けて、欧州勢が円売りを先行させたものの、株価が上げ幅を縮小したことや、米国債利回りが低下したこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。米国市場では、主要な経済指標の発表がなく、やや材料に乏しい中、米国債利回りが上昇に転じたことを材料に、ドル買い・円売りとなった。ただ、FOMCを控えて様子見ムードも強まりつつあることから、やや上値は限定的となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)安倍晋三首相による電撃的な衆院解散の可能性が報道されたことを受けて、安倍政権が長期化して日本の金融緩和策が続くとの見方から、円を売ってドルを買う動きが先行した。ただ、日本市場が休場となり、新規材料に乏しいことから値動きは限定的となった。
(2)欧州主要株価が堅調な動きで始まったことを受けて、円が売られたものの、その後上げ幅を縮小したことから上値の重い動きとなった。週明けで欧州市場でも新規材料に乏しく為替市場は、株価の動きに沿った動きとなった。
(3)米国市場では、主要な米国の経済指標の発表もなく新規材料に乏しい中、米国債利回りの上昇を受けて、ドル買い・円売りが優勢となり、ドル/円は7月27日以来の高値を付ける動きとなった。また、ユーロ/円も2015年12月以来の高値を付けた。一方、カナダ中銀の副総裁が、カナダ・ドルの上昇を注視していく考えを示したことを受けて、カナダ・ドルは主要通貨に対して下落した。また、カーニー英中銀総裁が、先行きに「相当なリスク」があるものの、今後数カ月で利上げが必要になる可能性があると指摘したが、発言後に利益確定売りが広がり、ポンドは主要通貨に対して軟調な動きとなった。
本日のトピックス
休場明けの東京市場では、前日の海外市場で堅調だった株価動向を受けて、日経平均株価が8月8日以来の2万円台乗せとなるのか注目される。また、やや新規材料に乏しい中、為替市場は株価の動きに左右される可能性も考えられる。米国市場では、物価関連、住宅関連の主要な経済指標の発表が予定されており、結果に注目したい。特に、米FOMCの結果発表を控えていることから、結果を受けて敏感に反応する可能性も考えられる。
9/19の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
8月住宅着工件数(前月比)
住宅着工件数は、建設が着工された民間住宅の着工件数を集計した経済指標で、家電製品などの個人消費との相関性も高いことから、景気動向を見る上で重要な指標である。また、天候の影響を受けやすいという面もある。
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117.4万件 | 115.5万件 |
前回は、市場予想に反して減少となり、特に集合住宅が-15.3%と大きく減少したことが影響した。今回は、前回から若干の改善が予想されている。FOMCの結果発表を控えていることもあり、通常よりも敏感に反応する可能性も考えられる。 | ||||
21:30 | 米国 |
8月輸入物価指数(前月比)
輸入物価指数は、輸入時の価格を指数化したものであり、特に、他の物価関連の指標と同様に国内のインフレ動向の先行指標の一つとして注目される経済指標。ただ、輸入時ということで、原油相場や為替相場の影響を受ける傾向にある。
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0.4% | 0.1% |
前回は、市場予想と一致し、3ヵ月ぶりのプラスとなった。石油価格が5ヵ月ぶりにプラスに転じたことが影響した。8月は原油の平均価格が前月より高いこともあり、今年1月以来の高い伸びが予想されている。なお、FOMCを控えて物価関連指標には注目が集まっており、通常より敏感に反応する可能性も考えられる。 |