前営業日トピックス
東京市場が休場となり、新規材料に乏しい中、序盤からやや小動きの展開となった。一方、オーストラリアの失業率が7年10ヵ月ぶりの低水準に改善したことを受けて、豪ドルは堅調な動きとなる場面もあった。
米国市場では、米10年債利回りの低下を受けて、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。しかし、発表された米経済指標が軒並み予想より改善したことや、序盤に下落した株価が堅調な動きとなったことなどの影響を受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、低下していた米10年債利回りが上昇したことも押し上げ要因となった。一方、英国のEU離脱に関する不透明感が依然として強いことから、ポンドは主要通貨に対して軟調な動きとなったが、EU大統領が条件付きで5/22までの離脱延期を提案したとの報道を受けて、ポンドは底固い動きとなった。
※出所:FX総合分析チャート 10分足
(1)日本が祝日で休場となる中、新規材料に乏しい中、序盤は小動きの展開となった。その中で、豪州の雇用統計が発表され、失業率が2011年6月以来の低水準となったことから、豪ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。その後は、米長期金利の低下を背景にドル売り・円買いの動きが優勢となり、ドル/円は110.30まで下落し、2/15以来の安値を付けた。
(2)ドル円・クロス円は、その後値を戻す動きとなったものの、米ダウ先物が6日ぶりの安値を付ける動きとなったことや、米10年債利回りが一時2.498%まで低下し、昨年1月以来の低水準となったことも影響し、ドル/円は再び110.30台まで下落した。
(3)新規失業保険申請件数、フィラデルフィア連銀製造業指数、景気先行指数も市場予想を上回る結果となったことや、序盤に下落した株価が堅調な動きとなったことから、ドル買い・円売りが優勢となり、ドル/円は110.96まで上昇した。さらに、2.497%まで低下していた米10年債利回りが2.542%まで上昇したことも押し上げ要因となった。一方、英国のEU離脱に関する不透明感が依然として強いことから、ポンドはドルや円など主要通貨に対して軟調な動きとなった。ポンド/円は、一時約2週間ぶりの安値となる144.14まで下落した。その後、EU大統領が条件付きで5/22までの離脱延期を提案したとの報道を受けて、ポンド売りが後退した。
本日のトピックス
米FOMCで年内の利上げ予想回数が12月の2回からゼロに引き下げられたことを受けて、ドルは一段の下げとなった。昨日の海外市場では、110.90まで値を戻したものの、111円台を前に上値の重い動きとなった。本日は、再び111円台への戻りが見られるのか、引き続き上値の重い動きとなるのか注目される。
東京市場では休場明けの週末となることや、米国市場ではFOMCなどのイベント終了後の週末であることから、やや限定的な動きとなる可能性も考えられる。一方、英国のEU離脱に関する動きが出ており、関連する報道や要人発言には引き続き敏感に反応する可能性もあることから注意したい。
3/22の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
2月中古住宅販売件数
中古住宅販売件数は、所有権が移転した中古住宅の販売件数であり、米国の景気動向を見る上で重要視されている経済指標の一つである。所得やローン金利の動向に影響を受けることから、ローン金利動向やローン申請件数と関係も深い。
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510万件 | 494万件 |
前回は、市場予想を下回り、2015年11月以来の低水準となった。すべての地域で減少となったことが影響した。今回は、増加が予想されており、一部の住宅関連指標では改善が見られることから、減速が続く中古住宅販売に改善の兆しが見られるのか注目される。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
ドル/円は、一目均衡表で相場の流れが変わりやすいとされるポイント通過後に、やや軟調な動きとなったことや、基準線・転換線を下抜けたこと、さらに基準線・転換線の交差したことも加わり、軟調を示唆するチャート形状となっている。ここから、軟調な動きが続くのか、再び基準線・転換線を上回る底固い展開となるのか注目したい。
相場の方向性を見る上で注目される一目均衡表の基準線は、上向きや下向きにラインの動きが転換する場合に、相場のポイントとなるケースが多いことから注目したい。基準線は、本日111.197に位置しているが、3/25には111.215に上昇する。その後は、4/9まで横ばいが続き、下向きに転換する。ただ、110.299を下回る場合にはその時点から低下となることから、目先の下値のポイントは110.299と考えられる。