前営業日トピックス
東京市場では、序盤から600円超の下落となった日経平均株価がプラスに転じ、550円超の上昇となったことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、一時107.20まで上昇したものの、日経平均株価が再びマイナス圏まで下落したこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
米国市場では、新型コロナウイルスの感染拡大を巡り、FRBが企業支援のためにコマーシャルペーパーの購入を発表したことや、トランプ米政権の景気刺激策が1兆ドル(約107兆円)規模と報道されたことを受けて、ダウ平均株価が一時前日比1190ドル高まで上昇するなど、主要株価指数が軒並み大幅上昇となったことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、米国債利回りの上昇も加わり、ドル/円は一時107.86まで上昇した。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤に一時前日比306ドル安まで下落し、約3年1ヵ月ぶりに節目となる2万ドルを割り込んだ。しかし、その後は上昇に転じて前日比1190ドル高まで上昇、高値圏を維持して1048ドル高で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、6.2%上昇の430ポイント高で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が序盤から軟調な動きとなり、一時前日比623円安まで下落したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。しかし、国内の輸入企業のドル買い観測に加え、米株先物が時間外取引で急伸してサーキットブレーカーが発動されたことなどを材料に、日経平均株価もプラスに転じ、一時555円高まで上げ幅を拡大したことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、米10年債利回りが0.730%から0.800%まで上昇したことも加わり、ドル/円は107.19まで上昇した。
(2)上昇一服後に、日経平均株価が上げ幅を縮小し、再びマイナス圏まで落ち込む動きとなったことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ドル/円は107円台では上値の重い動きとなり、106円台前半まで下落した。ただ、上げ幅を縮小していた米株価先物が再び制限幅いっぱいの上げ幅となったこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された米経済指標結果には限定的な反応だった。その後、FRBが企業の資金繰り支援のためにCP(コマーシャルペーパー)の購入を発表したことを受けて、一時マイナス圏まで下落していた米主要株価指数が軒並み上昇に転じ、ドル円・クロス円も底固い動きとなった。さらに、新型コロナウイルスの感染拡大を巡るトランプ米政権の景気刺激策が1兆ドル(約107兆円)規模になると報道されたことを受けて、ダウ平均株価が一時前日比1190ドル高まで上昇するなど、主要株価指数が軒並み大幅上昇となったことから、ドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。さらに、米10年債利回りが0.730%から1.098%まで上昇したことも加わり、ドル/円は107.86まで上昇し、アジア時間序盤に付けた105円台から大きく上昇した。一方、緊急理事会で豪中銀が緊急利下げや量的緩和を実施するとの懸念から、豪ドルは対ドルで2003年4月以来の安値まで下落しており、対円でもやや上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
米政権が1兆ドル規模の経済対策との報道を受けて、米主要株価指数は軒並み上昇となったが、米議会の承認が必要であり、米大統領選を控えていることから野党民主党が支持するかどうかが注目される。米ダウ平均株価は、一時2万ドル割れとなったものの、発表を好感して大幅上昇となっており、海外の株高を受けて日経平均株価も序盤から堅調な動きとなっている。
ただ、新型コロナウイルスの感染拡大が抑えられるわけではないことから、引き続き不安定な動きが続く可能性も考えられる。為替市場も株価の動きに左右される展開が続いていることから、株価の動きを注意深く見る必要があるだろう。
本日の米国市場では、住宅着工件数の発表が予定されているが、昨日の指標発表でも反応が限定的だったこともあり、注目度は薄れている。むしろ、株式市場や債券市場の動向が注目されている。
ドル/円は、昨日の海外時間に107.86まで上昇した後は、やや上値の重い動きとなっている。そのため、107.86が目先の上値のポイントとなっている。ドルは、対ユーロで7営業日続伸するなど、欧州通貨やオセアニア通貨に対して上昇が続いており、この流れが続き、さらに株価が引き続き堅調な動きとなるようなら、ドル/円は先週末に付けた108.50の上抜けを試す展開も考えられる。ただ、対欧州、オセアニア通貨に対して調整となる場合には、やや上値の重い動きとなる可能性もあり、この点にも注目したい。
3/18の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
2月住宅着工件数
住宅着工件数は、建設が着工された民間住宅の着工件数を集計した経済指標で、家電製品などの個人消費との相関性も高いことから、景気動向を見る上で重要な指標である。また、天候の影響を受けやすいという面もある。
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150.2万件 | 156.7万件 |
前回は市場予想を上回ったものの、2006年12月以来の高水準となった12月の結果からは低下した。低い住宅ローン金利が下支え要因となり、高水準を維持した。今回は、前回からさらに低下が予想されているが、着工件数の先行指標となる許可件数が前回2007年3月以来の高水準となったことから、予想を上回るとの期待感もあり、結果が注目される。 |