前営業日トピックス
週明けのアジア市場では、日本市場が休場となり新規材料に乏しく、ドル円・クロス円は小動きの展開が続いた。その後、中国株が上げ幅を拡大したことや、欧州主要株価指数が上昇して始まったこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。ドルは主要通貨に対して上昇したこともあり、対円でも堅調な動きとなった。
米国市場では、欧州市場の堅調な流れが一服し、ドルは序盤から主要通貨に対して軟調な動きとなった。トランプ米大統領が追加の経済対策を実施する大統領令に署名したことを受けて、投資家のリスク回避の動きが和らぎ、ドルは主要通貨に対して軟調となった。さらに、米国債利回りが低下したことも加わり、ドル/円は105.71まで下落した。その後は下げが一服し、ドル買い戻しに加え、米国債利回りが上昇に転じたこともあり、ドル/円は105.97まで上昇した。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前週末比370ドル高まで上昇した。その後は高値圏を維持したまま357ドル高(+1.30%)で終了、7営業日続伸で2月下旬以来約5ヵ月半ぶりの高値水準となった。一方、ハイテク株中心のナスダックは、42ポイント安(-0.39%)で終了、続落となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)週明けの日本市場が休場となり、新規材料に乏しい中、先週末の7月の米雇用統計で雇用者数の伸びが市場予想を上回ったほか、失業率の改善も確認され米経済の回復期待が維持されたこともあり、ドル円・クロス円は小動きながら底固い動きが続いた。
(2)中国株が下げ幅を拡大したことや、欧州主要株価指数が序盤から堅調な動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。さらに、ドルはユーロやポンドなど主要通貨に対して上昇したことも加わり、対円でも堅調な動きとなり、ドル/円は一時106.20まで上昇して8/3以来の高値となった。
(3)米国市場では、欧州市場の堅調な流れが一服し、序盤から軟調な動きとなった。トランプ米大統領が先週末に失業保険給付の上乗せなど追加の経済対策を実施する大統領令に署名したことが改めて材料視され、投資家のリスク回避の動きが和らぎ、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、米国債利回りが低下したことも加わり、ドルは対円でも軟調な動きとなり、ドル/円は一時105.71まで下落した。
(4)下げ一服後は、ドル買い戻しに加え、米10年債利回りが0.544%から0.578%まで上昇したことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は105.97まで上昇したものの、106円台を前にして上値の重い動きとなった。一方、ユーロやポンドは対ドルで下落に転じたことから、対円でも上値の重い動きとなった。エルドアン・トルコ大統領が政策金利のさらなる低下を望むと発言したことを受けて、トルコ・リラは主要通貨に対して上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
先週末にトランプ米大統領が、失業保険の上乗せなど、追加の経済対策を実視する大統領令に署名したことから、米景気懸念が和らいだ。先週末に経済対策案の与野党合意が決裂したが、米財務相が今週中にも合意できるとの見方を示しており、合意できるかが注目されている。
ドル/円は、104円台まで下落した後に106.47まで値を戻したものの、106円台では上値の重い動きが続いており、昨日の米国市場でも106円台で上値の重い動きが続いた。連休明けの東京市場では、ドル/円は106円台で推移しているが、このまま底固い動きが続き、8/3高値の106.47を上抜けて一段の上昇となるのかどうかが注目されている。
一方、ユーロは対ドルでやや軟調な動きが続いており、対円でも上値の重い動きとなっている。ユーロ/ドルは、前回下げ止まった1.1696が下値のポイントと見られており、ここを下抜けて本格的な調整となるのか、この近辺で底固い動きとなるのか注目されている。
8/11の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
21:30 | 米国 |
7月生産者物価指数(前月比)
生産者物価指数(PPI=Producer Price Index)は、米国内の販売業者の販売価格を調査し、算出した物価指数。特に、振れ幅の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されており、消費者物価指数(CPI)と同様にインフレ圧力を測る指標として注目されている。
|
0.3% | -0.2% |
前回は市場予想を下回り、過去最大の大幅低下から改善した流れが再び低下し、マイナスとなった。新型コロナウイルスの感染拡大で需要の落ち込み、インフレ圧力限定的となっていることが示された。今回は、再び伸びが予想されており、回復の兆しが示されるのか注目されている。 |