前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の流れ引継ぎ、底固い展開で始まった。日経平均株価や中国株が堅調な動きとなったことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。しかし、米中通商協議の行方を見極めたいとの思惑もあり、やや上値は限定的となった。そして、ドル/円は109.00近辺では上値の重い動きが続いた。
米国市場では、序盤から複数の米金融当局者のハト派的な発言が相次いだことが嫌気され、ドル売りが先行した。また、前日比200ドル高近くまで上昇していたダウ平均株価がマイナス圏まで下落するなど、主要株価指数が軒並み上げ幅を縮小したことも加わり、クロス円も軟調な動きとなった。さらに、FOMC議事要旨では、追加利上げに対する慎重姿勢が示されたことを受けて、ドルが一段の下落となった。一方、米主要株価指数が再び上昇に転じたことや、対ドルでの上昇もありクロス円は底固い動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場でトランプ米大統領が対中協議は非常に順調と発言したことを受けて、堅調な動きとなった流れを受けて、序盤のドル円・クロス円は底固い動きとなった。1日延長して米中通商協議が実施されることから様子見ムードも出ており、日経平均株価が上昇して始まったものの、反応は限定的となった。
(2)日経平均株価がジリ高の展開となったことや、香港、上海株が堅調な動きとなったことも加わり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。一方、注目されたトランプ米大統領の国境問題に関する演説は、踏み込んだ発言がなかったことから、反応は限定的だった。ドル/円は、109.00円近辺で引き続き上値の重い動きが続いた。
(3)序盤からシカゴ連銀総裁、アトランタ連銀総裁、セントルイス連銀総裁の金融政策に関するハト派的な発言が相次いだことが嫌気され、ドル売りが優勢となった。さらに、200ドル高近くまで上昇していたダウ平均株価がマイナス圏まで下落するなど、主要株価指数が軒並み上げ幅を縮小する動きとなったことも加わり、クロス円も軟調な動きとなった。
(4)FOMC議事要旨では、利上げは全会一致での決定だったが、数人の参加者が据え置きを支持したことが明らかとなるなど、追加利上げに対する慎重姿勢が示されたことを受けて、ドルが一段の下落となった。一方、米主要株価指数が再び上昇に転じたことや、対ドルでの上昇もありクロス円は底固い動きとなった。また、NY原油価格が8営業日続伸となったことが好感され、資源国通貨も堅調な動きとなった。ただ、トランプ米大統領が、民主党のペロシ下院議長、シューマー院内総務と会談を実施したが、時間の無駄との理由で退席したと報道されたことから、米国の政府機関の閉鎖が長期化するとの見方が広がり、終盤にドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
本日のトピックス
昨日の米国市場では、「12月の利上げで中立金利に近づいた」、「追加利上げが米国経済をリセッションに陥れる」など、複数の米当局者の発言が影響し、ドル売りが加速した。ただ、米中通商協議の内容も予想の範囲内の結果(次官級レベルでの合意)との見方が一部であったことや、109円台を維持できなかったことによる失望も加わったことで、下げ幅が拡大したとも考えられる。 そして、国境壁建設に関して、トランプ米大統領と、民主党のペロシ下院議長、シューマー院内総務との会談が決裂したことで、米国の一部の政府機関の閉鎖が長期化するとの懸念が広がったことで、ドルは引き続き上値の重い動きが続く可能性も考えられる。
本日、トランプ米大統領がメキシコとの国境を訪問する予定となっている。先日の国境警備に関する演説では踏み込んだ発言がなかったが、昨日の会談が決裂していることや、議会の承認なしでメキシコ国境の壁建設を宣言する可能性を示唆していたこともあり、動向には注意が必要だろう。
1/10の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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22.5万件 | 23.1万件 |
前回は、市場予想を上回り、4週間ぶりの高水準となった。3週連続で増加となった反動から、今回は若干の改善が予想されている。年末年始の統計であることから、申請を見送ったケースも考えられることから、予想以上の減少も考えられる。ただ、反応は限定的だろう。 |