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今年買われた米国株(2019/11/20時点)
2019/12/4
商品開発部 中川 潤一
ここに注目
SBI証券 米国株式買付代金ランキング!(2019/1/4〜11/20)
順位 |
ティッカー |
銘柄名 |
主な事業内容、商品、サービス |
---|---|---|---|
1 | AMZN | アマゾン ドットコム | インターネット通販、クラウド |
2 | MSFT | マイクロソフト | PC向けソフト、クラウド |
3 | AMD | アドバンスト マイクロ デバイシズ | CPU、GPU、半導体 |
4 | AAPL | アップル | iPhone、iPad、Apple Watch |
5 | V | ビザ A | クレジットカード決済 |
6 | NVDA | エヌビディア | GPU、AI(人工知能)、半導体 |
7 | QCOM | クアルコム | 5G、通信技術 |
8 | BYND | ビヨンド ミート | 代替肉 |
9 | XLNX | ザイリンクス | 5G、FPGA、半導体 |
10 | TSLA | テスラ | EV(電気自動車)、太陽光発電 |
- ※集計期間:2019/1/4〜11/20、国内約定日ベース、ETFを除く。
11/20時点のデータですが・・どうやら今年もアマゾンが買付ランキング1位になりそうです!
「迷ったらアマゾンを買っておけばいい」という声も昔からよく聞かれますが、やはり日本でも圧倒的知名度を誇るアマゾン ドットコム(AMZN) が買付ランキング1位となりました。また、2位に入ったマイクロソフト(MSFT)も根強い人気がある銘柄で、 アマゾン同様にクラウド関係で大きな存在感を示していることから、こちらも王道銘柄の1つとしてよく名前が挙がります。
TOP10に入った銘柄は王道銘柄が多くなっていますが、そうした銘柄以外でTOP10に入ったものとしては、3位のアドバンスト マイクロ デバイシズ(AMD)や、8位の ビヨンド ミート(BYND)、10位の テスラ(TSLA) などが挙げられます。
これらの銘柄に共通していることは、既存勢力に挑戦していく、「創造的破壊者(Disruptor)」としての側面を持っているということかもしれません。アドバンスト マイクロ デバイシズ(AMD)は会社自体は昔からある企業ですが、直近までほぼインテル(INTC) の独占状態となっていたCPU市場で存在感を急速に示しています。ビヨンド ミート(BYND)は植物由来の素材を使った代替肉を武器に、新たな市場を開拓しています。また、 テスラ(TSLA)についても、既存の大手自動車メーカーがひしめくなかで、EV(電気自動車)を武器に、戦いを挑んでいる最中です。
現在、12/2から12/31までの期間で、「Amazonギフト券をもれなく400円分、抽選で10,000円分プレゼント!「米国株」年末Wキャンペーン!」を開催していますが、この機会にランキング上位に入った王道銘柄や、「次のアマゾン」になるかもしれない銘柄などへのご投資を、ぜひご検討ください!
各銘柄について動向を簡単に解説。
Andrei - stock.adobe.com
- ※出所:トムソン・ロイター(現地11/20までの過去1年間、移動平均線は52週)
- 昨年8月に2,000ドルを超えた後、一旦1,300ドルまで急落したことがまだ記憶に新しいアマゾン ドットコム(AMZN)ですが、今年の7月に2,000ドルを再度超えてきたものの、直近ではやや上値の重い展開が続いています。
- 10/24引け後に発表された決算では約2年ぶりの減益となった他、年末商戦シーズンのQ4売上高見通しが市場予想を下回ったことで、引け後の時間外取引で急落する場面もありました。
- 株価の上値が重い主な理由の1つとしては、これまで米国の国土が広大なことなどにより米国での展開が遅れていた「翌日配送サービス」の提供地域を拡大したことでコストが膨らみ、利益を圧迫しているということが挙げられます。
- 今後については見方が分かれるところですが、これまでも同社は「顧客ファースト」の精神のもと、大きな先行投資を行い、短期的な利益よりも長期的な顧客満足度の向上や規模の拡大を優先し、結果としてそれは大きな成功となりました。
- そうしたことを考えると、「翌日配送サービス」の提供地域の拡大は長期的には同社の成長につながり、実際に業績に表れてきた場合、株価は再度上昇トレンドに戻ることも考えられます。
- ※出所:トムソン・ロイター(現地11/20までの過去1年間、移動平均線は52週)
- 2014年にCEOに就任したサティア・ナデラ氏のもと、「クラウドへの大転換」を行ったマイクロソフト(MSFT)ですが、今年も引き続きクラウドサービスの「Azure(アジュール)」が好調で、株価も右肩上がりとなっています。
- それまではPC向けOSの「ウィンドウズ」や「オフィス」関連の新製品が出るタイミングなどに売上が左右される面もありました。
- しかし、たとえば「ワード」や「エクセル」といったソフトをサブスクリプション(定期支払)型の契約で、クラウド経由で提供することで、ユーザーから毎月定期的な収益が入るようになってきました。
- 直近の決算では「Azure(アジュール)」の成長率がやや減速した模様ですが、それでもその勢いは引き続き堅調です。
- また、世界的にクラウドが広がっていく中、直近では米国防省から大型の契約を獲得しており、同社には追い風が吹いているようです。
Denis Rozhnovsky - stock.adobe.com
- ※出所:トムソン・ロイター(現地11/20までの過去1年間、移動平均線は52週)
- CPUやGPU(グラフィック・プロセッサー・ユニット)を手がけるアドバンスト マイクロ デバイシズ(AMD)ですが、CPUの分野ではインテル(INTC)が、GPUの分野ではエヌビディア(NVDA)が圧倒的なシェアを誇り、AMDはここ数年は「インテルやエヌビディアが独占禁止法に引っかからないように、辛うじて生かされている存在」とでもいうような存在でした。
- しかしながら、「Ryzen」シリーズのCPUの登場で、性能面や価格面でインテルを逆転する場面が多くみられるようになり、AMDはその市場シェアを拡大しています。
- そうしたことを反映してか、株価は乱高下しながらも上昇トレンドとなり、今年の10月以降でも50%以上上昇するなど、現在非常に勢いのある銘柄となっています。
wachiwit - stock.adobe.com
- ※出所:トムソン・ロイター(現地11/20までの過去1年間、移動平均線は52週)
- iPhoneなどを手がけるアップル(AAPL)は、米中通商問題などの影響や、中国市場でiPhoneの売れ行きが減速していることなどが嫌気され、上値の重い展開が続いていました。
- しかしながら、「iPhone 11」の動向が思っていたよりも良好だと伝えられ、10/30の引け後に発表された決算でも年末商戦に向けて前向きな見方が示されたことなどから、株価は史上最高値を連日更新しています。
- また、同社はiPhoneの販売のみならず、「アップルミュージック」などのサービスも手がけ、直近ではそうしたサービス部門の売上高が全体の売上高に占める割合が上昇し、これまでほどiPhoneに依存しない企業体質へと変わってきています。
- ※出所:トムソン・ロイター(現地11/20までの過去1年間、移動平均線は52週)
- クレジット・デビットカードの決済ネットワークで世界最大手の一角を占めるビザ A(V)ですが、世界的なキャッシュレス化の流れに乗り、株価も安定して右肩上がりとなっています。
- フェイスブック A(FB) などが発表した仮想通貨などが将来的にはビザの脅威となる可能性もありますが、世界規模で普及した同社の決済ネットワークは高い参入障壁を築いており、今後も同社の高い競争力は維持されるものと考えられています。
- 同社は東京2020オリンピックの公式スポンサーでもあり、オリンピックに合わせて「Visaのタッチ決済(非接触決済)」の普及活動なども行っています。
- ※出所:トムソン・ロイター(現地11/20までの過去1年間、移動平均線は52週)
- 3DCGゲームなどの描画やデータセンター向け、AI(人工知能)のディープラーニング向けなどで幅広く使われるようになったGPU(グラフィック・プロセッサー・ユニット)を手がけるエヌビディア(NVDA) ですが、ビットコインなどの仮想通貨の「マイニング(採掘)」向けの需要が減少したことなどを受け、昨年後半からさえない展開が続いていました。
- 直近はデータセンター向けの需要が堅調であるとの見方などから、株価はやや反発しています。
- 今後は自動運転車などにも同社のGPUが使われる可能性などもあるほか、eスポーツなどが普及するなかで、ゲーム向けの需要もさらに広がる可能性もあります。
- ※出所:トムソン・ロイター(現地11/20までの過去1年間、移動平均線は52週)
- 通信用半導体大手のクアルコム(QCOM)はスマートフォン向けの通信半導体に強みを持ち、5G関連銘柄の本命の1つであると言われています。
- 2017年にはブロードコム(AVGO)から買収提案を受けましたが、トランプ大統領がこれに強く反対し、買収話はなくなってしまいました。
- その後はアップル(AAPL)とライセンス料の支払いなどで長らく法廷闘争を繰り広げていたこともあり、株価も低迷していましたが、今年4月に両社はすべての訴訟を取り下げることで合意し、株価は急騰。
- アップルとの訴訟問題という重しがなくなったことで、同社は5G関連銘柄の本命銘柄の1つとしてより投資しやすくなったのかもしれません。
Andrei - stock.adobe.com
- ※出所:トムソン・ロイター(現地11/20までの過去1年間、上場後1年未満であるため52週移動平均線は描画されていません)
- 今年の5月にIPOを行ったビヨンド ミート(BYND)は、植物由来の素材を用いて作る「代替肉」の販売で一躍有名となりましたが、株価は非常に値動きの荒い展開となっています。
- 同社の「代替肉」は精肉コーナーに置かれるなど、これまでの商品とは一線を画すものであるとも言われていますが、ライバル各社がこの分野に参入してくるなかで、競争環境は激しくなってきています。
- また、現在のところ業績は非常に堅調なものの、IPO前から株式を保有する経営陣などが株式を売却できない「ロックアップ期間」が終了することに伴う需給の悪化も懸念されている模様です。
- ※出所:トムソン・ロイター(現地11/20までの過去1年間、移動平均線は52週)
- ザイリンクス(XLNX)はFPGA と呼ばれる、製造後にも用途に合わせてカスタマイズできる半導体に強みを持つ企業ですが、他にもAI(人工知能)向けの半導体なども手がけています。
- 同社は通信業界向けでも強みを持ち、クアルコム(QCOM)同様に5G関連の本命銘柄の1つであると言われていますが、米中貿易摩擦のあおりを受け、直近の株価はやや低迷気味となっています。
franz12 - stock.adobe.com
- ※出所:トムソン・ロイター(現地11/20までの過去1年間、移動平均線は52週)
- EV(電気自動車)や太陽光発電、蓄電池などを手がけるテスラ(TSLA)はウォール・ストリートのアナリストの間や投資家の間でもっとも評価が分かれる銘柄の1つと言われています。
- 同社は長らく赤字が続き、資金が回らなくなり「いつ倒産してもおかしくない」と言われてきた一方で、短期的な利益よりも成長を優先する戦略などから、「昔のアマゾンを彷彿とさせる」といった声も一部であがっています。
- 10/23引け後に行われた決算発表では、市場の予想に反し黒字決算を発表し、株価は時間外取引で20%を超える急騰となりました。
米国株式は長期上昇トレンド
平成の30年間を振り返ると、日経平均株価が約26%ほど下落する一方で、NYダウ指数はその間、約12倍へと大幅高となりました。
米国株式は長期的にみて非常に良好なパフォーマンスを示しています。また、そのなかでも今回のランキング1位に入ったアマゾン ドットコム(AMZN) などは、指数を上回るさらに良好なパフォーマンスとなっています。
まとめ
以上、駆け足でのご紹介となりましたが、少しでも皆様のご参考になれば幸いです。また、SBI証券ではこうした各種特集のほか、アメリカ NOW!というレポートや、米国株式 One Pager!と題した銘柄情報も随時掲載していますので、併せてご活用いただければと思います。
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