発表時間 |
3/7(金)22:30(日本時間) |
事前予想 |
15万人 |
2月7日に発表された米1月の雇用統計では、失業率が6.6%と、2008年10月以来の低水準となった。しかし、景気動向を敏感に映す非農業部門の雇用者数が+11.3万人となり、前月同様に市場予想を大きく下回る結果(12月の統計予想+19.5万人に対して、結果+7.4万人)となったことで、労働市場の改善ペースは明らかに鈍化したとの見方が広がり、発表直後の米ドル/円は1円以上の下落となった。ただ、雇用者数の伸びが低下した要因としては、悪天候の影響が大きいため、労働市場の減速は一時的との見方が出ていることや、失業率が3ヵ月連続で改善したことを好感して、その後は大きく反発する動きとなった。
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(3/7(金)22:15〜放送開始予定 ※USTREAM(外部サイト)へ遷移します。)
前回指標発表時(2/7)の振返り 米ドル/円
- ※出所:FX総合分析チャート 15分足
他の通貨も動きがありました。
前回指標発表時(2/7)の振返り ユーロ/円
※出所:FX総合分析チャート 15分足
前回指標発表時(2/7)の振返り 豪ドル/円
※出所:FX総合分析チャート 15分足
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発表スケジュールをチェック!
米2月ADP雇用統計 前月比 (ADP発表)
前回予想 |
18.5万人 |
|
前回発表 |
17.5万人 |
---|
発表時間 |
3/5(水)22:15(日本時間) |
事前予想 |
15.5万人 |
米2月雇用統計 非農業部門雇用者数変化 前月比 (米労働省発表)
前回予想 |
18万人 |
|
前回発表 |
11.3万人 |
---|
発表時間 |
3/7(金)22:30(日本時間) |
事前予想 |
15万人 |
過去データをチャートで確認!
米雇用統計 非農業部門雇用者数月次推移(米労働省発表)
- ※乖離=実績値-予想値
- ※左軸:実績値、予想値 右軸:乖離
- ※Market Win24のデータを元にSBI証券が作成
雇用統計直前レポート
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(3/7(金)22:15〜放送開始予定 ※USTREAM(外部サイト)へ遷移します。)
2月7日に発表された米1月の雇用統計では、失業率が6.6%と、2008年10月以来の低水準となった。しかし、景気動向を敏感に映す非農業部門の雇用者数が+11.3万人となり、前月同様に市場予想を大きく下回る結果(12月の統計予想+19.5万人に対して、結果+7.4万人)となったことで、労働市場の改善ペースは明らかに鈍化したとの見方が広がり、発表直後の米ドル/円は1円以上の下落となった。ただ、雇用者数の伸びが低下した要因としては、悪天候の影響が大きいため、労働市場の減速は一時的との見方が出ていることや、失業率が3ヵ月連続で改善したことを好感して、その後は大きく反発する動きとなった。
【図1】米ドル/円 10分足
- 【図1】出所:総合分析チャート
失業率は、就業者数が増加するとともに、労働参加率と就業者比率が上がっており、これに失業者数が減ったことが改善に寄与している。そして、職に就けない期間が半年以上に及んでいる長期失業者が、-23.2万人の364.6万人となり、失業者全体の35.8%(前月37.7%)と低下している。
民間部門の雇用者は、14.2万人と市場予想の19.0万人と予想を下回る結果となった。製造業(6ヵ月連続の増加)は、耐久財製造業と非耐久財製造業がともにプラスとなり、全体を押し上げた。耐久財製造業は、機械と自動車・同部品、家具などのメーカーが好調だった。また、建設業、専門職サービス業、卸売業、運輸・倉庫業も改善したが、12月に大きく伸びていた小売りは、年末商戦に雇用を増やした反動から大きく低下する結果となり、昨年3月以来の減少となった。そして、政府部門も-2.9万人と、2012年10月以来の大幅な減少を記録した。
【表2】統計結果と今回の市場予想
|
2月市場予想 |
1月 |
12月 |
11月 |
10月 |
9月 |
8月 |
7月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
失業率(%) |
6.6 |
6.6 |
6.7 |
7.0 |
7.2 |
7.2 |
7.2 |
7.3 |
非農業部門雇用者数(万人) |
15.0 |
11.3 |
7.4 |
27.4 |
23.7 |
16.4 |
20.2 |
14.9 |
民間部門雇用者数(万人) |
15.5 |
14.2 |
8.9 |
27.2 |
24.7 |
15.3 |
18.0 |
17.0 |
製造業部門雇用者数(万人) |
0.5 |
2.1 |
0.8 |
3.5 |
1.8 |
0.3 |
0.8 |
-0.9 |
- 【表2】出所:SBIリクイディティ・マーケット作成
- ※市場予想は3月4日現在の予想平均値
今回の市場予想を見ると、明らかに慎重な予想ということが伺える。12月は、天候の影響などで雇用者数の伸びが大きく減少したが、1月も天候の影響が懸念されていた。ただ、市場では天候の影響に関して楽観的な見方が多く、雇用統計の予想も例月並みの予想数字となっていた。しかし、結果は市場予想を再び大きく下回る結果となった。
2月も一部で天候の悪化が見られており、2月分の製造業部門では指標結果が悪化していることから、引き続き天候の影響が懸念されている。また、経済指標の悪化は天候の影響だけではないとの見方も出ており、全体的にはやや慎重な予想となっている。そのため、今回も下振れには注意しておきたい。
先週は、FRB議長が「悪天候がどの程度経済に影響を及ぼしているのか不透明であり、金融政策に関しては今後の指標結果を慎重に見極める」と、ややハト派的な発言をしている一方、「数ヵ月間の平均でみれば雇用は改善しており、物価も安定している、QE3は早期にやめるべきだ」とのメンバーの発言もあり、雇用統計の結果を受けて、米緩和策の縮小に絡む思惑も出てきそうである。