前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の堅調な流れが一服し、序盤からやや上値の重い動きとなった。上昇して始まった日経平均株価が一時マイナス圏まで下落したことや、米国債利回りの低下もあり、上値の重い動きが続いた。その後、一時108.91まで下落する場面もあったが、下値は限定的だった。
米国市場では、序盤からドル円・クロス円は小幅レンジでのもみ合いが続いたが、トランプ米大統領と習近平中国国家主席による第1段階の合意署名が12月に延期される可能性があるとの関係者の話が報道されたことを受けて、合意への期待感が後退し、ドル円・クロス円は一段の下落となった。さらに、株価が一段の下落となったことや、米国債利回りの低下したことも影響した。
米株式市場では、ダウ平均株価が一時前日比84ドル安まで下落したものの、引けにかけて下げ幅を縮小し0.07ドル安で終了、ナスダックは24ポイント安で終了し、ダウ平均、ナスダックともに4営業日ぶりに反落となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の米国市場の堅調な流れが一服し、序盤からドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。新規材料に乏しい中、前日比100円高まで上昇した日経平均株価がマイナス圏まで下落したことや、米10年債利回りが1.854%から1.837%まで低下したことを受けて、ドル/円は109.01まで下落した。
(2)ドル/円は109円台を割り込まずに底固い動きとなった。さらに、日経平均株価がマイナス圏から反発し、小動きながら堅調となったことや、米10年債利回りが1.854%まで再び上昇したこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きが続いた。その後はストップを巻き込み、ドル/円108.91まで下落した。
(3)米国市場では、序盤に発表された米非農業部門労働生産性が市場予想を大きく下回り、2015年10-12月期以来の低水準となったことを受けて、ドルはやや軟調な動きとなった。
(4)米主要株価指数が小動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は小幅レンジでのもみ合いが続いたが、トランプ米大統領と習近平中国国家主席による第1段階の合意署名が12月に延期される可能性があるとの米政府高官の話が報道されたことを受けて合意への期待感が後退し、小動きが続いた株価が一段の下落、さらに米10年債利回りも1.847%から1.805%まで低下となったことが影響し、ドル円・クロス円も下落となった。一方、12月の英総選挙に関する世論調査で、与党保守党の支持率が低下したことが示されたことを受けて、ポンドは主要通貨に対して下落した。
本日のトピックス
米中の通商協議の行方を見極めたいとの思惑が強まっており、関連する報道や要人発言には敏感に反応するケースが続いているため、引き続き注意したい。ただ、両国政府の現状を考慮すれば、12/15の追加関税発動までに合意し、関税発動回避に向かう可能性は依然として高いとの見方が大勢となっており、材料が少ない中でマーケットがやや過敏に反応したと考えられている。合意すれば株価やドル円・クロス円の一段の上昇が期待されているだけに、引き続き過敏に反応する可能性が考えられる。また、本日も米国市場では、複数の金融当局者の発言が予定されているが、ここまでのマーケットの反応は限定的となっている。マーケットの注目が通商問題に向いている中では、ややインパクトに乏しいとみられるものの、一応注目しておきたい。
11/7の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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21.5万件 | 21.8万件 |
前回は市場予想を上回る結果となったものの、6週間連続で21万件から22万件での範囲で推移しており、比較的安定的といえる。今回は、レンジの中心近辺が予想されていることから、予想通りの結果ならマーケットの反応は限定的だろう。ただ、レンジをどちらかに抜ける場合にはやや反応が出る可能性もあり、注目したい。 |