前回のコラムで、相場の過熱感をはかる指標としてプット・コールレシオをご紹介しましたが、eワラント提供元のeワラント証券では「新規買い指数」と呼ばれる指標をあわせて公表しています。プット・コールレシオと新規買い指数は毎営業日更新される、eワラントDaily Watchからご覧いただくことができます。
eワラントをご存知の方にはプット・コールレシオがよく知られた存在なのに対して、この新規買い指数はあまり馴染みがないという方も多いかもしれません。しかし、投資家の相場観をダイレクトに反映する指標でもあるので、特にプット・コールレシオと組み合わせると市場の現状を客観的に把握するのにうまく活用できるかもしれません。
そこで、本レポートではプット・コールレシオと組み合わせた新規買い指数の使い方を解説すると共に、両指標を活用した今後の投資戦略について考察しました。相場の上昇局面・下落局面の双方で、少額から、追証なしのレバレッジ投資をすることができるeワラントをこの機会に是非ご検討ください!

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新規買い指数とは? |
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プット・コールレシオ(以下、PCレシオ)が、日本株又は日本の株価指数を対象としたプット型とコール型それぞれのeワラント売買代金の比で計算されるのに対し、新規買い指数はプット型とコール型それぞれのeワラント購入金額だけに着目して算出されます。
eワラントはFXや信用取引と異なり、ショート(新規売り)から入る取引はありません。そのため、例えばコールの売買が多い(即ち、PCレシオが低い)という場合には、「この先上昇するはず」と見てコールを新たに購入するケースと、「もうこんなものだろうから手仕舞おう」という保有するコールのポジションを売却するケースのいずれかに分けられます。この時、前者は「まだまだ上がる」という相場観であるのに対し、後者は「下がるかどうかは分からないけど、あんまり上がりそうもない」となり、反対とは言わないまでも、立場は異なります。PCレシオのみに着目した場合には、これらの異なる立場を区別することができないという点には注意しなければなりません。
そこで、PCレシオのようにコールとプットのどちらの方が活発に取引されているかを見るのではなく、(売却は無視して)新たに購入されたのはコールとプットのどちらが多いかという点だけを見ているのが、新規買い指数です。算出式は以下のとおりです。
新規買い指数 = ((コール購入金額−プット購入金額)/総購入金額)の5日移動平均
下図は2011年8月から2016年末までの日経平均の値動きと、PCレシオと新規買い指数の変化を表したものです。相場の高値圏ではPCレシオが低い水準をとる傾向がある一方で、相場の底値圏では急上昇し、鋭いピークを形成する傾向がある点については前回のコラムでもご紹介しました。一方で、新規のeワラント買いの内訳に着目した新規買い指数は概ねPCレシオと逆方向に動きます。これは算出式から当然ともいえますが、PCレシオと比較してその位置関係を見てみると以下のようなことが言えそうです。
・相場の高値圏や上昇局面では、継続的に新規買い指数がPCレシオを上回っている(図中の緑色の点線枠内)
・相場の底値圏や下落局面では、PCレシオが新規買い指数を大きく上回っている(図中の黄色の点線枠内)
・新規買い指数とPCレシオが交差をすると相場の転換点の可能性
新規買い指数、プット・コールレシオと日経平均の推移(2011年8月10日〜2016年12月30日)

- ※出所:ロイター及びeワラント証券よりeワラント証券投資情報室作成
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現在のプット・コールレシオと新規買い指数の位置関係は? |
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直近のPCレシオと新規買い指数を見てみると、PCレシオが0.1〜0.2程度の値を推移している一方で、新規買い指数は0.6〜0.7の水準となっており、新規買い指数がPCレシオを上回っている状況が続いていることから、相場の上昇局面または高値圏と見ることができます。引き続き両指数が現在の水準を維持するようであれば、目先は堅調と見ることができるかもしれません。eワラントで投資をするのであれば、日経平均を対象としたコールやプラス5倍トラッカーで日本株相場の上昇についていく投資が考えられます。
逆に、新規買い指数がだんだん低下するとともに、PCレシオが上昇し、両指数が交差するようなときは調整相場入りを警戒したほうが良いかもしれません。保有するポジションの手仕舞いを検討する、もしくはプットやマイナス3倍トラッカーで日本株相場の下落に保険をかけるなどを検討してみるのもよいでしょう。
新規買い指数、プット・コールレシオと日経平均の推移(2017年1月4日〜2017年11月2日)

- ※出所:ロイター及びeワラント証券よりeワラント証券投資情報室作成
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今回のコールくん、プットくんの注目銘柄 |
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コールくんが選ぶ〜注目銘柄
出遅れている日本株に物色が入るとすれば、資源価格の上昇傾向が続いていることから商社に注目したいところだね。eワラントの対象原資産には三井物産と三菱商事があるけど、三菱商事の株価はここ最近急激に上昇しているから、出遅れという点を重視して三井物産を選択したよ。
権利行使価格が相場水準のやや上でレバレッジ(実効ギアリング)が効いた銘柄を選んだよ。
数週間くらいを想定しているよ。
今月中に2.5円が目標だよ。上昇が続けば継続保有してみても良いかもしれないね。
- ※あくまでも現在の市場動向から推測した目安であり、将来の運用成果等を保証するものではありません。
三井物産 コール 第149回
三井物産 コール 第151回
- ※コメント作成時、eワラントホームページのアクセス状況に基づきます。

プットくんが選ぶ〜注目銘柄
日経平均は上昇を続けてバブル崩壊後の高値を一気に突破したよ。強気相場は続いているけど、そろそろ調整に転じたときのことも考えておいたほうが良いかもしれないね。日経平均を対象としたプットで保険をかけておけば、この先も安心して相場の上昇トレンドに乗っていけるね。
権利行使価格は21,000円とかなり下だから0になるリスクは非常に大きい銘柄だけど、日経平均が大きく下落すれば急騰する可能性のある銘柄だよ。
掛け捨ての保険として満期を迎える1月まで保有するつもりで考えているよ。
もし満期に日経平均が20,000円なら2円となる試算だよ。
- ※あくまでも現在の市場動向から推測した目安であり、将来の運用成果等を保証するものではありません。
日経平均 プット 第846回
日経平均 プット 第888回
日経平均 コール 第1082回
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- ※コメント作成時、eワラントホームページのアクセス状況に基づきます。
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