為替、個別株、先物、オプションと幅広く取引している(幾分手を広げすぎかもしれませんが)私にすれば個別株の世界は一番人間らしいマーケットと感じられます。特に新興市場のマーケットは買い手と売り手の攻防戦が、とても身近に感じられるマーケットです。
ここを抜けたら買い手が投げてくる、ここを抜けたら買ってくるという雰囲気が感じられるマーケットだと思います。
だから新興市場のマーケットが大好きです。
私が銀行員時代にトレードしていた1980〜1990年代の為替のマーケットもそんな人間くささがたっぷりのマーケットでした。
しかし電子取引とアルゴリズムが支配するFXはいまや人間らしさのかけらも無いマーケットになってしまいました。
もちろん株式市場でもアルゴリズム取引はかなり活発に行われているでしょう。しかしまだFXほどで無いでしょうし、やはり株価は結局、個別企業の企業業績によって決まるという原則があると思います。
そのような意味では株式投資のほうがファンダメンタルズ分析で個別企業をほり下げることによる投資パフォーマンスの向上は見込めると思います。
FXの場合はまずは銘柄が株式と比べて非常に少ないです。各国のファンダメンタルズの違いは多少ありますが、結局はドルが上昇するか下落するか、リスク選好で円安になるか、リスク回避で円高になるかという動きがほとんどです。
その点、株式は、業績、配当、分割、合併、IPOさまざまな材料があり、投資の仕方がいくつもあるのでないかと思っています。そこらへんも株式投資の魅力なのかもしれませんね。
さて多くの商品をトレードしていると書きましたが、以前から証券会社さんに希望がありました。それは自分の資金を有効に活用したいということでした。同じ会社に資金を入れても個別株口座、先物オプション口座、FX口座とそれぞれ資金を分散させなくてはならず、相場が大きく動くときは振替も面倒です。
例えば個別株を買っていたり、株式口座に資金が入っていれば、それをそのまま先物、オプションやFXに利用できないものかということです。
個別株の信用力をいろいろな商品の証拠金として利用しますから掛け目が少々低くなるのはしょうがないのですが、ひとつの口座ですべてまかなえれば最高です。
そういう意味でSBI証券さんの個別株を担保にFXができる仕組みは株式とFXを両方トレードできる私にとってはありがたい仕組みです。
これはヨイショでもなんでもなく、資金を効率的に使いたいと思っていた私にとって待ってましたという仕組みです。
特に個別株ロング、夜中に海外市場でリスク回避の動きになったときはヘッジのために日経先物を売ったりドル円、クロス円を売るような緊急対応のときにありがたいです。
でも最近は東京市場で戻ってしまい、ヘッジしないほうが良かったという笑えないことも良くあるのですが….
個別株担保でFXが出来る仕組みは両方トレードする投資家にはありがたい仕組みだと思います。
プロフィール
田代 岳(たしろ がく)氏
YEN蔵こと田代岳
シティバンク、スタンダード・チャータード銀行と外資系銀行にて、20年以上、外国為替ディーラーとして活躍。1980年代後半から為替市場が大きく変動するマーケットを経験し、多くの修羅場を経験。
銀行退社後はADVANCEを設立し、経済・投資関連の執筆、セミナーを行いながら個人投資家としても活動している。個人投資家としてはFXのみならず個別株、株式先物、オプション、仮想通貨のトレードを行っている。
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