前営業日トピックス
東京市場では、新規材料に乏しい中、序盤から小動きの展開で始まった。そして、上昇して始まった日経平均株価がマイナス圏まで下落したことや、前日まで上昇していた人民元が反落したことも加わり、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
米国市場では、米住宅着工件数が悪化したことを受けて、ドルは軟調な動きとなったが、その後に発表されたリッチモンド連銀製造業指数、消費者信頼感指数がともに市場予想を大きく上回る結果となったことを受けて、ドルは値を戻した。注目されたパウエルFRB議長の議会証言では、引き続きハト派的な見方が示されたことや、米国債利回りが低下したことも加わり、ドル売り・円買いが優勢となり、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場でドル、ユーロ、ポンドが対円で年初来高値を更新したが、その流れが一服しており、序盤から小動きの展開が続いた。昨日は、月末のスポット応答日だったことから、仲値公示にかけて輸入企業のドル買いも見込まれていたものの限定的だった模様。その後は、輸出企業のドル売りが観測されたことや、7カ月ぶりの高値を付けていた人民元が反落したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。さらに、日経平均株価がマイナス圏まで下落したことも影響した。
(2)午後に入り、インドがパキスタン上空を侵犯し、爆弾を投下したとの報道なども影響し、日経平均株価が一段の下落となったものの、反応は限定的となり、再び小動きの展開が続いた。
(3)12月の米住宅着工件数が2016年9月以来、2年3ヵ月ぶり低水準に悪化したことや、米10年債利回りが2.664%から2.632%まで低下したことを受けて、ドル売り・円買いとなった。しかし、その後に発表されたリッチモンド連銀製造業指数、消費者信頼感指数がともに市場予想を大きく上回る結果となったことを受けて、ドルは値を戻した。注目されたパウエルFRB議長の議会証言では、「米経済は前年から幾分減速する」、「金融政策に関し忍耐強く利上げに対応する」と改めて表明したことから、ドルは再び軟調な動きとなった。
(4)7年債入札では、応札倍率が上昇するなど需要が強まったことから米国債相場が堅調となり、利回りが低下したことを受けて、ドル売り・円買いが優勢となり、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。一方、メイ英首相がEU離脱期日の延期の可能性を示したことで、合意なき離脱が回避されるとの見方が広がったことが引き続き材料視され、ポンドは主要通貨に対して堅調な動きとなり、対ドルで昨年9月以来、対円でも昨年11月以来の高値を付けた。
本日のトピックス
本日は、ベトナムのハノイで米朝首脳会談が予定(27-28日)されており、注目が集まっている。マーケットへの影響は前回同様に限定的と考えられるが、非核化や朝鮮戦争終結宣言に向けた道筋に進展が見られるようなら、アジアの株式市場が反応し、それが波及する可能性も考えられる。
米国市場では、昨日の上院に続きパウエルFRB議長の議会証言が下院で行われる予定となっている。内容はほぼ同じであることから、マーケットの反応は限定的だろう。また、東京市場序盤に、米下院でトランプ大統領が発令した非常事態宣言の無効化の決議案が可決したとの報道があった。今後は、上院で採決されることになる。上院は共和党が多数派を占めていることから、可決は難しいと見られているが、採決が実施される場合には注目したい。
2/27の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
1月中古住宅販売仮契約(前月比)
中古住宅販売仮契約は、全米不動産業者協会が発表する中古住宅販売の仮契約を指数化したもの。2001年を100として表す。仮契約は通常1-2ヵ月以内に本契約に移行するため、仮契約指数は中古住宅市場の先行指数とされる。
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0.8% | -2.2% |
前回は、市場予想を下回り、3ヵ月連続のマイナスとなった。また、前年比では8ヵ月連続のマイナスとなった。西部地区以外はマイナスとなり、特に最大地域の南部が5ヵ月連続のマイナスとなったことが影響した。今回は、4ヵ月ぶりのプラスへの改善が予想されているが、南部の改善が見られるのかポイントとなる。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
ドル/円は、やや小動きの展開が続いており、チャート上では一目均衡表の転換線近辺でサポートされる展開が続いていた。現状では、ここまでサポートされていた転換線を下抜けていることから、今後の展開が注目される。
ここまで基準線の上向きが続いている(111.23を上抜けないなら7日までは横ばい、その後再び上昇となる)ことから、再び転換線を上抜ける動きとなる場合には、底固い動きが続く可能性も考えられる。そして、111.23を上抜けるようなら、一段の上昇となる可能性も考えられる。
ただ、オシレーターのMACDでは、両線の乖離幅が縮小しており、両線がクロスする場合には軟調な動きに転換するシグナルの一つとなることから注目したい。クロスして軟調な動きとなる場合には、一目均衡表の雲上限ライン(27日109.568、28日109.538、1日以降109.482)、基準線(109.866)、トレンドラインなど重要なポイントが集中する近辺までの調整となる可能性も考えられる。